◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
★ 1記事内1主題の場合と、1記事上に短文加筆を重ねる【近業掬イ】(きんぎょうすくい)の場合がある。繁忙時はどうしても後者です。
★トップページには最新2〜3記事のみ表示。過去記事は【アーカイブ】で総覧できます。
★ YouTubeなど外部埋め込みがクソ多い記事は、お使いのクソ環境によって読み込みにクソ時間がかかります。クソしてお待ちくださいませ。


愛などあるから苦もあるさ 涙の瀧には屁も出りゃ宙にも浮クライナ


射的ゲームでうさこをゲット、ウェ~イってところです。

f:id:saran-p:20190326222125j:plain

祖母が他界しました。3月6日に誕生日を迎え、享年じつに99!
家族との面会も叶い、さほど苦しまずスッと眠るような最期でしたし、
イケメン僧侶に導かれ、おかげさまでTHE・大往生と申せましょう。
よかったな、ばあちゃん。

思えば昨年のちょうど今頃この祖母の妹さんのお送りも我々が担いましたっけ。
いつもつるんどった仲良し姉妹、これから二人で世間話に花を咲かせるだろうよさ。


そんなわけで当家はただいまドッタバタ。かと思えば、

          \ ウ マ レ タ ヨ /
f:id:saran-p:20190326222101j:plain
ったく、産まれそうと判った時点で電話しなさいって言ったろ。

f:id:saran-p:20190326222132j:plain< ウマレソウヨ

この付き合いだってほんの刹那の幻なのだ。

本品種の里親制度を代行する羊のプロ先生氏(※牧場運営とは別の)が、
何があったかスネて降板、制度そのものを唐突に廃止し逃亡する事態となった。
更新日の直前「力不足により今回をもちまして」と一方的にこうよ。

へ? こっちは廃羊になろうとも契約個体を支援するつもりだったぜ?
もう少し前もってオーナー各位に打ち明けるとか出来なかったのかしら。
今後について問うても多くを語って戴けないのは、お察しあれということか。

f:id:saran-p:20190326222102j:plain

うーん、お世話になった方を悪く言いたかないけれどそんならざっと、
景品表示法違反 + 動物愛護管理法違反でしたよ、と申し述べねばなりません。
サービス設計とりわけ料金体系に説明不足が多々ある面は許せるとして、
どんなに畜産上の事由があったとしても、

f:id:saran-p:20190326222133j:plain

大切な稀少シープの顔面を靴の裏で力まかせに蹴り抜くような対応をして、
この人らに稀少品種を謳う資格は元々無かったのかもなあと考えます。
誤解なきよう繰り返しますが、このプロ先生は牧場所属ではない… にも関わらずです。


そりゃ俺も若干はね、しつこい頑固オス羊に対して愛をもって、
おでこピシッや角を持って揺するなど軽い動作でたしなめる場面はある。
ちゃんと理解して、ありゃ…叱られちったか…テヘ… と少し大人しくなるんですね。
でも暴力でねじ伏せる脅威は羊に不要でしょうに。牧羊犬のスパルタ躾とは違うんで。

見えぬ所でずさん代行や虐待、最後にはオーナー各位に迷惑をかけて、
でも牧場のワンマン社長に怒られたらシープドッグ練習場を貸してくれなくなる…なんて、
自分ばっかし保身に怯えているというのは、社会的にちょっとまずい。

f:id:saran-p:20190326222123j:plain

羊にまつわる技術指導をご夫婦で専門となさっているのは素晴らしいけれど、
恵みの源である羊それ自体には意外やそっけなく、慈愛を感じられないこと、
そして対人関係にやや疎い面があるのが残念なお付き合いでした。
仕事で羊を扱うことと羊を愛しているかは次元を異にするってことかしら。


ただこの事態のおかげさまで俺はひとつ重要な気付きも頂戴した。
なるほどやはり我々人間は、羊より頂戴し得る、或る “資源” について、
大いに搾取しながら正当に評価しようとしてこなかった… というより、
感性に欠けすぎてその要素が “資源” であるなどとは到底思い至らぬのやもしらん。

