◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
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【閲覧注意】研究者、噛んでくる海の虫 “ヒメスナホリムシ” の生態を自分の肉と鼻血で検証 → 結論「人がゴミのようだ」wwwwwww



こつぶ荘シリーズ第3弾となります俺の新しい論文が公開になりました。

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生鮮な人肉をヒメスナホリムシに与える観音崎産等脚目・端脚目甲殻類 4 種の飼育事例―
Give fresh human flesh to Excirolana chitoni (Richardson, 1905) ―Case study that rearing of four species of isopod and amphipod crustaceans, collected from Kannonzaki Bay, Kanagawa, Japan―
川﨑祐介 Yuusuke Kawasaki (日本甲殻類学会会誌CANCER 第28巻収録〈電子出版〉)
《書籍情報》→https://www.jstage.jst.go.jp/article/cancer/28/0/28_e153/_article/-char/ja
《直PDF》→https://www.jstage.jst.go.jp/article/cancer/28/0/28_e153/_pdf/-char/ja
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生鮮な人肉ってどういうこと? ってか誰のどこを??
解説に先立ち、これまで糞狸ピーちゃん名誉教授こと本名エルくそカンターレが発信し、
生物学界に衝撃(ズコーッの類)を与えた奇跡の数々を今一度振り返ることに致しましょう。


…忘れちゃったな。えーと、
 
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イワホリコツブムシが窓つきの木造賃貸アパートにも住むこと、


▲人工巣穴「こつぶ荘」に住んで子育てに励むようす


●住む場所の色に寄せて自分の体も成長ごとに色調補正しているかもしれないチビウミセミ



▲エサ海藻であるアカモクはもともと褐色だが(上写真・右奥)、
 湯通しして緑色化してのち与え直したところ、淡緑色の個体が出現


▲若齢個体群に行うと緑色の色素胞?が顕著に目立つようになるが、
 大型の老齢になってしまってからでは対応できないようです


イソコツブムシが意味不明ダンス婚や勘違い婚をすること、


▲異種混合飼育下では誤って異種ウミセミを抱いてしまうことがある。
 コツブムシ類の種判別は非常に難しいが、実際テメェら自身も見分けつかねえんでやがる


ワラジヘラムシは意外に獰猛で賢く、泳いでるヨコエビもガッ捕まえて食べちゃうこと、



▲映像よりキャプチャ。被食中のヨコエビはまだ必死にもがいている


ホソヘラムシがおくる鈴木義司先生ばりの土管生活とその可視化、


▲飲料用ストローなど透明な筒を与えると内径にひそみ、幼生を放つに至ったが、
 その幼生も生後3日にして頃合いのミニ筒を磯クズ中から探し、ひそみ始める


これらの不思議な生態と実験をオープンアクセス=どなた様もタダ読み可のpdf文献にかえて、
日本初どころか科学史上初めて報告致しました。

イワホリコツブムシについての詳細は、
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穿孔性コツブムシ居住装置「こつぶ荘」手法紹介と多摩川産Sphaeroma sp.の分類学的再検討(2015年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cancer/24/0/24_KJ00010039393/_article/-char/ja/ 
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ほか4種についての詳細は、
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観音崎産コツブムシ亜目・ヘラムシ亜目等脚目甲殻類5種の飼育事例(2017年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cancer/26/0/26_77/_article/-char/ja/
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をご覧になっておじゃれ。なおいずれの種も分類学的には不明瞭で不安定な状態にあるため、
正確な種名は今後の進展によって変更修正されるかもしらんことにご留意くだしゃんせ。
しかし大きくは間違ってねえはずだからご安心のもと参考にしておじゃりやれ。


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では本題。今回の物騒にも「生鮮な人肉をヒメスナホリムシに与える」とは一体なにごとか。
そりゃ文字通り、生鮮な人肉をヒメスナホリムシに与えたの。


ビキニ眩しい夏の砂浜。波打ち際にベタ尻ついてくつろいでいると、
肌が突如チクッと痛んでびっくりさせられることがございますが、この原因のひとつに、
「ヒメスナホリムシ Excirolana chiltoni」なる高速ダンゴ虫による皮膚への噛み付きが考えられます。

このムシは波打ち際の砂下3cm程に多数ひそみ、たまたま打ち上がってきた肉質、
例えば魚やイカの、或いは海鳥の、ときに陸生動物の死体の漂着を鋭く嗅ぎつけて、
その肉を食べてしのぐという、効率的というにはだいぶ博打な生き様を選んで生き延びています。


