◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
★ 1記事内1主題の場合と、1記事上に短文加筆を重ねる【近業掬イ】(きんぎょうすくい)の場合がある。繁忙時はどうしても後者です。
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一寸の虫にもドープな魂!! ゆっくり消える虹みたくケモノじかけで蔓延しヨーネ恥じらみの電牧グルーヴ


虫? 虫って、瀧の屁本の。 
「読む前からページ各所に小さい虫が汚く挟まっている」の虫か。

そりは、これです。大好き。

f:id:saran-p:20190513002348j:plain (c)太田出版、2001

便所とか排水溝にいるチョウバエかな、ページにとまったのを、
指先でピッと潰してその指先をページになすってる
拭き取りゃいいのにそのまま本を閉じて棚に戻しちまうから、
次のページにまで虫の汁と粉が染みちゃってんだわ。

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うへぇ~勘弁してくれい、きったないなあ。
こういうことするから瀧クンに漫画本貸すのイヤなんだヌ~ン。

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…っていう印刷。っはっはっは、驚くことに最初からこの装丁なんだビッチ。
なにが凄いって、虫と汚れをちゃんと見開きに想定して誌面設計しているこの律儀さよ。

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読み手の笑顔に臨まないとこんな丁寧なバカはなかなか仕込めない。
初めて読んだ時は泣き笑いしましたっけ。これぞデザインの力だ。

のみならず、瀧と盟友らが作品の随所に仕込むコメディは一見はお下劣極まるようでも、
実はとても完成度の高い小粋な機知に溢れていて毎度びっくり&感服させられる。
体操シリーズやクソゲー集といった映像ワークにはその心意気が如実に現れているし、
それがひいては役者業ひと筋の人には却って出せない味と表現力、
たけしをして 彼バンドマンなんだってね! と感心させる迫真と幅に繋がっている、
と俺は思うヌ~ン。


でも表紙の黄ばみは本物の俺の屎尿だよ。デザインの力だ!




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SEXY現地妻キャシーさん1頭にぞっこん入れあげるあまり、
他所の雌羊を口説いてソノ気にさせといて華麗にすっぽかした最低男の私ですが、
(※実際は、防疫のため。後述↓の状況があり、病気を散らさないように。)
その間に界隈では変動があった様相で、考えさせられるニュースが飛び込んでくる。

いいかげん羊の話題ばかしやってられないのだけれど、
情報お求めの方が実際いらっしゃるもんで今しばし調査メモをお伝えしておきます。



▲▲▲ 上野アリス&ベル、窓際族のあげく吉祥寺に異動さる ▲▲▲

f:id:saran-p:20190510013437j:plain 2016年5月

もともと上野動物園はヤギヒツジ自由ふれあい可エリアを構えていたのに、
ある時点から柵ごし展示となり、のちガラス部屋送りなるトンチキ方針に。
持て余しの様子を飼育員に伺うと「いろいろありまして」と濁すばかりだった。

f:id:saran-p:20190510013440j:plain 2018年1月

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ガラス越しのコリデール種アリスとベルは明らかに覇気がなく老化一直線でした。
動物のストレスを考慮し… なる文言はまこと体のいい勝手通しに機能する。
んじゃもう電気柵(通称 “電牧”)でも張れば? 客なんか一切寄り付かないように。
 ↓
 ↓
からの、彼女たちは実際、吉祥寺・井の頭自然文化園へ身売りと相成れり。
な、言わんこっちゃよ。やっぱ持て余してましたってことじゃんかいやあ。

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しかし結果はオーライのようだ。移籍が完了し空と風を取り戻した2頭は、
前の園より明らかに元気、先輩ヤギとも仲良くやれていて、ほっとひと安心。

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暫定預かりでなくもうこの園にて余生をとのことで、ああ絶対その方がよろしいよ、
上野ではもう幸せになれないし幸せにしてもくれない。


呼ぶとこちらをまじまじと見てのち、トコトコ駆け寄ってきてくれたので、

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秘術ムートンアクセスを披露して差し上げ。ワシュワシュ、ゴシュゴシュ。

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久しぶりだね、憶えていてくれてると嬉しいのだが。
ガラス越しなんて無粋よな、お互いにさ。



▲▲▲ 智光山トカラヤギ家族、“法定”陽性により11頭処分 ▲▲▲

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狭山市智光山公園こども動物園でヨーネ病
これは罹ったらアウトなんよ。

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通称 “法定” 、家畜伝染病・監視伝染病といって、
厄介さのあまり法律でエンガチョウされている動物の病気があります。
確認されると発生元から抑え込まねばならない義務を負うことになり、
たいていは同居の健康個体も“念のため” 殺されます(※擬陽性という考え方です)。
これほどやりきれないことはないんだ、動物園を責めてはいかんぜよ。

