◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
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祝!! ”圓”制撤廃 !! 錆びし刀の負ーケター…寂し斜陽の西武劇…の話



まず楽器の進捗から。なにせ天気が良かったり良くなかったりでね。


いま複数台を同時進行に、胴皮をバンバン張ってるところ。
ただ"貼"ってるんじゃないのよ、適度にテンションかけてます。
作業にあたれる日取りと空模様との兼ね合いがどうしてもあってね、
一気に進められる隙間もあれば、しばらく待った方が後の仕上がりが良い場合もある。

どういう天気の日にどういう作業をどういう塩梅で施すかは、ひみつ。
素材 - 構造 - 力学で、空 - 獣 - 気まぐれな神と対話すんだよ。
奏者はバカな面があって、自分は専門家だから作るのも簡単に出来らぁ!! と息巻いて失敗してんの。




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改装から3年、ようやっと西武園ゆうえんちの偵察に参ること叶った次第にて候。

えーと、ビジネスデザインの実践例として厳しめに考察する覚悟で臨んだけれど、
懸命に頑張っていてね、一周して応援してあげたい気持ちになった。
賛否両論、ときに酷評あれこれも耳に入るが、実現する側は大変なんだから。

やんちゃなチビっ子から、いかにも若き青春世代、ギリギリ昭和と見受ける世代、
楽しみにはしゃいで来たオッチャン2人組など、客層も様々でした。

権利関係の制限あってか、極力オリジナル描画をもって昭和的なビジュアルを巧みに構成なさっている。

以下、批評やら考察にあらず気付いた点や考えた点、せいぜい個人的な感想ぐらいご容赦あれ。
思うところあって思うところを思うように述べたまでだが、近世はそれすら憚られるもんな、
“否定はスルー!肯定だけ欲しい!”コンプラチンキにほだされて、自分で考える、をしなくなってる。
どんどんバカな自尊心家畜になるのは目に見えたこと。



私は昭和54年=1979年…千葉の寺から虎3頭が脱走した年に産まれました。
レトロどころか現役で昭和の痕跡が使われ続けていた時代ですし、
実際、私の自室には今なお当時の品々が残っています。

なので3年前の「ガイアの夜明け」西武園リニューアル特集(後述に↓引用貼ります)を観た時にゃ、
おお、おお、昭和が戻ってくる!と興奮したものです。

ミゼットを愛車にしたかったなー


が、プレゼンテーションを拝見するうちに、一抹の…いや深刻な不安がよぎりました。

 ((( これ、大丈夫か? リピート客来る? 失敗こくんでないだろうな? ))) 

否応なく思い起こさせるのは日光、江戸村とウェスタン村の明暗。
コンセプトの物珍しさに最初だけワッとお客が来ても力不足で尻すぼみではいかんのだし。

比較されやすいであろう “オトナ帝国” や “三丁目の夕日” 辺りはじっさい発想のヒントかと察する。
本物の敷地にいっぺん落とし込んでみたい夢の実現欲がなければここまで拘れないはず。
シルバーには懐かしくヤングには新しいコンテンツなんですッと息巻く仕掛け人が目に浮かぶでしょ。

特に懸念だったのが「圓(えん)、古札を模した独自のおままごとチケット制だ。

   キャッキャ!なにコレ!見たことないお札で草生えるんですけど楽しい〜ウフフ!
超エモ〜いキャッキャ! レトロ〜知らんけどキャッキャ!
   キャッキャ!昔はこんなヘンなお金だったのマジ卍ウケる〜毎日遊びに来たいウフフ!

