◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
★ 1記事内1主題の場合と、1記事上に短文加筆を重ねる【近業掬イ】(きんぎょうすくい)の場合がある。繁忙時はどうしても後者です。
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ぐるり南房総クソムシまみれ旅


千葉県立中央博物館分館・海の博物館さま、
ならびに等脚目ブログ「だんだんダンゴムシ」さまの情報を頼りに、
千葉は外房に注ぐ夷隅川(いすみがわ)河口の穴掘りコツブムシ調査へ出掛けて参った。

ついでに外房の生き物施設を幾つか見学し、
帰りは内房周りで金谷からフェリーに乗り神奈川方面へ逃げる南房総ぐるり旅。

移動は電車だったが、なんとまぁ〜、ド田舎!!
1時間1本だし運賃はやたら高ぇし乗客少ねえし、
改札は勝手にしやがれ方式(各自で乗車証明書を取り、着駅で後払い)だし。

あっ… ごめんなさい、ド田舎なんて言ってしまって申し訳ない。
のどかな、静かな、懐かしい郷里を、口汚い言葉で罵るべきではありませんでした。
申し訳ございませんでした。以後充分に注意します。



なにせクソ田舎だったものですから、
否が応でもクソ田舎の魅力を存分に味わわせて戴く羽目になり、
開き直ってクソ田舎の小さな旅情を楽しませて戴きました次第です。
おかげさまでゆっくりできました。

次の電車まであんまりやる事なくて、ありんこの仕事ぶりを1時間眺めてたからね。

働いているふりをしている奴がいるんだよ。


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夷隅川の河口は南北に細く広がるようにラグーン化しており、
ここのヨシ原の泥溜まりに散在する岩や流木からコツブありとの噂なんだけど、
駅からラグーンに辿り着く手前の川っぺりにさっそくヨシ原を見かけたので、
ああ、あそこ絶対いるなと入ってみたら、

あれ。くっそ、全然いねえんでやがる。
コツブがやらかしたと思われる食痕だけはそこかしこにあるのだ。
掘り方がフナクイムシ(貝類)とは異なる。

いたっ!! と目を見張っても、実際いるのは掘らないイソコツブムシの仲間ばかり。
食痕は過去のものだな。グニュ〜。早々に引き上げる。


ラグーンに直行してもよかったけれど、せっかく外房に来たので駅に戻り、
コツブ生息情報元の海の博物館へ。夕方に閉館しちゃうから。

ここで主任上席研究員の奥野淳兒先生にお目にかかり、
コツブの潜伏先に関する大ヒントを授かった。そ、そんな所にっ!?



あっ、知らなかった。

海中公園の展望塔って海の博物館のすぐ隣なのね。
なんだか入場料が割高だったが、ちらりほらりと野生の魚を拝見し、

うんまあこれはこれで…と思ったら餌付けしとんのかい。
スゴ〜イお魚いっぱ〜い度は天候によって偏るんだろうな。
こりで930円すわ。すわ!

おっ、オオゲジ。美しい。何度逢っても美しい生物だ。けしかけろ!


…気が付くとすっかり夜に。知らない町でひとりぼっちの淋しんぼうになったボクちゃん。
怖くて泣いちゃうのをグッとこらえ、急遽、蘇我のシャワー付きネットカフェに飛び込み、
映画「パンズ・ラビリンス」を寝っころ観ながらナイトパック。
空想と現実との間に彷徨う少女の物語。何度観ても素晴らしく重たい作品だ。
小保方さんはぜひ観るといいよ。今こそ何回も観るといい。



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翌早朝ラグーンに。噂のコツブ潜伏スポットに行ってみた。

うはぁ〜なるほど。こんな所かいや。きったねえし危険だなこりゃ。

近所のドブ川探検に入って落ちて泣いた幼少の思い出が脳裏をよぎります。
しかしアシハラガニやフナムシが密にうろついている。
これは予感がする。ウェーダー履き、意を決して突入してみると…


