千葉県立中央博物館分館・海の博物館さま、
ならびに等脚目ブログ「だんだんダンゴムシ」さまの情報を頼りに、
千葉は外房に注ぐ夷隅川(いすみがわ)河口の穴掘りコツブムシ調査へ出掛けて参った。
ついでに外房の生き物施設を幾つか見学し、
帰りは内房周りで金谷からフェリーに乗り神奈川方面へ逃げる南房総ぐるり旅。
移動は電車だったが、なんとまぁ〜、ド田舎!!
1時間1本だし運賃はやたら高ぇし乗客少ねえし、
改札は勝手にしやがれ方式(各自で乗車証明書を取り、着駅で後払い)だし。
あっ… ごめんなさい、ド田舎なんて言ってしまって申し訳ない。
のどかな、静かな、懐かしい郷里を、口汚い言葉で罵るべきではありませんでした。
申し訳ございませんでした。以後充分に注意します。
なにせクソ田舎だったものですから、
否が応でもクソ田舎の魅力を存分に味わわせて戴く羽目になり、
開き直ってクソ田舎の小さな旅情を楽しませて戴きました次第です。
おかげさまでゆっくりできました。
次の電車まであんまりやる事なくて、ありんこの仕事ぶりを1時間眺めてたからね。
働いているふりをしている奴がいるんだよ。
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夷隅川の河口は南北に細く広がるようにラグーン化しており、
ここのヨシ原の泥溜まりに散在する岩や流木からコツブありとの噂なんだけど、
駅からラグーンに辿り着く手前の川っぺりにさっそくヨシ原を見かけたので、
ああ、あそこ絶対いるなと入ってみたら、
あれ。くっそ、全然いねえんでやがる。
コツブがやらかしたと思われる食痕だけはそこかしこにあるのだ。
掘り方がフナクイムシ(貝類)とは異なる。
いたっ!! と目を見張っても、実際いるのは掘らないイソコツブムシの仲間ばかり。
食痕は過去のものだな。グニュ〜。早々に引き上げる。
ラグーンに直行してもよかったけれど、せっかく外房に来たので駅に戻り、
コツブ生息情報元の海の博物館へ。夕方に閉館しちゃうから。
ここで主任上席研究員の奥野淳兒先生にお目にかかり、
コツブの潜伏先に関する大ヒントを授かった。そ、そんな所にっ!?
あっ、知らなかった。
海中公園の展望塔って海の博物館のすぐ隣なのね。
なんだか入場料が割高だったが、ちらりほらりと野生の魚を拝見し、
うんまあこれはこれで…と思ったら餌付けしとんのかい。
スゴ〜イお魚いっぱ〜い度は天候によって偏るんだろうな。
こりで930円すわ。すわ!
おっ、オオゲジ。美しい。何度逢っても美しい生物だ。けしかけろ!
…気が付くとすっかり夜に。知らない町でひとりぼっちの淋しんぼうになったボクちゃん。
怖くて泣いちゃうのをグッとこらえ、急遽、蘇我のシャワー付きネットカフェに飛び込み、
映画「パンズ・ラビリンス」を寝っころ観ながらナイトパック。
空想と現実との間に彷徨う少女の物語。何度観ても素晴らしく重たい作品だ。
小保方さんはぜひ観るといいよ。今こそ何回も観るといい。
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翌早朝ラグーンに。噂のコツブ潜伏スポットに行ってみた。
うはぁ〜なるほど。こんな所かいや。きったねえし危険だなこりゃ。
近所のドブ川探検に入って落ちて泣いた幼少の思い出が脳裏をよぎります。
しかしアシハラガニやフナムシが密にうろついている。
これは予感がする。ウェーダー履き、意を決して突入してみると…
おお、おお、おおっ!! いたいた。あなた達に逢いに来たのだ。
クソ時間とクソ電車賃かけて成果ゼロじゃ帰れねえもんな。
いくつか岩を割ってみると、やはりケツの尖ったコツブムシばっかり出る。
ということはケツの丸いヨツバコツブムシ S. retrolaevis ではなく、
イワホリコツブムシ S. wadai か近似種と思われます。
しっぽのヒレ(尾肢外肢)のギザは両種とも4枚刃なので同定の決め手になりません。
俺は S. wadai でもない種類だと考えてるけどね。暫定イワホリってことで。
なお同地の腐った流木にも巣穴が確認されたけれど、
中にいたのは不思議と死骸ばかりであったことを追記しておきます。
岩にいた個体は元気なんだけど。どういうことかなあ、代替わり時期かしら。
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さあ帰ろう。タケヤ化学の果実酒びんにコツブを岩ごと収納し、
内房線回りで帰ることにし、つきましては鴨川で途中下車してシーワールド。
まあ黄金週間だから仕方ないけど、人間だらけで落ち着いて観ておれぬ。
どうしても気になるのは、はしゃぐ子供たちはそういうものだから仕方ないとして、
まるで注意するでもない躾けするでもない、最低限の指導をしようとしない親御さん方だ。
入らないでくださいと注意書きのある所には入らないよう促すべきだし、
調子に乗って水槽をドッガドッガ叩くのはやめさせるべきです。
これは他者の迷惑を考える想像力なく育てられてしまった親御さん自身の由縁で、一種の世代連鎖です。
他者の生命の在り方を学び大切に思うことが生物展示場を見学する命題であり、
綺麗な魚を我が物顔でワーワー眺め散らすだけならば、そもそもこういう施設に来る意味がありません。
その場の誰もが目に余る場面では俺が代わりにビシッと叱ったりしてきたのですけれど、
言ってもポカンとする親、言われて逆ギレするだけの親が相当多いことを当方も学びましたので、
最近はお母さんに直接このように申し上げる事で注意を促しています。
「最近は物騒だから、ガキうるせーぞッ!! って、変な奴にアイスピックで刺し殺されちゃいますよ」
愛する身内の実害に思い及んでようやく気をつけるんでしょうね。
もうひとつ気が付いたのは、まぁ〜皆さん日本の里の特設展示には見向きもしねえのな。
そんな普通でつまんないの見るために水族館に来たんじゃないモ〜ンと言わんばかりだ。
まさにこういう展示こそ、パパが子供を引き連れて見せてやり、
パパも小さい頃は田んぼや小川でナ…こんど行くか? と語る良材になるはずなのです。
でも最近のパパったら「うへえ。虫、こわあい。ヌルヌル、いやだあ」だもんな。
遠くの珍奇にばかり目を奪われて足元の魅力に気が付かない、こういう考え方がこじれて、
穴掘りコツブムシにも古道具屋のサーランギーにも関心を持てない人間に育つわけですのう。
実にけしからんですのう。いざ前面に出しゃさも最初から最愛のツラこいて飛びつくんだからなっ。
帰りは浜金谷の船着き場で核兵器7発搭載の原子力駆動フェリー「神風」に乗りこみ、
田母神幕僚長と肩を組んでラバウル小唄を絶唱しながら横須賀の米海軍基地に帰港致しました。
港のバーでは青山繁晴社長とオールナイトで国防談話を…
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うそだよ。ほら、ワールドミュージック界隈ってこぞってアッチ寄りでいらっしゃるから、
一人くらいコッチ寄りでもいいかなと思って。日本国が好きでな〜にが悪いんだよ。
さて次回よりぼちぼちサーランギーの取り扱い講座の連載を始めたいと思います。
いろいろ考え、思うところあっての始動でございます。
プロローグの段階から脱落者続出の予想っ!! どうぞお楽しみに。