◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
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さらん儀蜚°助流・実践編〈6〉謎が謎よぶジャパ二の技術スゴ~イデスネ!…でもあなたスゴくないデスネ面倒デスネ、ジャパニなのに。(アフメド君:26歳)



今宵こそは神秘珍々サーランギーの話題のみと存ず!

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コツブムシだのヒツジだの、無駄話は二の次三の次なればなり!
しかるにチビちゃん諸兄におかれてもその心算にてあらせられよ。
くれぐれも邪魔ッコなど為さるべからず。よろしいな?

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昔どういう吹き回しだか随分な依頼がちょいちょい重なった時期があって、
「弦を全てインドのプロ仕様の本物に交換してほしい」だの、
「正確にチューニングして送り返してほしい」だの、
果ては「弾き込んでおいて」だって。バカたりがぁッ!

あのね、ご面倒でも弦の面倒くらい自分で面倒みやしゃんせ。
面倒なのがこの楽器のチャームポイントじゃろうが。面倒臭いなあ。

とはいえ無弦ツルパゲにしちまっちゃその後どうしていいやら知らんじゃろうて、
つきまして幾回かに渡り、弦の全交換をいかなる手順ですんだかの話をします。
再三熟読なさり、まるで最初から知ってたor現地で習った秘術の如く振る舞うべし。
ほんで 「貴重な日本人奏者」とやらを各位めいめい名乗ったらよろしかろうがい。


…そういうお前は誰に習ったのって? 違う違う。
先人の続きぞ、俺一人の手柄にあらざるぞ、を常に念頭に驕らず取り組んでおると、
楽器が自分からどうなりたいか教えてくれるんだよ、それを掴むだけ。

…だったら日本人の勝手な「創作」が入った「我流の偽物」にすぎない?
「純粋な民族音楽ではないから興味も価値も失う?、と仰るなら仰っとりゃいいです。
俺はただ、この不思議な道具の叡智と工夫をより広く深く、そして皆様に、と願っとるだけだ。

自分というものが無い、自信の無い人ほど、「本物」かどうかばかり気にする。
どんどん自分でやってみたらよろしいこったよな本物になるまで。


まあいいや弦の話すんべ。



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サーランギーは建築である、という話を以前にしました。

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素朴な3~4弦楽器だったものが弦数を増す目的で徐々に増改築されたのだから、
弦の全交換もその歴史のとおりの手順でやり直していけばよいわけ。

ってことはどういう進化の歴史があったのかを予習しないことには、
弦の全交換のやり方や感覚なんて身につくはずねえじゃんかい。
すーぐ「悠久なる宮廷器楽の響き」方向にのぼせちゃうからだわいや。

その妙なる響きはひとえに素材と構造のバランスから生み出されるものなのよ。
奏者の力量なんてせいぜい2割くらいのもんで。


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まず駒の足の角は紙やすりで少し丸めておく。
駒の傾き調整のためと、局所重圧の軽減=鼓面にカドッコあてないため。

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次にガット弦を2~3本ゆるく仮張りして、駒を挟み、ベルトを噛ませます。

このガット弦はまだ仮設扱いなので、皮の交換前に使っていたものでも勿論いいし、
くたびれた使い古し、切れて結んだもの、演奏に不向きな質のもので構いません。
捨てずにとっておくとこういうメンテ時に役立ちます、山羊の恵みを大切に。
無ければ丈夫な紐などでもいいけど、サランギやってりゃ無いことないっしょ。

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で、この時点で駒の座標と傾きをどうするか大まかに見当をつけます。
位置関係はだいたい写真のとおりの様相ですが、

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駒の傾きは概ねこのくらい。
ヘッドから降りてきた弦の角度、緒留めに結ばれに降りていく弦の角度に対し、
同程度の内角になるように少し倒し気味にすると力学的に安定します

独奏向けのハイピッチ(Sa=KeyをE♭~Eくらい)に設定するんだったら、

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張力パツパツで弦や本体に無理させないよう、駒を少しヘッド側に若干ずらし、
上駒も胴側に若干ずらした位置に決めて、弦長を寄せて詰めるとよい。

実はハイピッチの方がパリッカラッとしたサランギらしい音になるんだけど、
これは一方でタブラの右(ダヤ)や他の楽器との合奏をしづらい音程でもあるし、
楽器に無理させてどうせまた壊すから、使い慣れるまで低めに設定なさい。


