◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
★ 1記事内1主題の場合と、1記事上に短文加筆を重ねる【近業掬イ】(きんぎょうすくい)の場合がある。繁忙時はどうしても後者です。
★トップページには最新2〜3記事のみ表示。過去記事は【アーカイブ】で総覧できます。
★ YouTubeなど外部埋め込みがクソ多い記事は、お使いのクソ環境によって読み込みにクソ時間がかかります。クソしてお待ちくださいませ。


さらん儀蜚°助流・実践編〈6〉謎が謎よぶジャパ二の技術スゴ~イデスネ!…でもあなたスゴくないデスネ面倒デスネ、ジャパニなのに。(アフメド君:26歳)



今宵こそは神秘珍々サーランギーの話題のみと存ず!

f:id:saran-p:20190619134157j:plain

コツブムシだのヒツジだの、無駄話は二の次三の次なればなり!
しかるにチビちゃん諸兄におかれてもその心算にてあらせられよ。
くれぐれも邪魔ッコなど為さるべからず。よろしいな?

f:id:saran-p:20190619134206j:plain



昔どういう吹き回しだか随分な依頼がちょいちょい重なった時期があって、
「弦を全てインドのプロ仕様の本物に交換してほしい」だの、
「正確にチューニングして送り返してほしい」だの、
果ては「弾き込んでおいて」だって。バカたりがぁッ!

あのね、ご面倒でも弦の面倒くらい自分で面倒みやしゃんせ。
面倒なのがこの楽器のチャームポイントじゃろうが。面倒臭いなあ。

とはいえ無弦ツルパゲにしちまっちゃその後どうしていいやら知らんじゃろうて、
つきまして幾回かに渡り、弦の全交換をいかなる手順ですんだかの話をします。
再三熟読なさり、まるで最初から知ってたor現地で習った秘術の如く振る舞うべし。
ほんで 「貴重な日本人奏者」とやらを各位めいめい名乗ったらよろしかろうがい。


…そういうお前は誰に習ったのって? 違う違う。
先人の続きぞ、俺一人の手柄にあらざるぞ、を常に念頭に驕らず取り組んでおると、
楽器が自分からどうなりたいか教えてくれるんだよ、それを掴むだけ。

…だったら日本人の勝手な「創作」が入った「我流の偽物」にすぎない?
「純粋な民族音楽ではないから興味も価値も失う?、と仰るなら仰っとりゃいいです。
俺はただ、この不思議な道具の叡智と工夫をより広く深く、そして皆様に、と願っとるだけだ。

自分というものが無い、自信の無い人ほど、「本物」かどうかばかり気にする。
どんどん自分でやってみたらよろしいこったよな本物になるまで。


まあいいや弦の話すんべ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



サーランギーは建築である、という話を以前にしました。

f:id:saran-p:20190619133918j:plain

素朴な3~4弦楽器だったものが弦数を増す目的で徐々に増改築されたのだから、
弦の全交換もその歴史のとおりの手順でやり直していけばよいわけ。

ってことはどういう進化の歴史があったのかを予習しないことには、
弦の全交換のやり方や感覚なんて身につくはずねえじゃんかい。
すーぐ「悠久なる宮廷器楽の響き」方向にのぼせちゃうからだわいや。

その妙なる響きはひとえに素材と構造のバランスから生み出されるものなのよ。
奏者の力量なんてせいぜい2割くらいのもんで。


f:id:saran-p:20190619133949j:plain

まず駒の足の角は紙やすりで少し丸めておく。
駒の傾き調整のためと、局所重圧の軽減=鼓面にカドッコあてないため。

f:id:saran-p:20190619133955j:plain

次にガット弦を2~3本ゆるく仮張りして、駒を挟み、ベルトを噛ませます。

このガット弦はまだ仮設扱いなので、皮の交換前に使っていたものでも勿論いいし、
くたびれた使い古し、切れて結んだもの、演奏に不向きな質のもので構いません。
捨てずにとっておくとこういうメンテ時に役立ちます、山羊の恵みを大切に。
無ければ丈夫な紐などでもいいけど、サランギやってりゃ無いことないっしょ。

f:id:saran-p:20190619133959j:plain

で、この時点で駒の座標と傾きをどうするか大まかに見当をつけます。
位置関係はだいたい写真のとおりの様相ですが、

f:id:saran-p:20190619134025j:plain

駒の傾きは概ねこのくらい。
ヘッドから降りてきた弦の角度、緒留めに結ばれに降りていく弦の角度に対し、
同程度の内角になるように少し倒し気味にすると力学的に安定します

独奏向けのハイピッチ(Sa=KeyをE♭~Eくらい)に設定するんだったら、

f:id:saran-p:20190619134004j:plain

張力パツパツで弦や本体に無理させないよう、駒を少しヘッド側に若干ずらし、
上駒も胴側に若干ずらした位置に決めて、弦長を寄せて詰めるとよい。

実はハイピッチの方がパリッカラッとしたサランギらしい音になるんだけど、
これは一方でタブラの右(ダヤ)や他の楽器との合奏をしづらい音程でもあるし、
楽器に無理させてどうせまた壊すから、使い慣れるまで低めに設定なさい。