▲アジのしっぽに群がる

問題は、さてこれをどう捉え学ぶべきかということ。
このような未知の生態が話題にのぼりますと我々っつーのはよう知らんのに、
ついつい物知りハカセ顔を誇りながら美談説教まじりに、

 |
 | ヒメスナホリムシは魚の死骸など海のゴミを食べてくれる “掃除屋さん” 。
 | 夏休みに遊びにきただけの、なにも悪いことをしていない人を、なな、な~んと!
 | つい“餌と間違えて”かじってしまうのです!「テヘヘ♪ごめんよぉ!(富永みーなの声で)」
 | だけどこのムシも立派に生きている地球の一員。彼らがいるおかげで海は綺麗なんだネ。
 | ガイア… この星をいつまでも…
 |


と、わくわく奇想天外にダーウィンが来たかの如く語りたくなってしまいます。
しかし私は長らくこういう姿勢をクソ疑問視してきました。
だってテヘヘ間違ったかどうだかは、ムシに聞いたんか? 直接訊いたんか?

 |
 | そっそれは… 人間は餌とは違うし、人肉食なんて駄目… ガイア…
 |

誰も彼も浅堀りの又聞きでもってテキトーに論説ぶっこいとる状態。
噛む噛む言われるこのムシが人間を噛む、その瞬間、その決め手、その記録をもって、
はっきり明確に応えてくれる研究が今日まで皆無でした。


そこで私は砂浜に出向き、少なくとも1000頭以上のヒメスナホリムシを捕獲。


▲容器壁面のブツブツが全部それです。
 数えてないけどひと夏総計で5,000頭くらい採ったことになるかなあ


そして出来る限り快適に過ごせるよう工夫しながら水槽飼育し、
果たしてチミたちはどんな状態のどんな食べ物が好きなのかに?
乳製品、酒のアテ、普段食えないご馳走をたんと約束するから教えてくんろ? と、
様々な食品を振る舞いながらムシ当人らに尋ね込み確かめる流れで、

人体… つまり…

生ヒト血液・生ヒト表皮・生ヒト肉片… すなわち…

私の皮膚・私の皮膚片・私の鼻血(※慢性鼻炎なんで)を…

“餌として” 差し出す実験を行ったのです…

さあ召し上がれ!


いやいや、僕をお食べってアンパンマンかっつの。
しかし自然現象や偶発事故としてでなく “餌として” という記録はたぶん科学史上初。

自己同意のもと自身の肉をごく微量やるぶんには倫理問題にはならないはずだが、
果たして俺の肉は、俺の血は、俺から切り離された瞬間、いつまで俺自身なのだ?
ひょっとして俺は最初ッから単なる臭い肉塊なのか?


結果はじつに単純明快、



あっはっはっは、大喜びで私の血肉にガッついてくれました。

しかもなんとまあ誂え向きと申しますかヒメスナホリムシは体が半透明なので、
かじると体の中が徐々に赤くなってくる、=飲み込んでいることがわかります。

ということはおそらく…

ヒメスナホリムシは間違えて人間に噛み付いているのではない。

食べる目的で食い付いており、我々のほうが食べられているのだ。


…と考えるほうが自然です。

っちゅうか別になんの驚くほどでない。やれば食うだろうよさ漂着肉食者だもの。
死体だろうと餌だろうと、ヒト肉だろうとタヌ肉だろうと区別せず、
そこに有るもの食えそうなものを食っているだけにすぎません。
が、我々の頭にかかる《 人間を食べるなんてあってはならない、もし自分がと思うと怖い 》という、
恐怖と禁忌のバイアスにより現象を真正面から捉えることができていなかっただけ
です。


加えて注意すべきは、お為ごかしたエコのバイアスもまた問題を濁す元凶になりやすい。
海洋環境における生物相と連鎖のバランスってのは当然ありましょうが、
ムシ当人らには別に環境保全のために掃除してくれてるつもりなんぞ毛頭ないのよ。
偶然の届き物を待ち、懸命に食らいつき腹を満たすことで命を繋いできただけだ。

であれば、もし尚も “掃除屋さん” のレッテルをわざわざあて続け、
“たかが掃除屋のくせになぜ生意気にも我ら人間様に抗ってくるのか?” と、
噛まれた痛さ悔しさ得体の知れなさに問うのならば、その正答は唯ひとつ。

母なる海ではお前もまた一塊の生ゴミにすぎない。



 ▲あイテテテ!! 俺の皮膚をアゴでちぎり詰んで飲み込んでる。好きなだけお食べ…

わはははは、見ろ、人がゴミのようだ!!
大事なのは実際にやってみること、誰にも解るような形で確かめてみることだバルス
それでようやく見えてくる逆転の世界があるバルスよ。



