えーといま次回用の記事、サーランギーの音の出し方について書いてるんですが、
その前に予定に無かった1本を取り急ぎ挟むことにしました。
前回記事の『ズートピア』感想に関してご意見を頂戴しましたのと、
【ズートピア 羊】
【ズートピア 羊 悪い】
【ズートピア 羊 ヴィランズ】
【きつね ズートピア 抱かれたい】
【エロ ジュディ ズートピア メス】
【エロ ズートピア ボゴ署長】
【ケモナー 危険人物】
【交尾 人 馬】
【モツコリ図鑑】
などの検索ワードでずいぶん沢山の方が当ウェブログにお越しのようなので、
こりはちゃんとお応えしなければ申し訳ないと思い至りました次第です。
【交尾 人 馬】はわかるんだけど【モツコリ図鑑】って何?
驚いたな、こんな僻地にまでズートピア旋風が吹き込んできてる。
我らケモノ趣味者のマズル礼賛に時代がようやく追い付いたようだ、ぬはは。
しかしそんなにみんなベルウェザー副市長を好きか。( yeah=!! )
そんなにか。( yeah=!! )
そんなにもか。( yeah=!! )
…しょうがねえな、ちょっとだけよ。
住民税滞納者督促リストの整理が終わったらァ…
今夜は見せて… あなたの野蛮な “バイオロジー”♪
映画館より病院に行った方がいいんじゃねえのか。
くれぐれも、言っておくが、俺は大好きだ。
少し歯並びがよくないところがまた可愛かった。
アードマン社の羊を可愛いと思えない私の性癖に拍車をかけたと申しても過言ではない。
ひつじのショーンは鼻が違うんだよ、ありゃ羊の鼻じゃねえだよ、
だからよけい憎たらしいだよ、腹立つわいや〜。
そこがまたよいとも言えなかないけど…
じゃお便りから。
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>(中略) 悪人はいないです だれもが持ってる差別がテーマなので
市長にいじめられた副市長さんのきもちがわかったし◞‸◟
えろくなかったですよ笑笑 ======================================
ありがとうござる。優しいなあ… 罪を憎んで人を憎まず。
一番好きなディズニーのキャラクターすか、 そうさなそらやっぱし、
『ピノキオ』の正直ジョンことファウルフェローと相方のバカ担当ギデオン。
ニックが幼少から苦しんできたのはあいつらのせいでもあるのだ。
コスプレ準備がんばってくださいね。
余談ですが当ブログの屋号「サーランピー」はインドの楽器サーランギーと、
僕の芸名ピースケに由来するのですが、実は『ピノキオ』劇中のトラウマシーン、
ロバになる不良少年ランピー(ランプウィック)君にもちなんだトリプル・ミーニング。
真面目に音楽を頑張らないと俺みたいな妖怪クソ狸になるぞという戒めを子供たちに。
さてさて、『ズートピア』の副市長について考えます。
最初はブランド王ロイヤルの社長かと思ったものだけど(完全に一致)、
なんとも愛らしくお茶目なヒツジのオバちゃんでしたねー。
みんな可愛い可愛い言ってっけどあの羊けっこうオバちゃんだろ、ニックより少し上?
オバちゃんなんだけど、キュートでそそるオバちゃんでした。
確かにああいう結末はなんだか心残り。同情を誘います。
でもやっぱしズブズブのヴィラン担当だわよあのヒツジ女は!