駒の位置ここだと決めたらベルトを引っ張りながら釘止めします…んですが、

f:id:saran-p:20190619134009j:plain

よく見たらこの革ベルトもう古くてカピカピ。ベルトも替えるか。


ついでにベルトのことを少しお話しします。
音響工学的には弦振動を殺してしまうベルトなんぞ無い方がよいのだけれど、
駒の位置決めと皮への沈み込み軽減の為にこれはやっぱり必要なパーツ。
ピーンと張っても緩んで凹みますが、そういうものですから大丈夫どす。

ただ時々、♪おなかとせなかがくっつくぞ♪ みたいな状態の古い楽器があって、
ベルト緩みきって皮も凹みきって、ひどいと胴の中の柱に当たってしまってるの。
弦振動を柱が止めてしまうので当然ダメ。

f:id:saran-p:20190619134020j:plain
 凹みに凹んでゲンコツ履かせて弦高を稼ぐインド人

f:id:saran-p:20190619134015j:plain 別個体。裏穴から内部を撮ったもの

さすがにここまでいったら皮ごと交換してあげた方がいいな。
ついてはこのベルトは伸び伸びストレッチ素材ではよろしくないのだが、
インドのは適当だから、なんか適当な布とか合皮とか、意味ねぇこたねぇけどもさあ。


俺がよく使うのは、

f:id:saran-p:20190619133923j:plain

磨耗して切れても捨てずにとってある電気ベルトサンダーの替えベルト

一見は普通の紙ヤスリに見えるが、底面(基材といいます)に織物を噛ませてるから、
ちぎる方向はそうでもねえけれど、引っ張り方向の力に対してだけはクソ強いの。
水で洗い流しながらヤスリ面同士を擦り合わせると互いに研磨し合って、
エイ革みたいな質感をもった、音への影響やトラブルも殆ど無い優秀な締め帯になるんだ。


インドファン各位は嬉々としてインドは混沌の~と語るくせに、ちょっと違うことするや、
やれ本家本物の正確な文化理解をナマスカ~ル云々と、もうどうぞ言わば言えだい。
逆にこれをインド人に、ディスイズジャパ二ーズプロフェッショナルマテリアル、
リッチサウンズノープロブレムオーケーオーケー、
と嘘つけば飛びつくに違いないわけで。

しかもそれピースケの分際がいくら言ってもくたばれ右翼クソ狸としか捉えないだろうが、
同じことパンディット・ウスタッド・ピスケーミシュラ・カーン師が言やぁたちまち話は別。
正統なる伝統なる本場の薫りにご執心の皆様もたちまちハリオ~ムのマハラジャ
シャンティ~キャバテでエキゾでサラ~ムなティラキタアムリタになっちまうのだ。

それが俺のインドわざわざ行かない理由のひとつ。異国にカブレて真似る溶け込む染まり込むのでなく、
本質を見抜く勉強ならば、モノに溢れた日本国内の方がむしろ自由に発露しやすい。


じゃ実際やっからよ、見ててけろや、

f:id:saran-p:20190619133927j:plain

確かにこれじゃゴミだ。しかし、ちょいと設計して、

f:id:saran-p:20190619133935j:plain 製図用魚型文鎮

f:id:saran-p:20190619133931j:plain

両端をちょいと飾り切りゃ、たちまちアラすてき。

f:id:saran-p:20190619133939j:plain

ヒ~ングたっぷりガラ~ムマサ~ラ~なオ~トリキシャ~になるじゃん?
ベルトサンダーの替えベルトの切れちゃったやつだとはもはや誰も思わぬ。
こりがデザインの力です。

f:id:saran-p:20190619134058j:plain

ホームセンターで買ってきた鋲で止めればホラ、こだわり派のどなた様も、
ビスミッラ~アリ~アクバルのラ~ムナ~ムサティアへ~になっちゃったでしょ?


で、ちょいとポエムなんぞを書き添えれば、あらいやだ、

f:id:saran-p:20190619133913j:plain

 青の街・ジョードプルから車で三百キロ
 貧村の青年アフメドが いとおしげに撫でる木の肌に
 遠きあの日の絃鳴と 熱風の旋律が宿っていた
「お爺さんのお爺さんが愛した歌だよ」
 なにかを忘れてしまった日本へ 旅路は砂へ消えていく…

な、簡単に古代シルクロ~ドの息吹きに遥かな想いを喜多郎ヨ~ヨ~マになっちまう。

だのにこれ、Repaired in JAPAN(テヘペロ♪)とあっちゃ亡国論者はムググのグギギ、
まして世田谷ボロ市の掘り出し物ときちゃキミのリンガもインポテンツ。
こりがデザインの力だッ!!
なにかを忘れた日本もクソもここは日本ですから。


