甲殻類の勉強はしばらく休んで楽器修理を…と思っていたのだのに、
甲殻類の勉強はX旧ツイッターにきっといるだろう識者に教えてもらお…と思っていたのだのに、
なんだよう結局、俺が知りたい甲殻類の生態は俺のほうが詳しいんじゃねーかと判明し、
結局俺がX旧ツの面々に教えることになってしまったのら。なんだよう、なんだよう。
加えて、専門家が集まる学会出席(2013〜)時に公開すべく撮り溜めた秘密の海虫ビデオを、
当時から数えて10年後 …つまりちょうど今ぐらい… を目処にYoutubeでネット開放する予定だったんですが、
あそこ近年、検閲が酷いと伺ってね、心が離れた。都合の悪い情報は真実であれデマ認定で削除だそうで。
近況を鑑み、じゃもうX旧ツの動画投稿システムで出してっちゃうか!の結論に至った。
長い映像作品を作ってもどうせ見ねぇから、数秒〜1分以内に収める。
も〜、科学どもめらの無智無学によって、余計な仕事が増える!
X旧ツは新しい投稿が頭に並び、古い投稿はケツに押しやられ、誰も読まねえ塩漬けと化します。
利用者の声や知りたい掲示を後追いしたい場合は検索ワード機能を使って個別に追うことになる。
そこでサーランピーの方で定期的に新旧逆さまアーカイブを溜めていくことにしました。
これなら参加してない方もまとめてお読み戴ける形態になるだろ。
生物に詳しいと豪語するオメェら各位は揃ってバカなので、どうせこのブログこっそり読んで、
読んだの忘れて自前の知識に変換したあげく、俺に詳しがってかかるからなッハッハッハッハ。
や、そうして海虫に関する解像度を皆さんと共に上げていければそれで構わないんです。
コツブムシ飼育に関しては「こつぶ荘」アプローチによって認知度がかなり上がった。
しかし身近なヘラムシその他についての知見はまだまだ未熟、未完成である。
従って連載タイトルは『ヘラームスはお好き』と致します。
無論、フランソワーズ・サガンの小説「ブラームスはお好き」のもじりだ。
わ〜教養〜!生粋のパリジェンヌである私にぴったり! 読んだことねえんですが…
おフランスが"サガン"なら、我ら日本國は正々堂々の “右岸”であります!
倒閣目甲殻類!保守本流!として、マ〜この…(角栄さんの声で)
今回は原点、穿孔性コツブムシから。
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本種の先端研究者(に結果的になっちゃった人)が、じつに7年越しの解答を。既にご判明と存じますが…
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
若齢のイワホリコツブムシor近縁種のケツです。謎の爪アゴのように見えるのは尻ビレで、外側の1対=尾肢外肢 は器用に開閉、体躯を支えます(※理由後述)。
踏み踏みしてて可愛いですね😊 https://t.co/XL0tR58v0Y
画像矢印が尾肢外肢です。器用に動き、巣内で泳ぐ時(※重要・後述)に体を支えるほか、内壁にツッパって外敵や同種他個体の侵入を拒みます。ギザギザはその滑り止め。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
ギザが4なら4ツ歯、7なら7ツ歯、=「ヨツバ・ナナツバ」と、マリオ・ルイージ的見分け術が流布し、現場に混乱を招いています。 https://t.co/8GqGnHKodI pic.twitter.com/EzJuCRONWR
7対の脚には役割があり、ムキムキの4と5は内壁ホールド用で歩く時は使いません。重要なのは1〜3で、腕にスター錦野みたいな “フリンジ” が生えてるの。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
こんな変な脚で、巣穴からケツ出して引きこもり、腹肢パタパタ扇ぐ生活…どうやって生きてんの?を、これより世界初公開の映像で解説する。 https://t.co/fwwvqzihzj pic.twitter.com/ZjiMcsFbis
1) 腹ビレで巣外へ水を扇ぎ出すことで、
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
2) 排出と同量入ってくる巣外の水が、
3) 虫体の頭側に回って再排出される流れに、
4) スター錦野フリンジ毛のある前脚を構えて、
5) 毛に溜まる有機物カスを定期的に舐め取る。
これで生きています。自宅で食ってけりゃ外出の危険が減る。まさに在宅ワーク! https://t.co/nK9bldnE0W pic.twitter.com/dBQsK5nEoA
映像に目を凝らすと、コツブムシの腹や足もとをチョロチョロ動く虫が見えますね。これは子供ではなく別種 “海ミズムシ” のなかま Iais sp. 。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
親方の懐に抱かれ、食事の際に這い回り、おこぼれを食べて暮らします。親方が全く嫌がっていない様子をみるに、何らかの共生関係にあると考えられます。 https://t.co/MsIQ4rz6Yp
