◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
★ 1記事内1主題の場合と、1記事上に短文加筆を重ねる【近業掬イ】(きんぎょうすくい)の場合がある。繁忙時はどうしても後者です。
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【2022年】 あけまして、おめでたそうな、それ、なんですか? の話



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毎年絶叫しておるように干支は私が決めるのだから本来は今年も個人的にLOVEな羊の年ですが、
寅年にして寅年にしてと貴方たちがそうも泣きじゃくるから致し方なく虎の年に致します。

さっそく、ちなんだ郷土玩具なぞ飾り立てむと方々探しけるに、

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今年はこの↑ダイソーで200円のがベスト。これは、いい。可愛い可愛い。



さて、可愛い可愛いとホクホクしていて全く気がつかなかったのだが、
年明け早うから我々は重大な疑問に立ち向かわねばならない。

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…この虎はいったい何を抱えているんだ?
ヌタっと黒く四角い正月の縁起物なんてあっただろうか。


最初は漆塗りの文箱(ふばこ)?かと思ったの。
お年賀のご挨拶状を携え、かしこまってお越しなのかなって。

ところがよく見ると下部が1本に出っ張り、虎がしっかり握っていることから、
ああそうか、水引を結んだ漆塗りの羽子板?と理解した。
しかしお目出度い席でこう黒無地の羽子板を持参というのも見慣れないことだ。

そこでさらに観察すると、あっ!

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大きい虎の肩越しに黒い謎が伸びていて、意味がわからない。
漆塗りの羽子板にこんな腕が伸びていたらおかしいでしょうに。

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培ってきた研究成果を総動員で熟考した末、ついに正体が判明しました。

これはねえ、クジラの子・或いは大きな山椒魚・もしくは深海ザメのような、
ヌタっとした知らない生き物にリボンを結んで届けに来てくれたのである。

     \  あ け ま し て お め で と う  /
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昆布巻きや羊羹みたいなツルテカの質感、
抱かれている時は閉じていた目を、…ムリンッ!!… と見開いて、
あんまり暴れるものですから地べたに置きますと、のたくそのたくそ歩くわけですよ。

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じゃ、いっそ↓これを今年の干支にしたらよろしいんじゃないのかしら。

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そうしましょう、そうしましょう。今年の干支は↑これで決まりです。
ですので寅年は早めに押し入れに押し込んで、干からびた頃に使ってください。



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参考に、タンザニアの木彫りのカエル像。
中学生の頃にディズニーランドのジャングルクルーズの横の売店で買い求めたもの。
あそこ昔は世界の民芸品店だったんだよ。まるくそディズニー関係なくて大好きだったのに、
いつのまに民芸品が消えて公式グッズばかりの取り揃えになりやがった。畜生めがっ!


…さあ、ネタはしこたま溜まってんだ。今年も頑張ろう。
去年は甲殻類にだいぶ引っ張られてしまったからな。







    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。