音楽で国境なき文化理解に親しみたい心を打ちのめすようでまったく済まないが、
民族楽器の本質は、一見は各土地でこそ培われた伝統技芸のようでいて、
新案や異素材もシレッとヒョイっと呑み込んでしまうところにある。

ジョードプル州のアフメド君がコレイイネ日本スゴイネと歓迎する時、
「同じ日本人として」誇らしいor恥ずかしいと仰るテメーさんにはまるくそ関係ねえ話なんだわ。
戦後自虐こじらせあがっとるぞっていう、そもそも誰なんだアフメド君。




立てた駒をバターンと倒さぬよう気をつけつつ、まずは最初期の共鳴弦である、

f:id:saran-p:20190619134102j:plain

ネックから直に生え出してる部分の最長の弦と最短の弦を先に張る。
このとき最長の弦がガット弦より外に出しゃばって運指の指先に差し支えないよう、

f:id:saran-p:20190619134107j:plain

ガット弦のラインより充分に内側を走るようにするのがポイント。
それにはどの駒穴に通したらいいかよくよく検討しましょう。

ほんで、さっき張った最長のを仮に1番目と呼ぶとして、

f:id:saran-p:20190619134120j:plain

1つ飛ばし、=3→5→7→9→11→13番目の弦を順次張っていく。

f:id:saran-p:20190619134125j:plain

このとき偶数番目=2・4・6・8・10・12・14番目のペグを予め抜いておくと作業しやすい。

からの偶数番目、今度は逆に14→12→10→8→6→4→2番の順でペグ挿しながら弦を張る。

f:id:saran-p:20190619134130j:plain

これはこの順が作業の手指を捌き易いからです。長年の経験者は語る。
細身のラジオペンチと探検用のヘッドライトが手元にあるとなお心強い。


ただし今は仮通し=穴に通して様子を伺うに留め、今は調律する必要なし。
これで問題なかろうと悟った段階で、無理ない張力にキュッと巻く程度でよいです。

というのも、小さい駒の狭い穴に全ての弦が集約するという構造上、
弦同士の引っ張りッコになってしまうわけだから、音程なんか揃いッコないの。
各弦のポテンシャルと相互の均衡を探りながら求める音程へ徐々に近づけていくんです。

…というのはつまりこういうこと。

博多名物・恐怖CM

f:id:saran-p:20190619134236j:plain

駒は本体に固定されずブラブラ遊んどる構造ですから、

f:id:saran-p:20190619134245j:plain

あっち引っ張ると駒がこっち行っちゃってそっちに引っ張られるでしょ、

f:id:saran-p:20190619134239j:plain

こっち引っ張ると駒がそっち行っちゃってあっちに引っ張られるでしょ、
ただでさえブラブラしとるものを30方向から引っ張り合うのだから、
調律なんか安定するわけねえんだ。

ですから、なんとかなるくそ無理のない配弦と音程を探りながら、
あててずらして見当をつナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・


 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・




\ ナ~~~~ゾ~~~~~~ /
f:id:saran-p:20190619134255j:plain


 あっ。 なぞが なぞよぶ ナゾクーマーの おでましだい。


f:id:saran-p:20190619134213j:plain


 この くまは なぞなのだ。

 だから この くまが なぞを よべば、

 そりは なぞが なぞを よぶのだ。


f:id:saran-p:20190619134217j:plain


 この くまが だれなのか だれも しらない。

 この くまの しょうたいは だれだろう?


 は た し て …

  



f:id:saran-p:20190619134221j:plain

なるくそ無理のない配弦と音程を探りながら、あててずらして見当をつけていくわけです。

弦の種類、弦数と穴数、いちいち確認しないと全部ずらし直しになるから注意。
端から完璧に仕上げていこうとすると改善点が生じたときにクソしんどいからな、
せっかく12本目まで張ったのにあれっ1穴ずらすべきでしたプギャーとかね。

力学と理想を常に想定しバランスをとりながら対処していく感覚と所作を持たないと、
何回インド行ってカレー食って下痢したところでこの調整は覚えられない。



弦をひととおり通し終わり、ピンと張ってたるみをなくすと、このようになります。

f:id:saran-p:20190619134140j:plain

f:id:saran-p:20190619134135j:plain

仮のガット弦で支えたことによって共鳴弦を張るまでの駒の転びやズレ込みを防ぎ、
かつ、穴の列が一直線でなく緩くカーブしていることによって駒は転びにくくなる。
ついては次の手順に参りやすくなるのです。

f:id:saran-p:20190619134148j:plain

ほれ、仮ガット外しても共鳴弦が駒を支えてるから駒が暴れないっしょ。



で、のびーる、のびーる、ストップ!!