…と、来客みんなが感じて設定に前のめってくれればよかったんだけどね。

一圓が現行12円相当とややこしいうえ、使用強制、後日持ち越し禁止、使い切れない仕組み。
タイムトリップに現行円では台無しだからとのコンセプトはとてもよく解るのだが、
沢山のお客を招く上では却って足を引っ張るシステムでは?と懸念してたら、案の定、案の定、

 2024年1月公布、同年3月ヨリ施行ス

現行円での利用に戻し、タイミング同じく企画会社との契約も満期終了とこうだ。

必死に糊塗してきた昭和テイスト設定の完璧性がこの時点で瓦解したと私は考える。
なによりの悲願は起死回生と存続です。繰り返し訪れカネ落として貰わねばもたない。
過剰に ”エモい” 世界観に全ての客が全力で浸ってくださるとも限らないうちに、
頓珍漢な突貫サービスでせっかくの来客に嫌われたとあっては(仕事用語で”機会損失”といいます)
もはや虚構に遊んでばかりもいられない状況に瀕したのだと勘ぐられるのも必然。
どうにかしてほしいと再建を頼った手前、どういうことですかと問題視しないわけがありません。

企画運営、双方の苦心たるや、伺うに総予算100億。ぽっちで廃園の危機を救えとは無理も難題。
しかしさればこそ、お試し一見客層にいきなり “損する算数” を強いるセコいルール強要は悪手だった。
面倒! 最悪!二度と来ない!の罵声が遊園地に飛び交うというのはたいした状況と見受ける。
世界観の根幹である金券制度の廃止… ご英断の大鉈を振るいなすったと思うが、
意外やこれだけでも客は気軽になり、出足は回復するのでは?と私は予測します。


後出しで済まないが、私は最初から「面倒がられてすぐ現行円に戻す」と見越して、待っていたのです。
面倒で割高な仕打ちに憤ることが分かっていてわざわざ出掛けるほど暇も金もないしなぁ。

実際みごとに現行貨幣が使えるように切り替わり、切り替わってからノコノコ見物に参りました次第。
その方がサッパリしていて良い。もし俺が企画担当Dだったら最初ッからやらないし、
やるなら「指定店での飲食で1枚ついてくる可愛いおトク券」程度にする。
持って帰って記念にとっておいてもいいんだ。つまり単なるサービス券です。
損して得取れに挑まないと現金な客は巻き込めないと思うんだ。


うーん、総じて思うに、

“圓”に関しては敏腕マーケター集団のマーケティング不足があったのではないか。

辺鄙な湖畔まで来てもらうコストをわざわざ経てくれた客層とお財布への無頓着、
“我々の提案するイマジネーションに心から踊らされて戴きたい” という自惚れ計画、
“かの某スタジオをV字回復させた立役者に助けてもらおう” というすがりつき経営が合体した結果、
《敢えての不便さで非日常をエンタメさせてやる》という思い上がり怪獣多摩湖畔に出現、
抱き合わせにダダスベる方向へ転がったように感じられてならない。

アイデアでっかちに溺れ、ただただ不便を強いてしまっていた現実に漸く気付いたのだと思います。
食事や土産のたびに俺わざと、あたかも昭和60年代側の住人のように、
「あれッ未来のお金でいいの? 今の"圓"通貨でなくて?」と問うたら、
「……はい、大丈夫です……」とスタッフさんも気まずそう。
(((あんな面倒させておいて、だったらやらなきゃよかったじゃん))) の内情は暗に伝わるものです。

↓クリック頭出し済み、1:37〜

“心温まる昭和”の練習を頑張るホール担当鈴木さんに、ダメ出すマーケ担当D近藤さん。
「率直にいうとね…あの… “鈴木さん” ではなくて “作られた鈴木さん”と接してた感じがしてました」
無理させといて可哀想に。それ言っちゃったらアンタ達もなんだよな。
率直にいうとね、“作られた会社の、作られた昭和”の嘘臭さと接してた感じがしてました、ずっと。
心を込めたモノ作りと、作り物の心のお仕着せの違いを、客に鋭く見抜かれた結果が出たと思う。

第一、大成功なら”圓”制は存続、たくさんのお客様が各地からこぞって換金に訪れ、
再開時ブーストを過ぎても通年大賑わい、誰の目にもV字回復右肩上がり、
契約も予定の6年といわず円満に更新、施設・遊具・サービスの新設と、互いに手放さないはずである。
準備3年・運転3年、あくまでテコ入れ…との距離の取り方には、やってダメなら逃げられる賢さも垣間見えた。