ニュースにすぐさま思い浮かんだのはヤギふれあい担当のおやっさん
無愛想だが動物愛溢れるご年配スタッフ氏で、お客が来るや指揮棒トントン、
ヤギの台渡り芸を披露してくださるのだが、じつに今回その子らが残念な結果になった。
畜生道にこそ杜子春の慟哭あらむ。どうか安らかに。



▲▲▲ 埼玉シロ王、堂々永眠す ▲▲▲

あいつはいい奴だったなあ、お疲れ様。

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種オスは去勢しないぶん同居個体や飼育員をも悩ます暴れ者に育ちがちですが、
そこへきて埼玉県こども動物園の牡羊シロ君は良きパパの鑑だった。

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この謹製お稲荷さんで優良遺伝子を日夜醸成し、数多の子孫をブッ込んでくれました。
当人の許可を得て持たせて貰ったところ、じつに逞しい重量級でしたよ。

や? 何もいやらしいことはない。羊に限らず動物のオスたる者、
遺伝子を方々にブッ込み散らすこと以外たいした存在意義がないものですが、
かといって皆が皆をして思うさま叶うわけではない。さにあって、
着実にブッ込み散らす任務を勤め上げるというのはやはり立派なことなのだ。



▲▲▲ 江戸川ヒツジ連、世代交代の波 ▲▲▲

f:id:saran-p:20190510013435j:plain あかねと。2016年11月

一時期は毎週のように通った行船公園自然動物園ふれあいコーナー。
しばらくブランクを置いたその間に高齢羊のモモとさくらが世を去ってしまった。
飼育員が呆れるほど俺に懐いてくれたあかね嬢もまた体調を崩し、
現在はふれあい要員を様子見ながらセミリタイア中であるとの情報が。


…あかねさん死んじゃう前に慌てて会いに行ってきた。

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ああ、あかね。久しぶり。おばあちゃんになったね。

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俺のこと… ああ、忘れてないか、忘れないよなあ。
毎週愛し合ったのに何も言わずに急に来なくなってごめんよ。
無理せずゆっくり過ごしてくれな。


入園無料もあいまってこの園のふれあいコーナーはとりわけ土日祝、
飼育員が鬼の形相を必死にこらえてフテ腐れるほどドチャクソに混雑する。
キッズや親御だけでなく大きいお友達ファンが多いのも特長で、
それだけヤギ・ヒツジたちはアイドル的視点で親しまれています。

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ヤギ軍団は現在、馴染みのシナモンとミルキーに近年ザーネンしお、
ピグミーきなこ、さらに名前知らない超ちびちゃんが加入した。
どいつもこいつも愛想ふりまきケツをぷりぷり縦横無尽に暴走中。

一方のヒツジ連は先のあかね嬢が今や長老となり、
俺のこと苦手ムキ出しの黒羊こまちがこまちの分際で先鋒に出世しやがって、
動じない性格の後輩めいちゃんが好リリーフという布陣。


そこへさらに近日デビュー予定の新メンバーが控え中。
はじめましてのご挨拶をさせて戴きましたところ、

f:id:saran-p:20190510013742j:plain この顔

初対面で異様なナデナデウフフの才能を発揮! こいつぁ期待の星だ。
デビューしたら一緒に遊ぼうな。

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ふれあい施設には本来こういう天性ある子をこそ配置すべきであり、
ほっといてほしい性格の個体に無理な弄られを強いるべきではないのだ。
激務の現場だが華麗にこなして随一の人気者になってくれい。



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 獣畜防疫救護員ヒツジ担当より、愛羊家の皆様へお願い
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 お宅んちの猫ちゃん… 逆立ちしたまま干からびてますよ!

近年、→悪質な羊モフりまくり推奨サイト←台頭の影響からか、
複数のふれあい施設を巡り楽しまれるお客様が急増しています。
誠に微笑ましく存じます一方、貴方の何の気無しのご行動が、
家畜の病気を知らず知らずのうちに拡散させてしまう危険もござるのであります。

f:id:saran-p:20190513002446j:plain 注)コスプレです。医療行為は行っていません。

どうぞ以下の点をお気をつけ戴きながら猛烈ペッティングをお楽しみください。



《 1,行為前後には普段の800倍は手を洗いましょう 》

→ 羊とのモフ付き合いの不潔さたるや、ばいきんまんとのスカトロレスリンに通ず。
いつもの手洗いじゃ到底足りませんよ、指の先、指の股、爪の間、玉の袋に至るまで、
強力なる石鹸液をありたけ塗ったくってヌルシコヌルシコ揉み洗いましょう。