いったんこの段階でしばらく放っておき、一気に仕上げてしまおうとしない。
ストレッチマン体操と同じで、皮にいきなり無理な重圧をかけると破れるからです。
素材と対話するように、皮の沈み込みと張りを観察するんです。
破れる時はもうバリーンと取り返しつかない破れ方するから悲しいぞ。

とはいえ、あまり怯えてたんでは仕上がらないからな。
時おり点検して弦を少しずつ巻き取り、皮に徐々に圧力をかけていき、
新たな弦を張る時はそれらを若干緩めてから臨むようにすると結果的に負担を最適にできる。


って感じかな、別に信じたくない人は結構ですよー自力でやったんさい。

ただ貴方こんどの土日に家族でのこのこキャンプ行くんでしょ、
テント張って、火おこして、弦を30本替えることになるわけじゃんか。
モタモタまごついて弦こんがらがしてタハタハ笑って誤魔化して、
パパかっこわるーい、おなかすいたー、もう帰りたーいと長女にも次女にも罵られ、
威厳ガタ落ちになっていいのか、という話なんですよ。

大権現ピ助坊狸さまのご忠告も時には悪くないはずだ。


f:id:saran-p:20190619134029j:plain

弦の1本、皮の1枚、骨パーツ1粒にさえ、先人の智慧あり。
インド楽器道は七代の生まれ変わりを経て漸く成就すると伝えられます。

その意味では、なべて楽器という営為は、演奏者・紹介者というだけでは半可通だ。
自身で修理でき製造できて漸く、謳うべき歌を奏で得て、物語を伝え得るというもの。
だのに多くの奏者や紹介者はさ~も1人で神秘に到達なすったかの如くオレガオレガと振る舞いて、
職人ごときはせいぜい目立たず余の欲望に従い尽くして余を満足させよってか?

f:id:saran-p:20190619134034j:plain

ま、各々のビジョンをもって頑張りゃいいが、俺の場合はこの日本国という、
色々面倒だけど不思議な島に産まれた幸運を大切に、此処でこそ叶う本質を見つめ続けたい。
それがいつしか民族楽器の未来の潮流にも繋がっていくと信じています。
古き習わし・舶来の発想・当方で少々できますことをブレンドしながら、
作り、使い、考え、また次の世代へ。

f:id:saran-p:20190619134038j:plain

俺の生まれ持った背骨はやっぱりそこかなと思うんだ、
「上手くなりたい」「認められたい」「有名になりたい」「モテたい」といった、
丸出しの我欲とはまるくそ別次元に在る。或いは海外文化を安易に取り込み、
「日本人離れ」して「普通と違う自分」を装うなど小さなことだし、
「調査」「理解」「紹介」だって他所様の為す事にばかりの執心なわけで、
そういうアンタ空っぽやん?と問われれば黙らざるを得ぬ。かといって、
「熟練の伝統、格式の美」に溺れて身動きのとれない中堅古参に凝り固まっていくのもご勘弁だ。

f:id:saran-p:20190619134042j:plain

で、楽しんでもらえればお役に立てればと少々事を致しゃ「芸術家気取りの才能自慢野郎」と言われ、
「お人好しなのにお金取るの? 意地悪。偉そう。二面性がある」と言われっはっはっはっは、
参っちゃうよな何やったってそんなもんよもん。

f:id:saran-p:20190619134047j:plain

少なくとも背骨1本持っとけばまず出るこたねぇね、最近よく聞く、
「外国人にニッポン褒めさせて自画自賛テレビ番組が気持ち悪い恥ずかしい」なんて台詞。
そんな不満かしら、凄い技術だな素晴らしい魂だな知らなかったな~っていちいち感心しちゃうけど。
第一、褒められている凄い日本人と、文句言って斜に構えとる誰ぞやは、同列ではないじゃんか。


f:id:saran-p:20190619134053j:plain

恥ずべき愚かな国であってくれねば自身の恥ずかしさ愚かさが報われんから、
いいとこだけ同列視して難癖つけて優位に立ちたがるけれどもそれもまた叶わぬもんで、
とうとう自己欺瞞、願望とご都合の妄想を信じて日本を呪って正義感を代償するという、
これだけ自国の誇りを削がれた精神構造っちゅうのはよほど戦後教育の…

…アフメド君もそう思うよな。





って誰。お前が妄想じゃいっていう、まあいいやちょっと待ってけろ。

f:id:saran-p:20190619134227j:plain

こらっ、今宵こそは神秘珍々サーランギーの話題のみと申し候。
諸君らキッズが邪魔ッコなさるゆえ話があちこちこんがらがりよる。
おかげで作業もろくすっぽ進まんじゃんかいやあ。

f:id:saran-p:20190619134231j:plain

共鳴弦っちゅうのは張るったらキリつくまでワーッと面倒みんと終わらんのぞ。





一寸の虫にもドープな魂!! ゆっくり消える虹みたくケモノじかけで蔓延しヨーネ恥じらみの電牧グルーヴ


虫? 虫って、瀧の屁本の。 
「読む前からページ各所に小さい虫が汚く挟まっている」の虫か。

そりは、これです。大好き。

f:id:saran-p:20190513002348j:plain (c)太田出版、2001

便所とか排水溝にいるチョウバエかな、ページにとまったのを、
指先でピッと潰してその指先をページになすってる
拭き取りゃいいのにそのまま本を閉じて棚に戻しちまうから、
次のページにまで虫の汁と粉が染みちゃってんだわ。

