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【02/06】勇者のスタート・召魔のコマンド・はぐれ狸のコンティニュー、の話
怪羊マンクスロフタンの頭蓋をモチーフにした多弦楽器「ロフタール」の進捗。
あとはもう細かな装飾をじゃんじゃん削り出せば外形は完成~…
…のつもりで進めてきたがしばらく止めていた。
詰めが甘いように思われたのと、工程を楽しみたいからね。
胴の肉をさらに深さ数ミリほど削いでシェイプアップすることに。
そもそも胴の裏面をどう処理するかあんまし考えていなかったんだ。
持った時に奏者の腹側に来る見えない面なのだから本来ツルンペタンで構わないし、
作っていけば自ずと生まれてくッだろと見切り発車したのよ(柳宗理イズム)。
構造力学と美的流線をはかりながら、容赦なくダメ出しのペン入れを付け、
削げる所を削ぎ、抉れる所を抉っていくうちに…
あっ、
こういうことがあるものだな、仔羊ちゃんが隠れていたよ。
やれやれ誰に教わって仔羊が出てくるんだろうかって話。
インド芸能の巨匠も、芸術大学も、科学博物館も、教えてくんねえだろ?
誰に習えば仔羊が出る? マイケルジャクソン? 寂聴?
前々項のマイケルの話ポウにつけウズベーにつけ、
なんか妙な… ライバル意識ムキ出しでグギグギ接してくる人が時々いらっしゃるのですが、
お気持ちを受け止めつつ、どういうお気持ちなのかしら?と考えて続けてきた。
そして今ひとつの理解に辿り着き腑に落ちつつある。
仰るに、人間は誰も最初は平等に無能で、均等な人生スタートボタンを同時に押し、
外から与えられた知識や訓練を積み上げ、会得し、努力努力でレベルアップ、
そして遂にはその人物が何者であるかを形作るに違いないはずだ、というお考えのようなんだね。
ちょうどファミコンの、よう知らん、なんや… ドラゴンなんとかクエストと一緒よ。
冒険の始まりは丸腰だが、伝説のなんとかソードやら、賢者のなんたらを獲得し(=テッテレー)、
装備して、仲間と力を合わせて、魔物を倒すわけだろ?(=ドゥクシ)
で最速クリアとか、最高点とか、何番目の祠とか、知識経験の広さ深さを競って。
俺は明らかに違うんだよ。人生最初に走った鮮烈な感覚が、
“誰かの人生の続きの気がする” でした。これは未だに消えません。
生命とはなにか? 美とはなにか? を問い始めたのが幼稚園か小学生の頃。
後の勉学はすべからく問いへの理屈づけ。を、そのままこのトシまで続けてる気がします。
この世の不思議、あの世の不思議、言い換えれば “魔物との対話” やもしらん。
気味悪がらずにちゃんと話すと色々教えてくれるし現れてもくれるからな。
わからんかなあ。戦ってレベルを競い合うようなレベルの戦いで競ってないの。
そんなことでいちいち張り合ってこられても困るだけなんです。
仰る、伝説のソードやら賢者のなんやら呪文やらボスやら、どうでもよろしいし、
そもそも最初からそんな中古の冒険ファミコンで勝敗やっとらんわけ。
だのに意気込んで俺んとこ来るわけよ、
現れたな魔物め!倒してやる!と勇者たちが。
プライドばかりがヒマラヤで、だけど財布はルピーの、勇者たちがさ。
褒められる魔法や認められる魔法を自分は知らないのにズルい、
自分の知らない隠しコマンドをいっぱい使えるのはズルい、って仰るんです。
教えろったって知らん。次から次へ湧き上がってくるんだもの。
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【01/22】
はふ〜。年またぎの大仕事が山場を越えてひと息つきながら、ドっ散らかりの作業場を片付けつつ、次の作業を同時進行中。仕事中の愉快なお供は、昨年末にBOOKOFFで随分安く見つけたモンティパイソン全集7枚組DVD+特製ブックレットだ。
おかげさまでこちらもおかしな着想を得てしまい、久方ぶりに絵の具を使って、
古い時代のヨーロッパ宗教画をトレースした冗談イラストを描くことに。動画に一瞬だけ登場させようと思って。
で、せっかく描いた絵を、一旦クシャクシャに丸めて、広げて、
スポンジやすりで軽く削ってしまいます。そうすると、