論文では大量捕獲のお手軽テク、楽しい飼い方や、オーストラリアの流血事件に疑義の余地、
同属他種との生態の違いなどなど、此処はまだまだ未知なる分野ぞ~の示唆に加え、


●博物ふぇす2017会場にて保存液代わりにマキロンに浸けて標本を配布した、
 細いキモい知らないミスジヘラムシのなかま…
  (トガリミスジヘラムシ or ホソミヘラムシ、じゃなきゃ未記載)



●なんでか知らんけど飼ってたらやっぱりそうらしい、
 わざわざ高いところに居たがるモノノフヘラムシ
 (近似種とされた ‘キンダチヘラムシ’ はシノニム濃厚だそうです)


さらに今回は番外として、


●最初コツブムシかと思った、結んで開いて変則的反則的カメノコヨコエビ属の1種の忍者生活…
 (ドンガメヨコエビにあたるのはこれか? でなけりゃ未記載)

について、わからないことをわかりませんのまま放り投げて収録し、
馴染みの海のコツブ相の豊かなる謎を俺が提示しました次第よ、だって誰もやらんけ。

特にカメノコ、おまえ何者ぞ? ヨコエビは俺の趣味の範疇でないのだが、
ピースケさん紹介してクレクレってクルクル回るから、しょうがない同じ原稿にブッ込んだの。
ひとまず1種として紹介したけど、俺はこの手、見つかりづらさから調査が遅れているのであって、
よくよく探していけば形の違う同属別種が各地沿岸からいっぱい出てくると考えています。

各々詳しくは論文をどうぞご覧になってみやしゃんせ~。





======【たいせつなこと】===============


ヒメスナホリムシの人をかじる秘密が、こりでみんなの共有財産になりました。
ピースケ大僧正さまの聡明なる千里眼と御仏の如き慈悲ごころの思し召しにより、
おまんら畜生どもの薄汚い前脚にも一滴のアムリタが注がれたのでございまッハッハッハ、
や、嘘、嘘、いいのさ、いいのさよ。俺個人の名誉やら金銭にならなくたって。

しかし生物学に臨む昨今の姿勢については一点だけ思うところがある。
所謂いきもの豆知識はこういうのの集積のうちに成り立っているのを忘れてくれるなよな。


というのも、いわゆるステレオタイプの弊害を感じるのです。

情報過多な近現代、生物に関する愉しみもまた、やれ、どれだけ広く深く知識を溜め込むか、
そして誰より時と金を費やしてのめり込み、詰め込み量をまんま自尊心に置き換え、
正確性と充実度を誇って張り合い他人を打ち負かすかという、
レアポケモンゲットだぜ負けん気オタクマウント競争の様相を呈しがちに思われます。

ざんねんなヘンなスゴい生き物大集合!! 超最強バトルランキング100連発!! 的特集に、
宮澤正之准教授や爬虫類ハンター氏のような相応のスターが颯爽と登場し、
パッケージを済ませ、傍らに萌え巨乳美少女キャラクターの案内を添えて提示されて漸く、
我先に争ってタダ乗りに知ったかぶるパターンでしか不思議を呑み込むことができない、
従って話題にもしない、価値すらない、とすればそりゃ残念な認知の歪みです。


端的に例えるならば、生物を究め親しむという行為を、
つまりこういう↓姿勢で為すものだと…ひょっとして思ってなかろうか?


\ナントカサウルスは最長の牙でザコ草食竜の皮膚を突き破るよザシュ!!/
     
/カントカクワガタは最大の顎で日本ザコカブトなんかなぎたおすぜドゥクシ!! \


や、結構なの、結構なのよ? どういうスタンスで親しもうと。
しかし振りかざすその“知識”は過去の偉人の尽力によってもたらされたものが殆どであって、
オタクさん自身が他者より勝ち誇って構わなさを裏打ちするものではないだろう?
軌跡をなぞっただけで、あたかも自分に権威性でも有するように振る舞おうとする。

だから前例のない実態に対しては己の未知を素直に認められずムッと狼狽えるし、
のみならず自分より先に“解説”されてしまっては悔しくて悔しくて仕方ない。

この手合いがじつに多いのです。


俺そういうの凄え淋しいプライドに思う。生き物の凄さは、おまえの凄さじゃねえんだよ。
種名ひとつとっても、そりゃすぐ名前を答えられるのは確かに素晴らしい勉強の賜物だが、
ちょっと知られていない存在が現れるや、