f:id:saran-p:20190513002346j:plain

うへぇ~勘弁してくれい、きったないなあ。
こういうことするから瀧クンに漫画本貸すのイヤなんだヌ~ン。

f:id:saran-p:20190513002344j:plain

…っていう印刷。っはっはっは、驚くことに最初からこの装丁なんだビッチ。
なにが凄いって、虫と汚れをちゃんと見開きに想定して誌面設計しているこの律儀さよ。

f:id:saran-p:20190513002341j:plain

読み手の笑顔に臨まないとこんな丁寧なバカはなかなか仕込めない。
初めて読んだ時は泣き笑いしましたっけ。これぞデザインの力だ。

のみならず、瀧と盟友らが作品の随所に仕込むコメディは一見はお下劣極まるようでも、
実はとても完成度の高い小粋な機知に溢れていて毎度びっくり&感服させられる。
体操シリーズやクソゲー集といった映像ワークにはその心意気が如実に現れているし、
それがひいては役者業ひと筋の人には却って出せない味と表現力、
たけしをして 彼バンドマンなんだってね! と感心させる迫真と幅に繋がっている、
と俺は思うヌ~ン。


でも表紙の黄ばみは本物の俺の屎尿だよ。デザインの力だ!




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



f:id:saran-p:20190513003252j:plain

SEXY現地妻キャシーさん1頭にぞっこん入れあげるあまり、
他所の雌羊を口説いてソノ気にさせといて華麗にすっぽかした最低男の私ですが、
(※実際は、防疫のため。後述↓の状況があり、病気を散らさないように。)
その間に界隈では変動があった様相で、考えさせられるニュースが飛び込んでくる。

いいかげん羊の話題ばかしやってられないのだけれど、
情報お求めの方が実際いらっしゃるもんで今しばし調査メモをお伝えしておきます。



▲▲▲ 上野アリス&ベル、窓際族のあげく吉祥寺に異動さる ▲▲▲

f:id:saran-p:20190510013437j:plain 2016年5月

もともと上野動物園はヤギヒツジ自由ふれあい可エリアを構えていたのに、
ある時点から柵ごし展示となり、のちガラス部屋送りなるトンチキ方針に。
持て余しの様子を飼育員に伺うと「いろいろありまして」と濁すばかりだった。

f:id:saran-p:20190510013440j:plain 2018年1月

f:id:saran-p:20190510013439j:plain

ガラス越しのコリデール種アリスとベルは明らかに覇気がなく老化一直線でした。
動物のストレスを考慮し… なる文言はまこと体のいい勝手通しに機能する。
んじゃもう電気柵(通称 “電牧”)でも張れば? 客なんか一切寄り付かないように。
 ↓
 ↓
からの、彼女たちは実際、吉祥寺・井の頭自然文化園へ身売りと相成れり。
な、言わんこっちゃよ。やっぱ持て余してましたってことじゃんかいやあ。

f:id:saran-p:20190510013652j:plain

しかし結果はオーライのようだ。移籍が完了し空と風を取り戻した2頭は、
前の園より明らかに元気、先輩ヤギとも仲良くやれていて、ほっとひと安心。

f:id:saran-p:20190510013650j:plain

暫定預かりでなくもうこの園にて余生をとのことで、ああ絶対その方がよろしいよ、
上野ではもう幸せになれないし幸せにしてもくれない。


呼ぶとこちらをまじまじと見てのち、トコトコ駆け寄ってきてくれたので、

f:id:saran-p:20190510013542j:plain
f:id:saran-p:20190510013656j:plain

秘術ムートンアクセスを披露して差し上げ。ワシュワシュ、ゴシュゴシュ。

f:id:saran-p:20190510013654j:plain

久しぶりだね、憶えていてくれてると嬉しいのだが。
ガラス越しなんて無粋よな、お互いにさ。



▲▲▲ 智光山トカラヤギ家族、“法定”陽性により11頭処分 ▲▲▲

f:id:saran-p:20190510013548j:plain

狭山市智光山公園こども動物園でヨーネ病
これは罹ったらアウトなんよ。

f:id:saran-p:20190510013545j:plain

通称 “法定” 、家畜伝染病・監視伝染病といって、
厄介さのあまり法律でエンガチョウされている動物の病気があります。
確認されると発生元から抑え込まねばならない義務を負うことになり、
たいていは同居の健康個体も“念のため” 殺されます(※擬陽性という考え方です)。
これほどやりきれないことはないんだ、動物園を責めてはいかんぜよ。