駒の位置ここだと決めたらベルトを引っ張りながら釘止めします…んですが、

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よく見たらこの革ベルトもう古くてカピカピ。ベルトも替えるか。


ついでにベルトのことを少しお話しします。
音響工学的には弦振動を殺してしまうベルトなんぞ無い方がよいのだけれど、
駒の位置決めと皮への沈み込み軽減の為にこれはやっぱり必要なパーツ。
ピーンと張っても緩んで凹みますが、そういうものですから大丈夫どす。

ただ時々、♪おなかとせなかがくっつくぞ♪ みたいな状態の古い楽器があって、
ベルト緩みきって皮も凹みきって、ひどいと胴の中の柱に当たってしまってるの。
弦振動を柱が止めてしまうので当然ダメ。

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 凹みに凹んでゲンコツ履かせて弦高を稼ぐインド人

f:id:saran-p:20190619134015j:plain 別個体。裏穴から内部を撮ったもの

さすがにここまでいったら皮ごと交換してあげた方がいいな。
ついてはこのベルトは伸び伸びストレッチ素材ではよろしくないのだが、
インドのは適当だから、なんか適当な布とか合皮とか、意味ねぇこたねぇけどもさあ。


俺がよく使うのは、

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磨耗して切れても捨てずにとってある電気ベルトサンダーの替えベルト

一見は普通の紙ヤスリに見えるが、底面(基材といいます)に織物を噛ませてるから、
ちぎる方向はそうでもねえけれど、引っ張り方向の力に対してだけはクソ強いの。
水で洗い流しながらヤスリ面同士を擦り合わせると互いに研磨し合って、
エイ革みたいな質感をもった、音への影響やトラブルも殆ど無い優秀な締め帯になるんだ。


インドファン各位は嬉々としてインドは混沌の~と語るくせに、ちょっと違うことするや、
やれ本家本物の正確な文化理解をナマスカ~ル云々と、もうどうぞ言わば言えだい。
逆にこれをインド人に、ディスイズジャパ二ーズプロフェッショナルマテリアル、
リッチサウンズノープロブレムオーケーオーケー、
と嘘つけば飛びつくに違いないわけで。

しかもそれピースケの分際がいくら言ってもくたばれ右翼クソ狸としか捉えないだろうが、
同じことパンディット・ウスタッド・ピスケーミシュラ・カーン師が言やぁたちまち話は別。
正統なる伝統なる本場の薫りにご執心の皆様もたちまちハリオ~ムのマハラジャ
シャンティ~キャバテでエキゾでサラ~ムなティラキタアムリタになっちまうのだ。

それが俺のインドわざわざ行かない理由のひとつ。異国にカブレて真似る溶け込む染まり込むのでなく、
本質を見抜く勉強ならば、モノに溢れた日本国内の方がむしろ自由に発露しやすい。


じゃ実際やっからよ、見ててけろや、

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確かにこれじゃゴミだ。しかし、ちょいと設計して、

f:id:saran-p:20190619133935j:plain 製図用魚型文鎮

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両端をちょいと飾り切りゃ、たちまちアラすてき。

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ヒ~ングたっぷりガラ~ムマサ~ラ~なオ~トリキシャ~になるじゃん?
ベルトサンダーの替えベルトの切れちゃったやつだとはもはや誰も思わぬ。
こりがデザインの力です。

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ホームセンターで買ってきた鋲で止めればホラ、こだわり派のどなた様も、
ビスミッラ~アリ~アクバルのラ~ムナ~ムサティアへ~になっちゃったでしょ?


で、ちょいとポエムなんぞを書き添えれば、あらいやだ、

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 青の街・ジョードプルから車で三百キロ
 貧村の青年アフメドが いとおしげに撫でる木の肌に
 遠きあの日の絃鳴と 熱風の旋律が宿っていた
「お爺さんのお爺さんが愛した歌だよ」
 なにかを忘れてしまった日本へ 旅路は砂へ消えていく…

な、簡単に古代シルクロ~ドの息吹きに遥かな想いを喜多郎ヨ~ヨ~マになっちまう。

だのにこれ、Repaired in JAPAN(テヘペロ♪)とあっちゃ亡国論者はムググのグギギ、
まして世田谷ボロ市の掘り出し物ときちゃキミのリンガもインポテンツ。
こりがデザインの力だッ!!
なにかを忘れた日本もクソもここは日本ですから。


