えーとごめん近代史は次にするわ。
先にアレを書いとかないと後々の話ができない。
サーランギーを心の底から気持ちをこめて演奏するには、
以下のような心がけが必要です。
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【侮】
遠き世界への憧れにのぼせるあまり、
足元の花を踏みにじってはいないか常に想像すること。
…「しかしインドでは」と食い下がる人は、そこまでの人。
日本で何ができるかを研究することも大切です。
【依】
自分が今どんな位置に立っているかを常に想像して、
もう一歩、自分の力で進んでみようと考えること。
…手取り足取り案内してもらえると思ったら大間違い。
自力で試すということをサーランギーは許します。
【力】
どの箇所に、どんな向きに、どういう力が働いて、
どうして壊れ、どうすれば直るか、常に想像すること。
…サーランギーは建築です。力学の勉強をしましょう。
【屠】
部品ひとつひとつがどんな物から作られていて、
元々どのようにして得られたものかを常に想像し、
感謝の念を忘れないこと。
…サーランギ製作風景ではありませんが。ビスミッラー。
【偏】
この道具に対する様々な考え方を常に想像すること。
…サーランギーには報われぬ歴史もあります。
これを留意し、今度は我々がどんな未来を描くか考えましょう。
【滅】
いくら愛し、いくら熟達しても、どうせ死ぬ。
…受け継いでいく人のことを考えましょう。
自分さえ良ければ構わないというのでは取扱者失格です。
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この時点で「チッめんどくせ」と感じてしまうようでは、
せっかくサーランギー買っても遠からずインテリアかな。
おかげさまで日本の古物市場にゴロゴロ死んでる状態。
というのも、
サーランギーは他の楽器に比べて非常に不安定であり、
上記のような問題に直面することが茶飯事で、ある種の愛憎を要します。
長く取り組んでいる人は多かれ少なかれそうした体験をしているものです。
次回こそ、サーランギーの近代史の話をします。