ニュースにすぐさま思い浮かんだのはヤギふれあい担当のおやっさん
無愛想だが動物愛溢れるご年配スタッフ氏で、お客が来るや指揮棒トントン、
ヤギの台渡り芸を披露してくださるのだが、じつに今回その子らが残念な結果になった。
畜生道にこそ杜子春の慟哭あらむ。どうか安らかに。



▲▲▲ 埼玉シロ王、堂々永眠す ▲▲▲

あいつはいい奴だったなあ、お疲れ様。

f:id:saran-p:20190510013537j:plain

種オスは去勢しないぶん同居個体や飼育員をも悩ます暴れ者に育ちがちですが、
そこへきて埼玉県こども動物園の牡羊シロ君は良きパパの鑑だった。

f:id:saran-p:20190510013540j:plain

この謹製お稲荷さんで優良遺伝子を日夜醸成し、数多の子孫をブッ込んでくれました。
当人の許可を得て持たせて貰ったところ、じつに逞しい重量級でしたよ。

や? 何もいやらしいことはない。羊に限らず動物のオスたる者、
遺伝子を方々にブッ込み散らすこと以外たいした存在意義がないものですが、
かといって皆が皆をして思うさま叶うわけではない。さにあって、
着実にブッ込み散らす任務を勤め上げるというのはやはり立派なことなのだ。



▲▲▲ 江戸川ヒツジ連、世代交代の波 ▲▲▲

f:id:saran-p:20190510013435j:plain あかねと。2016年11月

一時期は毎週のように通った行船公園自然動物園ふれあいコーナー。
しばらくブランクを置いたその間に高齢羊のモモとさくらが世を去ってしまった。
飼育員が呆れるほど俺に懐いてくれたあかね嬢もまた体調を崩し、
現在はふれあい要員を様子見ながらセミリタイア中であるとの情報が。


…あかねさん死んじゃう前に慌てて会いに行ってきた。

f:id:saran-p:20190510013747j:plain

ああ、あかね。久しぶり。おばあちゃんになったね。

f:id:saran-p:20190510013737j:plain

俺のこと… ああ、忘れてないか、忘れないよなあ。
毎週愛し合ったのに何も言わずに急に来なくなってごめんよ。
無理せずゆっくり過ごしてくれな。


入園無料もあいまってこの園のふれあいコーナーはとりわけ土日祝、
飼育員が鬼の形相を必死にこらえてフテ腐れるほどドチャクソに混雑する。
キッズや親御だけでなく大きいお友達ファンが多いのも特長で、
それだけヤギ・ヒツジたちはアイドル的視点で親しまれています。

f:id:saran-p:20190510125137j:plain
f:id:saran-p:20190510125139j:plain
f:id:saran-p:20190510125135j:plain

ヤギ軍団は現在、馴染みのシナモンとミルキーに近年ザーネンしお、
ピグミーきなこ、さらに名前知らない超ちびちゃんが加入した。
どいつもこいつも愛想ふりまきケツをぷりぷり縦横無尽に暴走中。

一方のヒツジ連は先のあかね嬢が今や長老となり、
俺のこと苦手ムキ出しの黒羊こまちがこまちの分際で先鋒に出世しやがって、
動じない性格の後輩めいちゃんが好リリーフという布陣。


そこへさらに近日デビュー予定の新メンバーが控え中。
はじめましてのご挨拶をさせて戴きましたところ、

f:id:saran-p:20190510013742j:plain この顔

初対面で異様なナデナデウフフの才能を発揮! こいつぁ期待の星だ。
デビューしたら一緒に遊ぼうな。

f:id:saran-p:20190510013744j:plain

ふれあい施設には本来こういう天性ある子をこそ配置すべきであり、
ほっといてほしい性格の個体に無理な弄られを強いるべきではないのだ。
激務の現場だが華麗にこなして随一の人気者になってくれい。



*****************************
 獣畜防疫救護員ヒツジ担当より、愛羊家の皆様へお願い
*****************************

f:id:saran-p:20190513002448j:plain
 お宅んちの猫ちゃん… 逆立ちしたまま干からびてますよ!

近年、→悪質な羊モフりまくり推奨サイト←台頭の影響からか、
複数のふれあい施設を巡り楽しまれるお客様が急増しています。
誠に微笑ましく存じます一方、貴方の何の気無しのご行動が、
家畜の病気を知らず知らずのうちに拡散させてしまう危険もござるのであります。

f:id:saran-p:20190513002446j:plain 注)コスプレです。医療行為は行っていません。

どうぞ以下の点をお気をつけ戴きながら猛烈ペッティングをお楽しみください。



《 1,行為前後には普段の800倍は手を洗いましょう 》

→ 羊とのモフ付き合いの不潔さたるや、ばいきんまんとのスカトロレスリンに通ず。
いつもの手洗いじゃ到底足りませんよ、指の先、指の股、爪の間、玉の袋に至るまで、
強力なる石鹸液をありたけ塗ったくってヌルシコヌルシコ揉み洗いましょう。