穿孔性コツブムシの在宅摂餌を学会発表するために製作した拡大解説モデル。タミヤの水中モーターを稼働すると、前面に置かれた網にラメがどんどん溜まっていきます。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
…物理的に当たり前? 当たり前を工夫して暮らす生物が、きったねぇ身近な河口に住んでいると、我々は全く知らなかったんだから。 https://t.co/OuWTQ9Vq73 pic.twitter.com/qBKumeMXCv
流木や泥岩に穴をあけるコツブムシがなぜ揃って外にケツ向けているのか? 理由はそういうワケだったんです。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
いわゆる((( 蓮コラ )))が苦手な人は卒倒ですよね… 想像してください… びっしりブツブツ穴が並ぶだけで鳥肌なのに… そのひと穴ひと穴に虫がびっしり入ってゾワゾワ動いてるんですから… https://t.co/G1YcmT2UkD pic.twitter.com/Z2c2bRPmRy
そんなコツブムシの暮らしを可視化したのが、大!! 超!! 発明『こつぶ荘』だ。懐かしい〜。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
板の側面を窓張りにして水に沈め、穴の奥で何しとんか見せてもらったら、子育て始めちゃった始末(写真右)。
「インド楽器のピースケさん」だったのに、このせいで一気に「こつぶ荘の川﨑さん」になったった。 https://t.co/4ruHUGBXxF pic.twitter.com/88zhTFkSLx
"こつぶ荘"への引越しは、コツブムシを傷めぬよう精密ニッパーで慎重に元の巣穴を崩し、摘み出すしか今のところ方法がありません。ぐらいしっかり入ってるから。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
「かわいそう」とのご意見をしばしば戴きますが、行動をみるにこの生物は巣が崩れる事態を織り込み済です。すぐ別室を見つけるんですよ。 https://t.co/bV6xv2bLd6 pic.twitter.com/haFHDydHLx
コツブムシ引越し映像の続き。いっぱい撒いたらどうなるか?
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
こう↓なるわけよ。新居を気に入ると出てこなくなります。この習性によって "こつぶ荘"が実現、岩や木に穿孔する水棲生物の謎を手軽に扱えるようになった。
…これ、どの水族館も博物館もやってないからね? なんでやんないの? https://t.co/AE5dHfS42q pic.twitter.com/xaQoD7ej9K
【追記】《穿孔性コツブムシと共生ウミミズムシ》の、より鮮明な生態映像が昔のフォルダから出てきました。おまけで初公開します🪳
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月26日
↓脚に絡みつく黄色い細いゲジゲジみたいのわかるかしら。コツブとは種類が別の虫で、こうして懐にひそみ、コツブの体表に付着した有機物を舐めて生きてんの。 https://t.co/OuWTQ9Vq73 pic.twitter.com/Z4sZaCBFNc
イワホリと似た別種『ナナツバコツブムシ』もついでに載せておこう。広島県の沖に浮かぶ《「ホボロ島」が虫に食べられて無くなる?!》話で著名だが、伝聞の知識ばかりで怪現象ぶる人ばっかり。うち幾人が実体を飼って実態を確かめたんだ? 俺はそこを常々言ってる。 pic.twitter.com/BzJUEpwS5J
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月29日
私が飼育観察したナナツバコツブムシはホボロ島産でなく関東某所産、保全ボランティア会に今回限りのお目こぼしを授かって頂戴致しました研究用4頭…
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月29日
…のつもりでいたら数日後、全長2~3mmの幼体👶が一斉に巣立ち!おかげでチビちゃん達が急ぎ足で空き物件を探し回る愉快な生態映像↓を撮れました。 https://t.co/9RUzp8OvOj pic.twitter.com/UvAenqOsWh
幼体↓の背中を見てほしい。驚くことにこの段階で既に共生ウミミズムシを背負っているのだ。おそらくホスト母虫と暮らしていたウミミズムシが巣内で子虫に乗り換え、こうして生息域を拡大しているものと考えられる。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月29日