怠ったキッズはもれなく謎の奇病を患いて寝込むことになるであろう…
そこぁ知ったこっちゃねえが、しかし羊の健康だけは必死の形相で守り抜きましょう。

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《 2,帰ったらシャワーを浴びましょう 》

→ 病気のカプセル(※卵のほか、芽胞、シスト、オーシスト等と呼ばれます)は、
舞い上がって髪にまぎれ、顔の皮膚に至るまでペタクソと憑依して来ぬるぞ。
キッズ遊ばせた親御さんも、自分は触ってないし寒いから今日はお風呂パス~はなりませぬ。
帰ったらすぐシャワーを浴びてエンガチョウをさっぱり禊ぎ落としましょう。
不潔なまま仲睦まじく夜のスカトロレスリング等に興じないことです。余計なお世話ですね。



《 3,遊んだ時の衣服を他の施設へ着回さない 》

→ これ非常に重要なので真面目に書いておくと…

私はこれまで東京近郊のふれあい2施設において、ヤギハジラミBovicola aff. caprae、
ヒツジハジラミBovicola aff. ovisの多頭寄生
を確認しております。
飼育員がどんなに問題なかろうぶろうとも、いるものはいるのです。

寄生虫学的には別にまあよくある、隔離して駆虫すりゃいいだけの話だが、
症状に気付かずにふれあいに出す施設は明らかに管理不行き届きの落ち度あり。
毛皮ひと掻き分け毎に1頭いるようならもう既に体全体にいますから、
もし撫でていて見つけましたら必ず担当スタッフに声をかけてください。

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 黄白色〜褐色、体長はゴマ粒程度で、ときに密集。
 たぶん宿主が剛直毛か縮れ毛かによる形態差異だろうな、ヤギのは体がどっしりと平たく、
 ヒツジのは若干シュッとしててよく歩き回ります。

こういうの得体の知らんからキモッと徒に畏れるばかりでなく、
寄生虫もまたそうして生きている地球の一員なのだと関心をもつことが、
結果として適切なストップ&コントロールの姿勢に繋がるはずなのですが、
飼育員っつのは動物専門プライドを意地に抱えちゃってる人材が多いのも実情で、
丁寧にお伝えしても認めないんですわ、ブスッと黙ったり意味なく取り乱して。


なにせこのシラミ、発生ピークが正月から春先とクソ寒い時期なうえ、
宿主の体表を離れても毛状の何かしらにしがみつければ数日は生きられるんだそう。
野鳥の羽に乗って遠方に運ばれる等々言われるが、俺はそんなんよりよっぽど、
動物大好きッ子の同じセーターで連休ふれあい来訪による感染を疑います。
手ばっかヌルシコ洗ってもダメなわけよ。

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だって真冬のおべべなんか毎回は洗わんでしょ、ましてズックをや。
遊んだ衣服や靴は当日中に濃いめの洗剤で洗濯、かつ2週間ほど干す!
汚れたままの服装で他の類似施設に行かないことです。

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…ピースケが媒介してんじゃねえのって?

そうさな、俺は着用1回ごとの洗濯はもちろん長靴も浸け置き漂白、
日程上ハシゴ取材より他ない時は全着替え&個別ビニール袋を持参して、
移動の道中では銭湯に寄ってスミスリンシャンプーしてるけど、
みんなはどうだい、そのぐらい普通にやってくれてるだろーな?

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 同じの3足、履く場所を決めてます

客を含め関係者全員がそのくらい対策を講じれば、シラミだけでなく、
先のヨーネ病など目に見えない病原の侵入もだいぶ食い止められると思うんよ。



《 4,俺が羊と愛し合っている最中は、いちいち注意やっかみ動物園スタッフや、
 ギャオギャオ喧しい観光客をまとめて厚手のビニール袋に入れ、口をしっかり縛る 》

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こうすりゃ俺はゆっくりまったりエロ雌羊とイチャイチャできますから安心です。
袋の口をほどき忘れたまま帰っちまうこともしばしばですが、
なんとかなるんじゃねえのか、2週間くらい。



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   \♪ブッスブッス、特大ブッス~♪/
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おお、盛り上がっとるわいや。  

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天気がよいので今日は羊のチッチちゃんと代々木公園をデート。
なにがおかしいか、だってチッチは弦楽器だもん。
春風の心地よいベンチでホーメイを練習して、軽めの読書と昼寝の後、
『東京レインボープライド2019』を見学しました。

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ディズニーハロウィーンで着た羊コスチュームでチッチ背負って突入したため、
相変わらず「わっ羊」「Oh, lamb…」「Sheepman!!」と写真バチバチ

こういうお祭りなのだから誰か1人くらい、
「(あらぁ、雌羊の内臓いじり弦楽器と羊皮かぶったクソ狸のカップね、HAPPYプライド♪)」
と祝福してくれると思っただに。まったく現代社会ときたら、
雌羊の内臓いじり弦楽器と羊皮かぶったクソ狸のカップへの理解がまだまだです。
雌羊の内臓いじり弦楽器と羊皮かぶったクソ狸のカップに潤沢な補助金を!