怠ったキッズはもれなく謎の奇病を患いて寝込むことになるであろう…
そこぁ知ったこっちゃねえが、しかし羊の健康だけは必死の形相で守り抜きましょう。

f:id:saran-p:20190510013807j:plain



《 2,帰ったらシャワーを浴びましょう 》

→ 病気のカプセル(※卵のほか、芽胞、シスト、オーシスト等と呼ばれます)は、
舞い上がって髪にまぎれ、顔の皮膚に至るまでペタクソと憑依して来ぬるぞ。
キッズ遊ばせた親御さんも、自分は触ってないし寒いから今日はお風呂パス~はなりませぬ。
帰ったらすぐシャワーを浴びてエンガチョウをさっぱり禊ぎ落としましょう。
不潔なまま仲睦まじく夜のスカトロレスリング等に興じないことです。余計なお世話ですね。



《 3,遊んだ時の衣服を他の施設へ着回さない 》

→ これ非常に重要なので真面目に書いておくと…

私はこれまで東京近郊のふれあい2施設において、ヤギハジラミBovicola aff. caprae、
ヒツジハジラミBovicola aff. ovisの多頭寄生
を確認しております。
飼育員がどんなに問題なかろうぶろうとも、いるものはいるのです。

寄生虫学的には別にまあよくある、隔離して駆虫すりゃいいだけの話だが、
症状に気付かずにふれあいに出す施設は明らかに管理不行き届きの落ち度あり。
毛皮ひと掻き分け毎に1頭いるようならもう既に体全体にいますから、
もし撫でていて見つけましたら必ず担当スタッフに声をかけてください。

f:id:saran-p:20190513002838j:plain
 黄白色〜褐色、体長はゴマ粒程度で、ときに密集。
 たぶん宿主が剛直毛か縮れ毛かによる形態差異だろうな、ヤギのは体がどっしりと平たく、
 ヒツジのは若干シュッとしててよく歩き回ります。

こういうの得体の知らんからキモッと徒に畏れるばかりでなく、
寄生虫もまたそうして生きている地球の一員なのだと関心をもつことが、
結果として適切なストップ&コントロールの姿勢に繋がるはずなのですが、
飼育員っつのは動物専門プライドを意地に抱えちゃってる人材が多いのも実情で、
丁寧にお伝えしても認めないんですわ、ブスッと黙ったり意味なく取り乱して。


なにせこのシラミ、発生ピークが正月から春先とクソ寒い時期なうえ、
宿主の体表を離れても毛状の何かしらにしがみつければ数日は生きられるんだそう。
野鳥の羽に乗って遠方に運ばれる等々言われるが、俺はそんなんよりよっぽど、
動物大好きッ子の同じセーターで連休ふれあい来訪による感染を疑います。
手ばっかヌルシコ洗ってもダメなわけよ。

f:id:saran-p:20190513002836j:plain

だって真冬のおべべなんか毎回は洗わんでしょ、ましてズックをや。
遊んだ衣服や靴は当日中に濃いめの洗剤で洗濯、かつ2週間ほど干す!
汚れたままの服装で他の類似施設に行かないことです。

f:id:saran-p:20190513002834j:plain


…ピースケが媒介してんじゃねえのって?

そうさな、俺は着用1回ごとの洗濯はもちろん長靴も浸け置き漂白、
日程上ハシゴ取材より他ない時は全着替え&個別ビニール袋を持参して、
移動の道中では銭湯に寄ってスミスリンシャンプーしてるけど、
みんなはどうだい、そのぐらい普通にやってくれてるだろーな?

f:id:saran-p:20190513005314j:plain
 同じの3足、履く場所を決めてます

客を含め関係者全員がそのくらい対策を講じれば、シラミだけでなく、
先のヨーネ病など目に見えない病原の侵入もだいぶ食い止められると思うんよ。



《 4,俺が羊と愛し合っている最中は、いちいち注意やっかみ動物園スタッフや、
 ギャオギャオ喧しい観光客をまとめて厚手のビニール袋に入れ、口をしっかり縛る 》

f:id:saran-p:20190513002833j:plain

こうすりゃ俺はゆっくりまったりエロ雌羊とイチャイチャできますから安心です。
袋の口をほどき忘れたまま帰っちまうこともしばしばですが、
なんとかなるんじゃねえのか、2週間くらい。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



   \♪ブッスブッス、特大ブッス~♪/
f:id:saran-p:20190510013810j:plain

おお、盛り上がっとるわいや。  

f:id:saran-p:20190510013815j:plain

天気がよいので今日は羊のチッチちゃんと代々木公園をデート。
なにがおかしいか、だってチッチは弦楽器だもん。
春風の心地よいベンチでホーメイを練習して、軽めの読書と昼寝の後、
『東京レインボープライド2019』を見学しました。

f:id:saran-p:20190510013813j:plain

ディズニーハロウィーンで着た羊コスチュームでチッチ背負って突入したため、
相変わらず「わっ羊」「Oh, lamb…」「Sheepman!!」と写真バチバチ

こういうお祭りなのだから誰か1人くらい、
「(あらぁ、雌羊の内臓いじり弦楽器と羊皮かぶったクソ狸のカップね、HAPPYプライド♪)」
と祝福してくれると思っただに。まったく現代社会ときたら、
雌羊の内臓いじり弦楽器と羊皮かぶったクソ狸のカップへの理解がまだまだです。
雌羊の内臓いじり弦楽器と羊皮かぶったクソ狸のカップに潤沢な補助金を!