「クソ市長のせいで暗黒面が顔をのぞかせただけで根っからの悪人じゃない」、
「ほんとはいいコのはず」と惜しむのはちょっと勿体ないし危ういとも思う。
あのキャラクターが作品におけるどれほど重要な役どころを担っているのか、
ついてはあのキャラが誰に何をどのように仕組んだのかについてを、
鑑賞者はもっと噛み締めてやらないと彼女も熱演のし甲斐がないんじゃないかしら。
サラッと観て「もふもふ!感動!みんな表と裏!差別ダメ!」じゃなくて。
ということで先日、確認のために2回目(吹替版)を観てきました。
特に市長と副市長の関係性を私は1回の観覧ではきちんと把握できなかったから。
そうして確認できた羊ポイントを「3つの顔」にまとめ、
こんなブログに辿り着いてしまったズートピアファンの皆様に野暮ながら捧げます。
あらすじ説明じゃなくてもう1歩突っ込んだ話です。
ディズニーヴィランズ愛好のご参考にしてくださいますと幸いでござんす。
ネタバレ上等。本作は繰り返し観ても楽しい仕掛けをたくさん用意してくれている。
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【 顔1】悪役商会としてのベルウェザー
まずアメリカの娯楽作品というのには得てして独特のジャスティス精神というか、
こいつがワル、だからワルを倒す、の筋書きが無いと納得いかんのだろう傾向があり、
観る限り『ズートピア』もこの美学上から外れない仕上がりのようでした。
これはエピソードを性善説で捉える習慣があると却って腑に落ちない感覚かもしれない。
単に「誰もが誰かしらを蔑視しているものだ」を炙り出すに留まっていては、
焦点がぼやけ、大衆の不満を呼ぶのは必至。だから誰かに貧乏クジ引かせる。
なにせかの国じゃ『となりのトトロ』を満足できないんだそうだから。
そもそもベルウェザーという名の響きが既に「羊野ボス子」の意図を示していて、
鋭い人なら作品紹介(と髪型)の段階でコイツがやらかすと感づいちゃいますからな。
あのミニ羊はそのくらい最初から闇を背負わされてる。…諸先輩方のように。
「捕まって刑務所にブチ込まれる」という流れもアメリカが好みそうなオチです。
ヴィランズ側のファンだって本国内外に多いはずなのに、
『マレフィセント』(2014)のように悪役にスポットが当たるのはわりあい稀。
どうしてそんなEVILになったかを描くスピンオフ的作品はなかなか撮ってくれません。
だから基本的に観客は、気になる悪役の悲しき人生を想像で補うより他ない。
ズートピアの続編にベルウェザーも再登場となれば、
よっぽど改心してくるか、なおのこと悪に徹するか、どっちかだろう。
徒党を率いての『ズートピア2 〜 復讐のベルウェザー 〜』みたいなもんだとしたら、
きっとその最期は、稲妻に打たれるとか崖から墜落するといった分かりやすい形だな。
巨大な野獣に飲まれるとか、飛行石の滅びの閃光で目が潰れるとかね。
俺は「ズタボロにやられて3人乗り自転車でみじめにエッサホイサ帰る」がいいと思う。
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【 顔2 】策士としてのベルウェザー
ライオンハート市長を策略にハメるに至った動機は想像しやすいながら、
ハメた経緯と経過については劇中で殆ど語られていないことを確認してきました。
ポイントになるはずのそこ見逃しちゃったっけ?! と血眼で2回目を観てきたけれど、
たぶん意図的に示さねえんでやがる。ご想像にお任せしますというやつか?
まいったなあ、そこがミステリアスであり難点でもある。
しかしあのヒツジ女がかなりの演技派な策士であることは明らかです。
「がんばって仕事をしてきたかよわい地味メガネちゃんが、
追いつめられて悪さをするしかなかったんだもん」とお考えでしょ。
い〜〜や〜〜、いやいやいや、よくよく整理すると見えてきますよ、
展開が早すぎるからザーッと観てると着いてけない。
まずジュディ&ニックも鑑賞者もいきなり知ることになったじゃないの、
“(ここに失踪者を隠してたのね…えっどうして市長が?! )” の場面。
現場を押さえて初めて、事件にライオン市長が絡んでいた疑惑を掴むわけ。
ライオン自身は、表向きにはズートピア市の平穏の維持のためと唱えつつ、
捕食派ひいては自分への悪評の広がりと、獲得票=地位への影響を怯えるあまり、
市民の凶暴化現象が公になる前にオオカミ団に隔離させて内々に隠蔽、
引き延ばしている間、凶暴化の原因を博士に早く突き止めさせようと焦っていた。
わざわざ自ら「午後の予定はキャンセル」して出向くまでに。
↑であるならば、警察やマスコミに知られるよりもずっと早く、
次々起こる謎を市長(と身内)だけが事前に承知していないと話がおかしい。
なんだと。隠さないと我が身も危ない。止むを得ん、奴らに頼んで秘密裏に…
でしょ、そこなのよ。そこが最初よくわかんなかった。
凶暴化の一報をライオン市長はどのように先行キャッチしたか?が疑問だったの。