音楽で国境なき文化理解に親しみたい心を打ちのめすようでまったく済まないが、
民族楽器の本質は、一見は各土地でこそ培われた伝統技芸のようでいて、
新案や異素材もシレッとヒョイっと呑み込んでしまうところにある。

ジョードプル州のアフメド君がコレイイネ日本スゴイネと歓迎する時、
「同じ日本人として」誇らしいor恥ずかしいと仰るテメーさんにはまるくそ関係ねえ話なんだわ。
戦後自虐こじらせあがっとるぞっていう、そもそも誰なんだアフメド君。




立てた駒をバターンと倒さぬよう気をつけつつ、まずは最初期の共鳴弦である、

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ネックから直に生え出してる部分の最長の弦と最短の弦を先に張る。
このとき最長の弦がガット弦より外に出しゃばって運指の指先に差し支えないよう、

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ガット弦のラインより充分に内側を走るようにするのがポイント。
それにはどの駒穴に通したらいいかよくよく検討しましょう。

ほんで、さっき張った最長のを仮に1番目と呼ぶとして、

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1つ飛ばし、=3→5→7→9→11→13番目の弦を順次張っていく。

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このとき偶数番目=2・4・6・8・10・12・14番目のペグを予め抜いておくと作業しやすい。

からの偶数番目、今度は逆に14→12→10→8→6→4→2番の順でペグ挿しながら弦を張る。

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これはこの順が作業の手指を捌き易いからです。長年の経験者は語る。
細身のラジオペンチと探検用のヘッドライトが手元にあるとなお心強い。


ただし今は仮通し=穴に通して様子を伺うに留め、今は調律する必要なし。
これで問題なかろうと悟った段階で、無理ない張力にキュッと巻く程度でよいです。

というのも、小さい駒の狭い穴に全ての弦が集約するという構造上、
弦同士の引っ張りッコになってしまうわけだから、音程なんか揃いッコないの。
各弦のポテンシャルと相互の均衡を探りながら求める音程へ徐々に近づけていくんです。

…というのはつまりこういうこと。

博多名物・恐怖CM

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駒は本体に固定されずブラブラ遊んどる構造ですから、

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あっち引っ張ると駒がこっち行っちゃってそっちに引っ張られるでしょ、

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こっち引っ張ると駒がそっち行っちゃってあっちに引っ張られるでしょ、
ただでさえブラブラしとるものを30方向から引っ張り合うのだから、
調律なんか安定するわけねえんだ。

ですから、なんとかなるくそ無理のない配弦と音程を探りながら、
あててずらして見当をつナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・


 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・



 ナ~~~~ゾ~~~~~~・・・・・・




\ ナ~~~~ゾ~~~~~~ /
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 あっ。 なぞが なぞよぶ ナゾクーマーの おでましだい。


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 この くまは なぞなのだ。

 だから この くまが なぞを よべば、

 そりは なぞが なぞを よぶのだ。


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 この くまが だれなのか だれも しらない。

 この くまの しょうたいは だれだろう?


 は た し て …

  



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なるくそ無理のない配弦と音程を探りながら、あててずらして見当をつけていくわけです。

弦の種類、弦数と穴数、いちいち確認しないと全部ずらし直しになるから注意。
端から完璧に仕上げていこうとすると改善点が生じたときにクソしんどいからな、
せっかく12本目まで張ったのにあれっ1穴ずらすべきでしたプギャーとかね。

力学と理想を常に想定しバランスをとりながら対処していく感覚と所作を持たないと、
何回インド行ってカレー食って下痢したところでこの調整は覚えられない。



弦をひととおり通し終わり、ピンと張ってたるみをなくすと、このようになります。

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仮のガット弦で支えたことによって共鳴弦を張るまでの駒の転びやズレ込みを防ぎ、
かつ、穴の列が一直線でなく緩くカーブしていることによって駒は転びにくくなる。
ついては次の手順に参りやすくなるのです。

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ほれ、仮ガット外しても共鳴弦が駒を支えてるから駒が暴れないっしょ。



で、のびーる、のびーる、ストップ!!