クシャクシャの折り目に沿って、かすれ・破れ・穴あきが生じ、古い感じが出るでしょ。
このあとPC画像に落とし込むのだから処理ソフトを使えば全体的な画質調整は後からいくらだって可能だけれど、こういう物理的な質感のサンプリングだけは実体材料には敵わないんだよな。
それこそモンティパイソンの各スケッチ(=コント)の合間に挟まれるテリー・ギリアムのアニメーション、あれは素晴らしいよ。自筆のイラストに加え、昔の写真や書物からたぶん勝手に引っ張ってきたビジュアルを滅茶苦茶に切り貼りして作られる一連のバカ映像作品。紙とコマ撮りを用いたアナログな手法で紡ぐ滑稽な味わいは、CG当然の今見ても全く古びていない。
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【01/09】
そんなにショックだったかしら、異国民族ものまね音楽ばかりでは褒める価値がないよと正直に申し上げたことが。
コンテンツを置き換えて考えてみるといいですよ。例えばそうさのう、マイケルジャクソンの格好やダンスのコピーが巧みな御方は沢山いらっしゃいますよね。そのこと自体は皆さまどうぞ存分にご活躍し楽しまれてくださいと私も思います。地元のカラオケ歌まねコンテストで優勝!とかね、素晴らしいじゃないですか。
そんな中で仮に、仮によ、マイケル御本人からの協力依頼にピースケがほんの少し応えたとします。今度の販促ビデオ用にギミック付きコスチュームを1着あつらえてくれないかポウ? 是非承けてほしいポウ!
するとそのことが、自分こそマイケルに近い!もっと近付きたい!誰よりも!の頑張りが心の支えになっているコピー愛好家の心に火をつけることになる。いわく、
→1)同じコスチュームを格安というかタダで作ってほしいポウ!
→2)自分の持ってるマイケルグッズコレクションも珍しがってほしいアォ!
→3)正確忠実なダンス再現に捧げる愛と努力を褒めてほしいウズベー!
→4)マイケル知識うんちくクイズで勝負しようパン茶宿直!
や、俺はそんな次元でしのぎを削り合うつもりはないし、そもそもよ、俺、別にマイケルになりたいわけじゃないの。無二なる表現世界の顕在に及ばずながら力添えをと願うだけのこと。
同様に、数少ない楽器奏者で製作者だの、或る種の甲殻類研究の第一人者だの、色々と勝手に謂われとる俺ですが、本当はそんなのちっぽけなジャンル分けにすぎません。もちろんそのジャンルを志す人はどうぞ個々人で楽しんで頑張ってほしいところだが、あまり習熟度や達成度を承認しろとムキに張り合ってこられても今さら驚かないし褒める要素もないんだわ。
俺はね、特定ジャンルの専門バカ(=としてイチバンの存在を自認していないと心が壊れてしまう人)ではありません。生物と無生物の関係性とは?ひいては宇宙とは? の主軸根幹をブレずに、どこ行っても何やっても発想が病的に溢れ出まくる人。鬼と仏と神と悪魔をいっしょくたに獣の皮で包んでいる人。日本の、あくまで日本の、妖怪寺の狸和尚みたいなものだな。分野の魅力を自分の偉さ凄さに同化しないんです。‘何者かになりたい’ パンピーが敵うわけねえじゃん。
俺を特定ジャンルの人としか見てないのは、俺が体現の都度にいちいち装いを変えるからだな。だからって僧侶の装束で茶化してみれば、信者志望の女の子が鬼のように電話してきたり…。あのね冗談でこの格好なんだぜ?ってことすら読み取れないんだ。承認餓鬼の依存的な余裕のなさってのは、まったく。
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【01/04】< 今年の目標 >
そうさな、昨年は遠方取材で番狂わせが生じたし、自分のペースでこつこつと順当に発信して参りたいところだ。実際いま或る文面をまとめ中です。新楽器も作るよー。
あとまだ一度も行ったことのない定例イベント『デパートメントH』を覗いてみたいな。あそこはfetishな装いとgentleな社交が基準でハードルが高く、生半可な態度では挑ませてくれません。
なので、インド古典まねごと自己満コピー音楽で承認欲求ライブの類、一切お知らせしないでくださいねー。申し訳ないけど演奏を褒めに行く時間も価値もありませんので。