悲しいことにLGBTの話題上では、獣自認・獣愛指向はまるくそ蚊帳の外だ。

自分らしさを!権利を!と虹の旗ふる当事者さん賛同者さんだって、
対象が人間以外にも及ぶセクシュアルにはどうしたものか躊躇するだろう。
ご注意あれ、獣愛とは相思相愛にあって、獣姦=同意なき動物レイプとは異なります。

f:id:saran-p:20190513002338j:plain この扮装で参りました。ゼクシィ☆

や、もちろん人間とのお付き合いだって楽しいひとときですが、
マズル長めで会話できてフカフカ毛皮がいい匂いの動物と結婚できたら素敵じゃんか。
でもそんな都合のいい妖獣は現世になかなか居なくてさ、困ったものだ。

f:id:saran-p:20190513002453j:plain 
 自転車に乗る時のカスタムヘルメット

幼年期にムーミン谷やらシルバニアファミリーやらに直撃すればこうなるのも必然です。
セサミストリートやラビリンス魔王の迷宮との出逢いも非常に大きかった。

f:id:saran-p:20190513002451j:plain  このくらいの鼻づらに生まれたかった

一方で猿を嫌いです。よく同属嫌悪と解されますが違います。
真猿亜目のマズルの構造には生物種としての美を感じられないのです。
ってことはやはりヒトという生物を根本的に好きじゃないのかもしれない。

でもキツネザル=原猿・曲鼻猿亜目のマズルはラブリーでしょ。
そっちの系統から進化したかったよなあ俺たち。わりとマジで。


ついては提案ですが、私たちは様々なセクシャリティの相互理解を深めるために、
まずは代々木公園に無数のフリーハグ羊ギャルズを放つべきではないでしょうか。
モフモフ絶頂の末に両想いになれば籍も入れられる社会を目指して…

f:id:saran-p:20190513002830j:plain

お前らの募金待ってるぜ! HAPPYプライドぉ~~っ♪



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ちぇーっ。いいアイデアだと思ったのに。

しかし改めて俯瞰するとまったくややこしい人生よな。
蔑まれしインド芸能民に培われ、古びて打ち捨てられた残骸を、
日本の変態デザイナーが救済にあたるうち、材料である眷属との禁じられた愛に目覚め、
ついに取り憑かれて街を彷徨うも、少数者救済の虹色運動には溶け込めませんでしたなんて。

でも遠回りの人生も悪くないものだよ。
自信をもって色々な角度から物事を捉えられるようになるし、
それにここ最近やっぱり思うんだが、頑固一徹、愚直にひと筋の人生というのは、
逆に弱さではないか
と思うんだ。
だから異分野からの指摘と改善は耐え難い恐怖と感じ、頑なになってしまう。

f:id:saran-p:20190510013432j:plain

そうそう、やっぱり共鳴弦も切ったの、全部替えることにしたから。
皮替えでは本来、勿体ないので共鳴弦は緒留めからは外さずに再利用するのですが、
そのつもりで作業してると楽器の方が「ついでに弦も替えてよ」と言ってくることがある。

f:id:saran-p:20190513002444j:plain

せっかくだから今回はギターの低音用の巻弦を多めに試してみようと思ってるんだ、
それで安い弦をいっぱい買ってきたわけ。これ、ひと箱に18本入ってる。

サーランギやラバーブ類は竪琴のように適宜な調律でキラキラ共鳴させるものですが、
俺は重い弦をダルめに張るのが好きで、そうするとズワーッズザザーッて凄く唸るの。
予期しない反応を楽器がよこしてくる瞬間が気持ちいいんだよ、
楽器そのものがそいつの感情を持って生きてる感じがして。
俺、そういうの大事にしてる。

インド流をきちんと勉強して上手く正しく弾くことはもちろん大事なんだけど、
それしかないと、それしかないものだから、やっぱりそれしかない人生なんだわ。
それしかない人生の演奏家は、一聴は良いんだけど、それしかない人生の音がする。

そこへ俺がインド行かねえ分際で違うことすっと、皆さん憧れのインド流のインド人が、
「お前インド来い」と声かけてくれるんだけど、ごめん俺、蹴っちゃうのさ、面倒臭えから。

ちゃんと勉強してる人はそりゃムキキなるよな。ムキキ。猿を嫌いです。
色々なアプローチがあっていいはずだのに。










    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。