…この映像、コツブムシ学を越えて、海洋生物学的に貴重なんじゃねぇのかな? https://t.co/tta8f33GDU pic.twitter.com/XZxdlkEGtM
成体のナナツバコツブムシの所作も興味深いものだった。先に紹介したイワホリほど引きこもり濾過食専門でないようで、夜間ちょいちょい巣から出歩くうえ、アサリ肉片をあげたら抱えてモリモリ食うたですよ。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月29日
島の硬い岩をバリボリ食い荒らして成長してるわけじゃないからね、勘違いめさるなよ。 https://t.co/9CskWKAOF7 pic.twitter.com/uJKdFahjR9
そもそもホボロ島自体が、硬い物で引っ掻けば徐々に穴があく脆さの凝灰質です。ナナツバコツブムシはこの可塑性を住処の確保に利用しているまでで、食物にしているわけではない。高波が襲えば容易に崩れ、巣を逸したムシがなお深く掘り直す、これを繰り返せば元の形を失うのは“自然”なこと。 https://t.co/pRgnKDLvA6 pic.twitter.com/Hp61JzlTvV
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月29日
肝心なのはナナツバコツブムシが完全水棲ということ。海水に岩ごと沈め静観する飼育法では、性急&闇雲に岩塊を破壊する様子はみられず、空室をうまく利用していました。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月29日
“島” が崩れて海面下に没したところでムシは海中の礫を使って逞しく生きます。水中に住めない人間に元々関係なく営まれている話。 https://t.co/FYlgu6xb3Y pic.twitter.com/oblZC83eh4
従ってホボロ島は寂しき静観が正解。コンクリ護岸だの殺虫剤だの妙な行政すんなよ?! との論文もある。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月29日
が、著した識者がこの不可解さ↓で誰が信じよう?!
灰山の一角を島と信じる思考と、外見や権威性やご都合で判断なさる思考が、海面下では穴だらけの脆さで繋がっていたのですね。この話おわり。 https://t.co/9srJMtOvs0 pic.twitter.com/Twzod92ttk
ですからホボロ島についてはあくまで、可塑材を好んで集合する本種の個体数と、可塑材を打つ波力との相乗による自然現象である… 言い換えれば【 あれはコツブムシが波間に生きる術(すべ)であり、永久な “島” の不可解な “侵食” ではない。人間の目線で捉え過ぎ 】というのが私の見解(≒詭弁)です。 https://t.co/ADotNiSNAA pic.twitter.com/KTtOb61euy
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月29日
あっそうか、訂正。石を掘る(彫る)んであって、粘土練るんじゃないんだから、可“塑”材はおかしいや、すまんそん。つい造形屋のサガで。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年3月30日
“侵食”していても、食べてはいないんです。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年5月8日
ナナツバコツブムシとホボロ島の関係について、自分の巣を食って失うとはバカな虫め〜との嘲笑さえあります。確かめるべく飼育を経て、否…むしろあれを永続的な“島”と捉える我々の方が固定観念的だった?!との考えに至ったのは、私1人。 孤独な闘いです。 https://t.co/PJxcmh2Q5z pic.twitter.com/aQDWgq649V
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…概ね以上か。なにか追記が出た場合はこちら↑に放り込めるから便利ね。
次回↓「ヘラームスはお好き」はワラジヘラムシについて。
始まりましたヘラムシ飼育映像アーカイブ、題して『ヘラームスはお好き』(1) 、まずは嬉しいワラジヘラムシ大漁から。
— ピースキー (@peeeeeeeeesukey) 2024年4月28日
洗面器を抱えて海へ行き、波に漂う藻屑を洗うと(通称ティモテ)、凄い数のヘラムシその他、知ったこっちゃねぇ虫が採れます(通称クリープショー)。
ほぼ水中ゴキブリですけども… https://t.co/gZ3i3MGa2F pic.twitter.com/IxHNfcQps5
これね〜、まるックソクソ研究が進んでない分類群でさ、いいかげん遅いぞッ。
川﨑先生に追い上げられる追い越される〜と怯える研究者あるけど、逆でしょ?!
俺が知りたいことを答えてくれるくらいじゃないといかんのじゃないの??!!