園内の雰囲気と演出にも目を向けてみる。
何もなかった空間に幻を拵えねばならない以上、ある程度のハリボテ感は致し方ないことだろう。
使い古しにくすんだ味わいを丁寧に再現できているとは思う。
と同時に、ビジュアルを並べただけで “エモいレトロ” に寄り掛かっているようにも見えた。

かつ、当時の熱気!と仰るわりに小綺麗で、だいぶんコンプラ上品が過ぎるような気がすんだわ。

昭和というのはもっとコミカルでラディカル、垢抜けない人間臭さ小便臭さこそ愛らしいのだが。
ここいら辺の上澄みばかり感にも提案側の気取った趣味嗜好がどことなく匂うと申しますか、
とびきりのまやかしに従順に浸ってくれるお人好し層をこそ上質のカモとみる前提が透けて見えた。



ひときわ惜しまれたのが、熱気の盛り上げ役… 商店街バンドの存在意義と使われ方だ。

や、個々のミュージシャン氏のご活躍は素晴らしく、お客への配慮だって決して悪くない。
典型的チンドン屋スタイルにしなかったのもなかなか洒落ていると思う。
が全体的に少々真面目が過ぎ、淡々と仕事演奏しております様相、見ていてどうも物足りないのだ。
なにより惜しいのは、トリオ編成のため低音人員が無いことによって曲想に締まりを欠く点である。

これね〜、俺がもし演出担当だったらクァルテット、是非ともベースを加入してもらいたいな。
それも昭和の癖の立つ、ダンサブルでナンセンスなベースマンだ。

 わかるかな〜、このテの人よ。

犬塚弘!と叫んだおっちゃん各位はいったい幾つだ。
山口ともさんやジェントル久保田さんのような剽軽さもいいね。

実際コントラバスは大きいぶんよく目立ち、ブンツカボンボン、宣伝効果が抜群。
スラップ、パーカッシブ、コマ回し、箱乗りなど、技も多彩です。
居るだけで、わぁ~楽しそうにやっているな~足を留めてみよう!と感じさせるものだ。

で、その大きな胴箱を存分にビジュアルに生かすわけだよ。例えばそうさな、演奏中、

追われるコソ泥がベースの陰に見え隠れする演出を試してはどうだ?
ハプニングとして行われている盗人と警官の追い掛けショーをもっとバンドに絡めるのである。
もし可能なら楽器から特注し、泥棒が楽器の中に隠れられるように細工しておくのもいいね。

追って駐在さんが「君たち!見なかったかね?」いるよッ隠れてるよッ!とはお客の連れ子ちゃん達。
バンド掻き分けドタバタ追いかけッコと、せかすように鳴り止まないバンド演奏。

ぐらい頓狂にやらなくっちゃ。あのね、僕らの昭和はこういうのなの。
愉快なショーは良い演奏へさらにひと味加えて練り上げるもんなの。
吹奏楽コンクールを見に来てるんじゃないわけやからね。
ヴォードヴィル、スラップスティック、近年の冷めた世代は解らないかもしらんが。

下品な中にも人情と機知、これが昭和なんです。
上品ぶって真面目を装う中身なし、これが令和なんです。
コスパタイパな世の中じゃ、アジャパー・ガチョーン・スンズレィシマスタ、お呼びでないザンス。


そう、そう、そう、この↑感じ、この感じがバンドにも愉快に絡むと一層良い。

客人は日常の中の非日常、意外で愉快な驚きを求めています。
揚々とクレージーキャッツ流れる街角にあって、偽の郷愁の皮ばかり大人しく被ってちゃ勿体ない。
ディズニーがやらない突飛な “ゆ~もあ” (※ひらがな) を魅せていかないと。
そういう薄ら恥ずかしい所に味が宿るんだからさ。どうなんだ西武園?! 是非ご検討くださいませ。