ゲッそりゃまずい、隠せ、隠し続けろ…と対応を焦ったきっかけのシーンが無い。
だって描いたら驚きが無くなるし、劇はジュディとニックの活躍を追って進むので、
そこを華麗にスッ飛ばしてる。
あっ! 副市長が市長を追いかけて市長室の前で書類の山をぶちまけるシーンがあったな。
前後の会話に何かヒントあったかも… うーむ失念。
むろん側近のアイツの工作には違いないのですが、
しかし副市長本人が被害状況をペラペラ喋ってしまうようなことはないとみた。
…なぜそんな大事をお前がまず知っている? と訊き返されてアウトだろ。
ですからそこは何らかの行動?によって市長の耳に入れたと想像するしかない。
羊が自作自演=マッチポンプ常習の工作団体であることは劇中によく表れているし、
裏工作は工作員に担わせ、ボス自身は関わった証拠を残さぬよう行動していますから。
市長の「隠す」という判断と展開を副市長が予め想定していたか否かも不明ですが、
どちらにせよテロの結果を綺麗に隠蔽処理されては羊団もテロを起こす意味が無い。
事件をもっと騒いでもらう必要が生じるわけです。
行方不明者を手分けして追っていたボゴ署長率いる捜査網のもとに、
被害者の1人、カワウソのオッタートンさんの奥様がすがるも、
「奥さん、刑事たちは手一杯で…」とつれない対応。
そこへわざわざ現れてキャピった副市長はいったい何ですか。
「ホップス巡査が捜査を?! 市長も喜んでくださるゥ♪」
副市長は失踪の真相を当然知っているはずで(だって事件の首謀者だから)、
にもかかわらずカマトトぶり、困る署長をよそに勇んで市長に報告してしまう。
こうすることで、
ライオン市長の隠し事を期待の新人ジュディに暴かせるプロットが成立します。
みごと解決すれば草食派ホップス巡査の株が上がり、
市長が焦るのを知っていて、わざとそれを促すのです。
平等、市の誇り! などとほざいて自分をコキ使ってくる上司への当てつけにもなる。
ベルウェザーがジュディにいやに協力的に接した、これが理由のひとつ。
つまりあの羊メガネは、
誇り高き我ら白ヒツジ党がテロを仕込み、
↓
広まりを恐れ怯えた市長が状況を隠すのなら、
↓
いま期待の新人巡査に暴かせれば、
↓
犯行の濡れ衣を市長に着せることに繋がり、
↓
市長は失職、次点の私がいよいよトップに。吠えヅラかくなよライオナラ…
↓
ジュディは広告塔に使えるな。
↓
テロを仕込めば仕込むほど、
↓
肉食派は立場が狭くなり、
↓
社会はヒツジを頂点とする楽園となるのだンゥフフ♪
といった予見的・対応的プランを構築できる悪知恵の持ち主としか考えられません。
小ちゃな身体で野望丸出し。びらんびらんのヴィランじゃないか。
他者をいいように利用し貶める謀略をこれだけこなせて、
本当に、本当はいいコ? かわいそう?
しかしインテリジェントな女性はセクシーでもある。
女囚っていうところもまた、ね。
刑期を終えたらウチで働かないかな…じゃなかった、
その能力を市政の平穏に使ってもらいたかったものだ。
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【 顔3 】ジュディの好敵手としてのベルウェザー
うさこ主人公ジュディ・ホップス巡査はちょうど対称的な存在でした。が、
兎と羊の危うい関係に不思議と皆さんお気づきでないご様子で、あり〜?と思ってた。
えーだってそこオイシイとこじゃんー、大親友になれたかもしれないのに。
タイニーでキュートな見かけにはよらない優秀な職能を自負し、
「表面的な所でなく私の能力を認めて評価して」と願ってやまない2人。
ジュディは頑張り、ベルウェザーもあれはあれで頑張ってました。
でも障壁の乗り越え方・目標への努力のしかたはまるきり正反対。
ジュディは逆境なにくそとばかりに自力でつかみ取りに行くタイプで、
その過程で与えられる数多くの助力を糧にますます飛躍していく。
ベルウェザーは自分では極力手を出さず他者を誘導して好機を待つタイプで、
その過程で払われる数多くの犠牲をいとわずますます暗躍していく。
必要以上にジュディをチヤホヤ取り扱うベルウェザーの本心は、
この視点からも如実に透けて見えました。
一方のジュディは状況を堅実にモノにしていきましたね。
北方のヤクザが味方についたのも大きかった。
それに… 内心、ベルウェザーは癪(しゃく)に障ってたろうよ、
目をかけてきた期待の同志がなんだか余計なイケメン狐(敵)を連れ歩いてることを。
なにせあれだけのお喋り羊がニックにはまともに口きいてないからな。
大切な前髪をクシャクシャになぶられてもスルー。
あの “ 徹底的な距離感 ” の設定に気がついた時は少々驚きました。
そして迎えるクライマックスで両者が現した、
ライバルの窮地に勝ち誇る顔つきといったら。
あれは単なる逮捕劇にはとどまらない、
女の生きざまを賭けた騙し合いだったと私は捉えています。
♪ I need KILL you.... That's the only way to get you out of my head....