さてその “資源” とは一体何でしょう?
緬羊事業の諸事情全てがそこに帰結するような気がしてきたぞ。



しかしま、契約につきましては契約どおり契約を完遂して戴きました。

f:id:saran-p:20190326222937j:plain

f:id:saran-p:20190326222938j:plain

f:id:saran-p:20190326222939j:plain

元より牧場が所有する羊だし、契約なんて人間の勝手ごと。
毛が欲しいから? 珍動物のオーナーになりたいから? 登録料が勿体ないから?
否、そんなちっぽけな理由で片道3時間かけて通ってきたのではない。
むしろこれからの振る舞いこそが真の勝負かもしらん。

f:id:saran-p:20190326222122j:plain

心配するなキャシー、これからも会いに来てやるさ。
この地でお前らロフタン種を支援し育んだ友情・愛・思い出は変わらない。
幸い牧場長さんは制度云々に関わらず現状をキープしてくださるそうだ。
今ひとときを大切に過ごそう、家畜の場合は老衰で死別とは限らないからな。

f:id:saran-p:20190326222124j:plain

たかが家畜に情けなど、かけぬ方がよいのか? いわんや愛をや。

さればこそ俺は煩悶の果てに変態楽器「ホニホフール」を作った。
死んだ羊の腹の琴線に触れながら一緒に寝てたら赤ちゃん出来たのっていう。
こりなら死別もクソも既に死んどるわけだからね♪って俺バカじゃねえの?

f:id:saran-p:20190326222131j:plain

死んでいくこと、産まれてくること。これらには2つの見方がある。
連続したものであって、そこに実体は無い。
ただそう在るのであって、そこに意義は無い。

大変なのはそれらの狭間から実体と意義を取り出して、
死んだものにもうひとたびの命を吹き込む作業なんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


f:id:saran-p:20190326222111j:plain

だってほんじゃ、世田谷ボロ市でサーランギ救出って一体何ですか。
保健所の殺処分ゴミ犬をギリギリで助け迎えるのと一緒のことじゃに。

f:id:saran-p:20190326222112j:plain

でもみんな “本場インドの本家の本元の本物” っていう血統書無しには、
どう扱ったものか自信が無いわけだろ、ええ、自信の無い人ほど自信が無い。

f:id:saran-p:20190326222113j:plain

f:id:saran-p:20190326222114j:plain

まあいい、今日は象嵌の補修です。紋様セルロイドを貼る台が多い中、
今回のは極小パーツ1個1個を並べて粘土で隙を埋める本当の象嵌
欠けて紛失してる箇所に移植して辻褄を合わせるため、
剥がしても極力差し支えない箇所を剥がして他所で使うのです。


つまり上↑の写真の欠損箇所は、欠損しても何とかなる↓この部分から取ったもの。

f:id:saran-p:20190326222104j:plain

共鳴弦の上駒の据え溝の真下の象嵌をそっくり剥がせば、
当然そこの象嵌は丸ハゲになりますから、

f:id:saran-p:20190326222105j:plain

今度は壊れたシタールから引っ剥がしたセルロイドを充てる。

f:id:saran-p:20190326222106j:plain

当然そこだけ新品ホワイティ~で目立っちゃいますんで、

f:id:saran-p:20190326222107j:plain

f:id:saran-p:20190326222108j:plain

染めて、擦って、わざと汚すことで…

f:id:saran-p:20190326222109j:plain

樹脂の自然に劣化に合わせ、侘びた古美の化粧を施してしまうわけ。

f:id:saran-p:20190326222110j:plain

まるで最初からこういうもんだったように見えるでしょ。
模様の違い? 誰も気付きゃしねえよっはっはっは。

ブリッジの穴数も増やして、

f:id:saran-p:20190326222103j:plain

ああ、綺麗に揃ってなくていいのよ、そこに通すことになるかわかんないし。
余裕をもって多めに開けておかないと後で調整がしんどくなるんだわ。

f:id:saran-p:20190326222932j:plain

胴の中に入る「魂柱」… って便宜的に言ってはいるけど、
バイオリン類の天板と裏板につっかける魂柱とは存在意義が違って、
サーランギーのは多弦の張力で音箱がブッ壊れるのを防ぐための大黒柱です。