他方、上品レトロ演出がとても良かったのは、食堂車レストラン「黄昏号」
本物の列車ではなく食堂車両を模した屋内なのであるが、内装が凝りに凝っていた。

車窓を模した壁嵌めモニターに春夏秋冬の景色が次々と展開されるうえ、
屋内のはずなのにテーブルが車両の揺れに併せてゴゴゴと振動する仕掛けまで施されている。
五感をフル活用したイマジネーション空間、とても良かったです。



メニューも遊園地のわりに高級感があるもので、意外や旅気分の中で美味しく戴きました。


思えば昭和時代より、テレビ観ながらメシ食うなと怒られては、メシ食いながらテレビを観てきました。
今、テレビ自体が無いもんね、歩く時も寝る時もスマホスマホと落ち着かない。
取って付けた昭和は鼻につくけど、落ち着いた雰囲気にこういう粋な裏打ちなら大歓迎よ。


呼び物のゴジラ及びウルトラマン、ゴンドラ座席が激しく動く怪獣ミニ映画も観ましたが、
ディズニーシーのソアリンのようにもっと前へ伸び上がっての振り回されに期待していたのでやや想定内。
しかし迫力は満点で、ゴジラを一番の目当てに来園する人が圧倒的に多いのも頷けます。


グヮシャーン!!! 大怪獣のひと足が、ビルを…塔を…テントウムシをも踏み潰す!

だって仕方ないよ、目当て以外の出し物が驚くべかれに如何とも致し難いのだ。
ご覧のとおり↓、なんぼ平日とはいえ昼下がりにこの清々しさ。

あまりにもやることのない大人たちが不審船舶タコ遊具に揺られています。

そのポツンポツンした光景はさすがの俺もちょっぴり共感性羞恥


 \きょうはがんばって、おうまのしりを、いっぱいいっぱい、かぎまくる!/

と、ミニくまお同伴の特派員レッパンちゃん(前科78犯)も朝5時から意気込んでいたのですが、
ゴジラウルトラマン以外はどうにもこうにもノリきれないご様子。

唯一ガブりつこうと挑みかかった馬の尻に、

知らない外人の子供の頭が生えているという聞いたこともない不可解さが、

今回で79犯になる未就学児の突撃心を、ことさらに打ちのめしたようです。
天使のレリーフなのだろうが、こんな尻からポコ出る畸形児童をついぞ知りません。
バッチリ監視されながらの破廉恥行為は後日の任意同行も免れますまい。
レッパン君が見られて興奮しない性癖の持ち主であることだけはよくわかりました。

園内にはバラ園のほか様々な樹木・植栽が。
花盛りの時期でなかったが、可愛らしいビロウドツリアブを見ました。春ですね…って、
無理にでも前向きな視点で気を紛らわせないことにはモチベーションがもたない!

丘にはあのように立派な松の木も。奥に見えますカラフルなのはバカノキと申します。

バカノキの実は今が食べ頃。早熟で青臭く、割ると中身が空っぽなのが特長でございます。



…な、5000円弱取って、土地持ち無沙汰にこれで郷愁の昭和な遊園地でございッってのは苦しいだろ。
マセた子供がこの安直さに肩をすくめ薄ら笑う光景が目に浮かびます。