でだ、
そんな2名がセットのフィギュアというのは一体なんなんですかねと問いたい。
ディズニー ズートピア なかよしコレクション ジュディ・ホップスセット
- 出版社/メーカー: タカラトミー(TAKARA TOMY)
- 発売日: 2016/03/31
- メディア: おもちゃ&ホビー
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でもそれじゃ完結してしまい他が売れないだろうからってこの抱き合わせ。
生死を分かつ勝負を経た女同士を「なかよしコレクション」とは皮肉もいいところ。
キャットファイトごっこでもして遊べというのか? 本場はさすがだな。
でもまあ、シンプルでなかなか可愛いブリスターパッ……ッ……おや??
やれやれブラザー見てくれよ、じつにこの扱い。
あっはっはっは、「ひつじ」!
せめて名前で呼んだれや、キャラクター商品でしょうに。
同情するよ、あんたやっぱし報われない。ひねくれるのも当然だ。
【 総 括 】
上記は深読みや根拠なき想像ではなく、劇中や傾向からじゅうぶん読み取れる要素です。
あとの楽しみは二次創作を愛する皆さんの妄想しだい。
構成自体はお馴染みの火曜サスペンス劇場の展開とそう変わりません。
火曜サスペンスだったら犯行動機=報われぬ過去をもっと丁寧になぞったはず。
敢えて描いてないのが謎を呼びますね。「2」への伏線か?
それでもなお本作がこれだけの観客を惹き付けたのは、まずテンポの良さと、
やはり動物たちの持ち味、可愛らしさユニークさと、ギャップの意外性に他なりません。
観終わってからもあれこれと考えてしまうタネをたくさん植えてくれている。
太古に追う追われる死闘をしていた動物の子孫が今や高度な文明社会を持ち、
かつての野蛮を捨てて平和に平等にやっていきましょうと美しい理想を掲げながら、
結局、各自の能力を生かした知恵競べ=生存競争を相変わらずやってますという風景は、
我々ヒト(=ハダカブタザル)にとっても痛い風刺ですね。
配られたカードで勝負するしかないとはスヌーピーの言でしたっけ。
月並みも甚だしい感想ですが、
人間の在り方をも考えさせるデジタル鳥獣戯画の極みを魅せてくれた、
ここ最近のディズニー関連でピカイチの作品でした。
畜生、DVD出たら間違いなく買うことになるわ。
…もちろん海賊版をな、イタチの露天商から。
〜〜〜〜〜〜〜《2018年7月4日追記》〜〜〜〜〜〜〜〜
この記事ばっかし想定外のクソ多数アクセスありがとうございます。
アップから2年が経ちます現在未だにご高閲賜っておりますうえ、
『ズートピア』がテレビ地上波で放映されたのをきっかけに、
さらなるクソ多数アクセスが殺到しております。ええかげんにせえよっ!
ついでにもう1本書きましたんでご覧くださいませ。
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2018.7.4【再びズートピアファン対応】ドSメガネ羊熟女ベルウェザー副市長の黒いガーターといやらしい舌使いで学ぶ5つの英会話
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なんでもあの羊、エロい下着を着てるのだそうです。
知ったことかっての! ましてオバハンの!!