いったんこの段階でしばらく放っておき、一気に仕上げてしまおうとしない。
ストレッチマン体操と同じで、皮にいきなり無理な重圧をかけると破れるからです。
素材と対話するように、皮の沈み込みと張りを観察するんです。
破れる時はもうバリーンと取り返しつかない破れ方するから悲しいぞ。

とはいえ、あまり怯えてたんでは仕上がらないからな。
時おり点検して弦を少しずつ巻き取り、皮に徐々に圧力をかけていき、
新たな弦を張る時はそれらを若干緩めてから臨むようにすると結果的に負担を最適にできる。


って感じかな、別に信じたくない人は結構ですよー自力でやったんさい。

ただ貴方こんどの土日に家族でのこのこキャンプ行くんでしょ、
テント張って、火おこして、弦を30本替えることになるわけじゃんか。
モタモタまごついて弦こんがらがしてタハタハ笑って誤魔化して、
パパかっこわるーい、おなかすいたー、もう帰りたーいと長女にも次女にも罵られ、
威厳ガタ落ちになっていいのか、という話なんですよ。

大権現ピ助坊狸さまのご忠告も時には悪くないはずだ。


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弦の1本、皮の1枚、骨パーツ1粒にさえ、先人の智慧あり。
インド楽器道は七代の生まれ変わりを経て漸く成就すると伝えられます。

その意味では、なべて楽器という営為は、演奏者・紹介者というだけでは半可通だ。
自身で修理でき製造できて漸く、謳うべき歌を奏で得て、物語を伝え得るというもの。
だのに多くの奏者や紹介者はさ~も1人で神秘に到達なすったかの如くオレガオレガと振る舞いて、
職人ごときはせいぜい目立たず余の欲望に従い尽くして余を満足させよってか?

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ま、各々のビジョンをもって頑張りゃいいが、俺の場合はこの日本国という、
色々面倒だけど不思議な島に産まれた幸運を大切に、此処でこそ叶う本質を見つめ続けたい。
それがいつしか民族楽器の未来の潮流にも繋がっていくと信じています。
古き習わし・舶来の発想・当方で少々できますことをブレンドしながら、
作り、使い、考え、また次の世代へ。

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俺の生まれ持った背骨はやっぱりそこかなと思うんだ、
「上手くなりたい」「認められたい」「有名になりたい」「モテたい」といった、
丸出しの我欲とはまるくそ別次元に在る。或いは海外文化を安易に取り込み、
「日本人離れ」して「普通と違う自分」を装うなど小さなことだし、
「調査」「理解」「紹介」だって他所様の為す事にばかりの執心なわけで、
そういうアンタ空っぽやん?と問われれば黙らざるを得ぬ。かといって、
「熟練の伝統、格式の美」に溺れて身動きのとれない中堅古参に凝り固まっていくのもご勘弁だ。

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で、楽しんでもらえればお役に立てればと少々事を致しゃ「芸術家気取りの才能自慢野郎」と言われ、
「お人好しなのにお金取るの? 意地悪。偉そう。二面性がある」と言われっはっはっはっは、
参っちゃうよな何やったってそんなもんよもん。

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少なくとも背骨1本持っとけばまず出るこたねぇね、最近よく聞く、
「外国人にニッポン褒めさせて自画自賛テレビ番組が気持ち悪い恥ずかしい」なんて台詞。
そんな不満かしら、凄い技術だな素晴らしい魂だな知らなかったな~っていちいち感心しちゃうけど。
第一、褒められている凄い日本人と、文句言って斜に構えとる誰ぞやは、同列ではないじゃんか。


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恥ずべき愚かな国であってくれねば自身の恥ずかしさ愚かさが報われんから、
いいとこだけ同列視して難癖つけて優位に立ちたがるけれどもそれもまた叶わぬもんで、
とうとう自己欺瞞、願望とご都合の妄想を信じて日本を呪って正義感を代償するという、
これだけ自国の誇りを削がれた精神構造っちゅうのはよほど戦後教育の…

…アフメド君もそう思うよな。





って誰。お前が妄想じゃいっていう、まあいいやちょっと待ってけろ。

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こらっ、今宵こそは神秘珍々サーランギーの話題のみと申し候。
諸君らキッズが邪魔ッコなさるゆえ話があちこちこんがらがりよる。
おかげで作業もろくすっぽ進まんじゃんかいやあ。

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共鳴弦っちゅうのは張るったらキリつくまでワーッと面倒みんと終わらんのぞ。








    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。