f:id:saran-p:20190326222934j:plain

これをもっと極太の枝に交換したので、元々つっかえてた棒が余って勿体ない。

そこで棒を細切れにして、

f:id:saran-p:20190326222115j:plain

削ってペグにして、

f:id:saran-p:20190326222116j:plain
f:id:saran-p:20190326222117j:plain

ヘッドの横っ腹に据えることにしました。
あんま突き出してると横顔に刺さるから短めに。

f:id:saran-p:20190326222118j:plain

ね、これも最初からこうっぽいでしょ。
どんな弦をどう張るかはまだ俺も知ったこっちゃねえんだけど。

引き続いてガネーシャアッラーの赦しを祈りつつ、
死んだ山羊の生皮にいま一度の命を吹き込みます。

f:id:saran-p:20190326222119j:plain

多神と唯一神の赦しとは矛盾も甚だしいがやむを得まい、
この國は古来より神と仏が相並ぶ怒濤の不思議島ノミコト。みすず学苑?

f:id:saran-p:20190326222120j:plain

しばらくの陰干しの後に得度(=鼓面の剃髪)を行い、
単なる山羊を宇宙の波動を送受信する眷属へと成り代えることによって、

f:id:saran-p:20190326222121j:plain

丸刈り強要は時代遅れッ!軍国主義ッ!とPTAに囲まれるまでが遠足です。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


オイラの宝物本ピエール瀧の!屁で空中ウクライナだヌ~ン。

f:id:saran-p:20190326222126j:plain (c)太田出版、2001

瀧と盟友が近郊ぶらり行楽を楽しむバカ連載をまとめた名著だビッチ。

f:id:saran-p:20190326222127j:plain

読み込んでズタボロはともかく、異様に変色しているのはなぜかって?
そりはもちろん「ひとクソひねる時に最適」を実践のあまり、
或る晩うっかり手が滑ってこの本をひねり直後の便器内に落としてしまい、
見事ポックンの屎尿にビッチャリ浸かったからダドン!(プ~ン)

洗ったらベワベワになっちゃうから拭いて乾かして以来、
勇気一つをクソの供にして、そのまま読み続けてるニンよ(照れ&菌)。
発売すぐ買って、そりから今でもずっとクソの供だから、
オイラかれこれ18年クソをひり出し続けた計算になるヌ~ン。

f:id:saran-p:20190326222128j:plain

いやはや、自在な発想は無論、素晴らしきは発想を裏打つ豊かで緻密な文才。
何気ない風景に添える奇行怪説の腹筋破壊力を存分に学ばせて戴いたし、
じつは拙頁サーランピーも絶大な影響と勇気をこの文献より授かっています次第。

f:id:saran-p:20190326222129j:plain

中でも特筆は川口オート潜入記だギョバ。
レーサーに転身した元SMAP森くん選手に単勝1万円を委ねるも惜敗し、
“敗北の精神的・金銭的ショックでルックスが異様に変化してしまった瀧”

f:id:saran-p:20190326222130j:plain ※オチにつきモザイク処理。買って確かめれ!

会場の知らないご年配をたぶん勝手に撮って、勝手に載せて、
これは賭けに負けて憔悴した自分ですって書いてんのよっはっはっは、
やっぱりギャンブルはおっかないんダドン。

いつ何度読んでも笑える。皆さんもぜひ古本をご入手&ご脱糞あれ。
読む前からページ各所に小さい虫が汚く挟まっている実に嬉しい装丁です。


…しかるに、嗚呼、瀧! 此処はイルボン、さびしいヌ~ン。
これまでの瀧がどうありこれからの瀧がどうあろうとも、
コリは名著! 功績は偉大だビッチ! 勃起!








    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。