/ クッ… このボクの完璧な頭脳データが、答えられないはずがないのにッ…!! \


って憤るのは、おかしい話じゃんか。はずがないもクソもお前に関係ない。
ひとつ知らない=無智無学=敗北=恥=死、のようなのだ、どうやら。

図鑑に載っていない文献になっていない未知生物はまだまだたくさんいるんです。
前例情報の後追いばかりしているからオタク的スタンスにひねり上がる。
知られてないムシのことだもの現場でムシ当人に聞くのが一番じゃんか。

第一、全ての生物には名前なんて元々無いのであって、呼び名は人間が与えた勝手な整理にすぎない。
既に名前がついているということは先によく知る人がそう付けてくれたわけだから、
知識の先行性の面で先人に勝るわけがないじゃんかい。
ましてや生態、その目で見た先人に、聞きかじりだけの人間が敵うわけないじゃんかいや。

だったら自分から見つけに行きましょ、わからないことを。
大事なのは、わからないのを恥じるのではなくわからないをわからながる愉しみをもつことなんだ。


それと、ワンダーやミステリーというのは何かよほど特殊な現場に赴かないと、
とても手に入らない、だって日常はつまらない、日本は終わった国、と諦めちゃいねえかしら。
否、思いのほかそこかしこに隠れているし、気がついたならじっくり対話し耳を傾けてみる。
すると思いがけず向こうから秘密を打ち明けてくれる一瞬があるんだ。

俺はただそんな一瞬一瞬を好きで、いつも少しばかり覗かせてもらうだけ。
何も知らないということを存分に楽しませてもらうだけなんだ。
教えてもらったところで偉くもなれなければお金も入ってこない。
だけど足元の石の下にさえひそんでるんだもの、そりゃ観察しちゃうよ。


で、こう↑いうことは幼稚園児の頃から解ってもらいたくてずっと唱えてきたけれど、
笑われ馬鹿にされ、嫌われ疎まれ、頭ごなしに押し込められてきたなあ、学校の先生にさえ。
自分に見えない世界を観ている奴がいるというのは相当に心地の悪いことなのかもしれません、
もうどうにかしてこいつ見下そう見下そうと。


 ▲へえ、キミ、すごいんだねえ… の人のきまってこの顔

我々、誰も見向きもしない小生物なんぞをただギューっと見る類の輩というのは、
社会的にはハミ出し者に違いないけれど、最終的に揺るがぬ軸を心に得ることになります。
見向きをしない類の人々は、実のところ怖いのです、自分を覆す軸を他に持たれているのが。

気分を害してしまった点は申し訳ないとは思うけれど全て聞き入れてばかりもいられない。
俺にだって発露したい辿り着きたい確かめたい眺めたい地平があります。
しかし独占せず驕らず、誰にも捉え易い形に起こしていきながら、この世の妙を共に愉しもう、
やっぱりこれが産まれた意味と仕事かなと信じて少しずつ前に進むしかないんです。


 ♪大人のふりして諦めちゃ

 奇跡の謎など解けないよ

 ネクロマンティックあげ~るよ~
 ネクロマンティックあげ~るよ~♪



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というわけで、さりとてこんな奴だから出てきた研究論文にて候。
冗談多めのバカ文体で読み易く読まれ易く仕上げておきましたから、
お気軽にプリントアウトして便所でひとクソの際にでも読むがよろしいです。
ヤラセ演出もございませんゆえご安心のもと宜しくご査収ご高閲の程。

追試もご自由にどうぞ~。傷口感染だけ十分お気をつけくださいね。

切った傷口は薄い痣になってまだ残っています。









======2020年9月追記===============

ヒメスナホリムシについて調べに拙記事へお越しのお客様、
最後までご覧くださいまして有難うございます。
ツイッターでしょうか、俺やってないものでよくわからないのですが、
時々話題にしてくださっているご様子、蟹と戯れた甲斐がありました(石川, 1910)。

なお、ここは生物の話題限定のサイトではありません。
私は科学でなく美術系、=商工業デザイン畑の人間です。

このブログではデザインの観点を中心に、水の生物・楽器・家畜・ケモノ等々…
分野を広く飛び越え、脱線しているようで実はどこか繋がっている、
そんな記事群をクソミソかつドスケベにお届けしています。

時々覗きに来て戴けると励みになります。今後ともどうぞクソよろしく。


(論文著者近影)




======2023年7月追々記===============

最近この記事の閲覧数が異様に爆アゲしています。
覗きに来て戴いてるようで大変励みになってます。
今後ともどうぞクソクソよろしく。

(論文著者近々影)








    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。