おお、おお、おおっ!! いたいた。あなた達に逢いに来たのだ。
クソ時間とクソ電車賃かけて成果ゼロじゃ帰れねえもんな。


いくつか岩を割ってみると、やはりケツの尖ったコツブムシばっかり出る。
ということはケツの丸いヨツバコツブムシ S. retrolaevis ではなく、
イワホリコツブムシ S. wadai か近似種
と思われます。
しっぽのヒレ(尾肢外肢)のギザは両種とも4枚刃なので同定の決め手になりません。
俺は S. wadai でもない種類だと考えてるけどね。暫定イワホリってことで。

なお同地の腐った流木にも巣穴が確認されたけれど、
中にいたのは不思議と死骸ばかりであったことを追記しておきます。
岩にいた個体は元気なんだけど。どういうことかなあ、代替わり時期かしら。


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さあ帰ろう。タケヤ化学の果実酒びんにコツブを岩ごと収納し、
内房線回りで帰ることにし、つきましては鴨川で途中下車してシーワールド

まあ黄金週間だから仕方ないけど、人間だらけで落ち着いて観ておれぬ。
どうしても気になるのは、はしゃぐ子供たちはそういうものだから仕方ないとして、
まるで注意するでもない躾けするでもない、最低限の指導をしようとしない親御さん方だ。
入らないでくださいと注意書きのある所には入らないよう促すべきだし、
調子に乗って水槽をドッガドッガ叩くのはやめさせるべきです。


 ▲立ち入り禁止の展示物に平気で

これは他者の迷惑を考える想像力なく育てられてしまった親御さん自身の由縁で、一種の世代連鎖です。
他者の生命の在り方を学び大切に思うことが生物展示場を見学する命題であり、
綺麗な魚を我が物顔でワーワー眺め散らすだけならば、そもそもこういう施設に来る意味がありません。

その場の誰もが目に余る場面では俺が代わりにビシッと叱ったりしてきたのですけれど、
言ってもポカンとする親、言われて逆ギレするだけの親が相当多いことを当方も学びましたので、
最近はお母さんに直接このように申し上げる事で注意を促しています。
「最近は物騒だから、ガキうるせーぞッ!! って、変な奴にアイスピックで刺し殺されちゃいますよ」
愛する身内の実害に思い及んでようやく気をつけるんでしょうね。


もうひとつ気が付いたのは、まぁ〜皆さん日本の里の特設展示には見向きもしねえのな。
そんな普通でつまんないの見るために水族館に来たんじゃないモ〜ンと言わんばかりだ。

まさにこういう展示こそ、パパが子供を引き連れて見せてやり、
パパも小さい頃は田んぼや小川でナ…こんど行くか? と語る良材になるはずなのです。
でも最近のパパったら「うへえ。虫、こわあい。ヌルヌル、いやだあ」だもんな。

遠くの珍奇にばかり目を奪われて足元の魅力に気が付かない、こういう考え方がこじれて、
穴掘りコツブムシにも古道具屋のサーランギーにも関心を持てない人間に育つわけですのう。
実にけしからんですのう。いざ前面に出しゃさも最初から最愛のツラこいて飛びつくんだからなっ。



帰りは浜金谷の船着き場で核兵器7発搭載の原子力駆動フェリー「神風」に乗りこみ、
田母神幕僚長と肩を組んでラバウル小唄を絶唱しながら横須賀の米海軍基地に帰港致しました。
港のバーでは青山繁晴社長とオールナイトで国防談話を…


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うそだよ。ほら、ワールドミュージック界隈ってこぞってアッチ寄りでいらっしゃるから、
一人くらいコッチ寄りでもいいかなと思って。日本国が好きでな〜にが悪いんだよ。

さて次回よりぼちぼちサーランギーの取り扱い講座の連載を始めたいと思います。

いろいろ考え、思うところあっての始動でございます。
プロローグの段階から脱落者続出の予想っ!! どうぞお楽しみに。










    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。