見やれ、ペンギンさんと一緒に撮れる顔ハメ看板でさえ、

園のもっとよい所に置けば南極に来ました気分を提供できるものを、
なにもこんな便所の洗面台に立てることなかろうに。そう思いません? …石鹸の掛け具でした。

リニューアルを経てじつにこれくらい昭和商店街←→特撮←→それ以外で温度差があるのだ。
物置き同然の準備ブースのほうが皮肉にもリアルな廃墟の風情がある。

というのも、俺ここ、リニューアルにあたり休園の直前に来てるんです。
当時の写真↓をご覧あれ。

2018

これ↑↓は2018年・平日昼の春頃なんだが、昔のほうがだいぶ賑わっている。
確かに当時から行く末を案じられる寂れようでしたが、むしろ現在のほうがちょっと心配。

2018
2018

来た日の偶然か、出張ふれあい動物コーナーがあり、むろん羊を撫でくり回してやりました。
加藤鷹ばりのフィンガーテクニックを羊の表情からお読み取りください。


さて現在。遊具の古めかしさをそのままレトロと解釈する発想転換は理解するが、
提案側の狙ったほど "エモい" マッチングを明確に打ち出せていないのは一体なにか。
ジャングル大帝ゾーンも含め、懐かしき日が薫る “古美” の演出がぜひ必要なのを、
単にカラフル遊園地にしてしまっているのだから二分化も当然のこと。
こういう煮詰めの足りなさもマーケティングの甘さと予算の厳しさからきていると私は考えます。

(再び2024年)


おかげさんで私も怪獣鑑賞の上演時間までひたすらの暇つぶし人員となった。
この場内展開じゃそうなるのも当然だ。是非またこの場所に浸りたい!とはなりづらい。
ハマる人はハマるし…ハマる人だけハマればいい…の考え方ではV字回復は見込めないと思います。

かくして、食事を軽く済ませ、土産コーナーを軽く物色して、

園内でゆったり1日過ごす予定が、なんとまあ夕刻前には園を脱出
なにか新しい事をせずにいられない消化不良な気分に苛まれ、だからってどうして、

 オザキフラワーパーク
 自宅

帰路に途中下車、大型花屋へ寄って知らないマメの種を買って帰って撒くというていたらく。
だって、知らないマメ栽培に挑戦のほうがよっぽどエンターテインメントだもんよ。


さて物色のお土産の方もまた案の定、レトロ調狙いの現代品ばかりで落胆す。ったく詰めが甘ぇな!

昔の扇風機だのアイロンだのをホントに買える古物屋があったらどんなにか楽しいのにな。
遊園地でまさかの壊れ東芝電気釜を買って帰りゴミ扱いにされるパパさんが目に浮かぶ。

私がどうにか見つけたアイテムはこれだ。

犬のだるま。これほど西武園とまるくそ関係のない土産物もない。
だいたい干支の置物は年始のお飾り用か、信心深い人が自分の生まれ年のを買うものだ。
2021年(丑年)の再オープンに戌年商品の需要など的外れも当然ではないか。
売る方も売る方だが買う方も買う方とは、このことなればなり。

しかしこんなミスマッチが案外と、

          \ちいちゃいかわいいんだ!/

  
留守番くまお大喜びと相成りましたので結果オーライにてはべり。
あまりのシンクロニシティによって戦車までもが緊急出動する展開に(写真右)。
昭和はこれくらい頓狂にやんないと駄目よ。ススメススメ、オクニノタメニ。トテチテタ。

そうだ… 西武園ゆうえんち、もし今後やはり閉園せざるを得ない運びになったら、
潰す前にいっそヤケクソ、架空の戦前・戦中を再現してみてはどうだい?
で、遊園地全体をサバゲー会場にするんだ。愛好家は大喜びで軍装してくるぞ。
灯火管制下、パフェ食ってチャラいヤングを「馬鹿ッ!!」、長介さんみたいな憲兵がしばくの。

従って結論!!  西武園ゆうえんちに足りないもの… それはデスマーチだ!!
ブンツカブンツカ、ブンツカタッタカ…ダイナマイト和尚のベースが唸る!
実際このサイコな軍楽隊のルックスを堂々支えているのがコントラバスである。
商店街バンドもこのくらいの迫力と懐メロで盛り上げろ! 目当ての人気が爆上がるぜ。

欲しがりません勝つまでは。ああ玉砕ニイタカヤマノボレ
軍靴の音がツッタカター、ツッタカター、ツッタカ坊や… …知らねぇか。

ツッタカ坊やを知らないんじゃ、昭和は遠くなりにけり。この話おわり。










    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。