悲しいことにLGBTの話題上では、獣自認・獣愛指向はまるくそ蚊帳の外だ。

自分らしさを!権利を!と虹の旗ふる当事者さん賛同者さんだって、
対象が人間以外にも及ぶセクシュアルにはどうしたものか躊躇するだろう。
ご注意あれ、獣愛とは相思相愛にあって、獣姦=同意なき動物レイプとは異なります。

f:id:saran-p:20190513002338j:plain この扮装で参りました。ゼクシィ☆

や、もちろん人間とのお付き合いだって楽しいひとときですが、
マズル長めで会話できてフカフカ毛皮がいい匂いの動物と結婚できたら素敵じゃんか。
でもそんな都合のいい妖獣は現世になかなか居なくてさ、困ったものだ。

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 自転車に乗る時のカスタムヘルメット

幼年期にムーミン谷やらシルバニアファミリーやらに直撃すればこうなるのも必然です。
セサミストリートやラビリンス魔王の迷宮との出逢いも非常に大きかった。

f:id:saran-p:20190513002451j:plain  このくらいの鼻づらに生まれたかった

一方で猿を嫌いです。よく同属嫌悪と解されますが違います。
真猿亜目のマズルの構造には生物種としての美を感じられないのです。
ってことはやはりヒトという生物を根本的に好きじゃないのかもしれない。

でもキツネザル=原猿・曲鼻猿亜目のマズルはラブリーでしょ。
そっちの系統から進化したかったよなあ俺たち。わりとマジで。


ついては提案ですが、私たちは様々なセクシャリティの相互理解を深めるために、
まずは代々木公園に無数のフリーハグ羊ギャルズを放つべきではないでしょうか。
モフモフ絶頂の末に両想いになれば籍も入れられる社会を目指して…

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お前らの募金待ってるぜ! HAPPYプライドぉ~~っ♪



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ちぇーっ。いいアイデアだと思ったのに。

しかし改めて俯瞰するとまったくややこしい人生よな。
蔑まれしインド芸能民に培われ、古びて打ち捨てられた残骸を、
日本の変態デザイナーが救済にあたるうち、材料である眷属との禁じられた愛に目覚め、
ついに取り憑かれて街を彷徨うも、少数者救済の虹色運動には溶け込めませんでしたなんて。

でも遠回りの人生も悪くないものだよ。
自信をもって色々な角度から物事を捉えられるようになるし、
それにここ最近やっぱり思うんだが、頑固一徹、愚直にひと筋の人生というのは、
逆に弱さではないか
と思うんだ。
だから異分野からの指摘と改善は耐え難い恐怖と感じ、頑なになってしまう。

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そうそう、やっぱり共鳴弦も切ったの、全部替えることにしたから。
皮替えでは本来、勿体ないので共鳴弦は緒留めからは外さずに再利用するのですが、
そのつもりで作業してると楽器の方が「ついでに弦も替えてよ」と言ってくることがある。

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せっかくだから今回はギターの低音用の巻弦を多めに試してみようと思ってるんだ、
それで安い弦をいっぱい買ってきたわけ。これ、ひと箱に18本入ってる。

サーランギやラバーブ類は竪琴のように適宜な調律でキラキラ共鳴させるものですが、
俺は重い弦をダルめに張るのが好きで、そうするとズワーッズザザーッて凄く唸るの。
予期しない反応を楽器がよこしてくる瞬間が気持ちいいんだよ、
楽器そのものがそいつの感情を持って生きてる感じがして。
俺、そういうの大事にしてる。

インド流をきちんと勉強して上手く正しく弾くことはもちろん大事なんだけど、
それしかないと、それしかないものだから、やっぱりそれしかない人生なんだわ。
それしかない人生の演奏家は、一聴は良いんだけど、それしかない人生の音がする。

そこへ俺がインド行かねえ分際で違うことすっと、皆さん憧れのインド流のインド人が、
「お前インド来い」と声かけてくれるんだけど、ごめん俺、蹴っちゃうのさ、面倒臭えから。

ちゃんと勉強してる人はそりゃムキキなるよな。ムキキ。猿を嫌いです。
色々なアプローチがあっていいはずだのに。










    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。