ええ、わかっています。
ようけ、わかっています。
しかし今度の遠征は五輪なんぞの遥か古代より継続中の研究過程にして、
いつでも叶うぶらり旅や、久方ぶりの再会帰省とは、ワケが違うのです。
要であり、急であり、俺がやらぬば誰もせん、決死の大仕事であります。
つきましてはマスクの常着と頻繁な交換、日頃から強迫性ぎみの手洗いに加え、
消毒用エタノール500ml・エタノール含有ウェットティッシュ・
薬用石鹸・イソジンうがい薬を必携、宿では塩緑茶鼻うがいをザブザブ。
ちょっと休憩の合間にもMy体温計でチェックし36.5度前後キープを確認、と…
これで罹ったんならもう本望よの度胸で防疫に取り組みつつ、
大洗→苫小牧を経て→北海道は釧路市へ取材に行って帰って参りました。
うるせい。仕事です、仕事。
目的は道東沿岸域に生息するプチ等脚目甲殻類のスポット調査、
ならびに昨今の水産業・観光業・公共芸術の盛衰を学び直す単独行。
おかげさまで予定を円滑にこなせ、思いがけない成果も得られ、
新しい造形のヒントまで授かって、行って大正解でした。
…自粛しろ? すまんのう、すまんのう。
私はもともと社会に対して律儀に筋を通したい性格ながら、
思い至るところを胸に抱えた末、ときに翻った行動をとることもあります。
実際、至る町で閉店休業や出入りお断りの処が多かったですが、
こんな時勢でもウチは元気に参ります!お気をつけてお越しを!のスタンスこそ、
こちら側もマナーに則った行動で応援したいではありませんか、怯え上がるばかりでなく。
誰もがどのみちいずれ死ぬのだし、問題のビールスはむしろ知らぬ間に少々戴いて、
体内に風邪の人相覚え書き(獲得免疫といいます)を作っておきたいくらいです。
ああ、そういえばいつだか当ブログで「今こそ疫学を」と申しましたっけね。
マスク・手洗い・できるなら鼻うがいが、公衆衛生のうえで重要よとも申しました。
かつ、事象をどう捉えるかの問題でもあるんですよね。
どうすれば自分は病気にならない?死なない?の渇望はエゴイズムの所以だが、
疫学というのはより社会学的に、いわば羊の群れが病をどう伝播し回るか?を俯瞰視する学問。
悪く言い換えれば、死にたくない恐怖に打ち震える羊の群れをうまいこと利用して、
社会をどう都合よく動かすか?という為政の学問でもあるのですよ。
それを近年よく表現してみせたのが当ブログではもうしつこいほどにお馴染み、
「ズートピア」の元暫定市長ベルウェザーおばさんでした。
狂薬のスナイプによる民の分断、次に訪れる優劣闘争社会の構造を、彼女はよ~くご存知で。
それをまさか羊なるメタファーに演じさせる逆説の脚本はいま考えても脱帽です。
実際すでに接種・非接種で分断差別事例が起きていると伺いますし。
それと、接種の是非、とりわけ陰謀論?について時々、
HAHAHA、うそだあ、人口削減目的の毒チン説はありえなくね?!
だったら反体制を真っ先に皆殺しにすべきじゃん?
従順に打たれたい体制側を殺したら支配が成り立たないじゃん?
とのご意見もあって確かにご尤もだが、いや、そこは為政者の思想と方針、
ならびにお抱えの社会学者の入れ智慧によりけりかな。
性急な独裁的全体主義を目指すならその方針もあり得ようし、現に実例もある。
が、どうだろう。増えゆく人口、壊れゆく自然、人類の生き残りを見据えるに、
己で考え利他的に行動できる共生の素質を持つ者らにこそ未来を開くべく(との題目で)、
他者を蹴落とし自分だけ真っ先に助かりたいエゴな無能どもをやむなく見捨てたい場合、
彼らに自主的な(自首的な)間引きを促し、膨れ上がった個体数を篩(ふるい)にかける、
そんな欺瞞の脚本ならば、あながち。責任を負わないよう巧妙に巧妙にね。
ふふふ…ひょっとして当タリ? さてさてどうでしょう。
や、狸合戦ぽんぽこに出てくる狐がその方針だったなって。
ウサギの婦警さんならさてこのピンチにどう立ち回るかしら。
…やめようか、ね、なんか楽しい話をしよっ!
ベルウェザーさん絶対エロ下着〜♪だとか、自分の肉食わせる論文狂気〜♪だとか、
日本では数少ないナントカ奏者で貴重な存在である〜♪だとか、
カレー1食おごるんで自分にオリジナル民族楽器作ってください〜♪だとか、
その段階で思考が停止ッちまうおどれらヤポンスコには難しい思考領域だ。
ーー【大洗・磯浜】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
苫小牧駅までは去る2013年開催の甲殻類学会札幌大会に出席したルートと同じです。
あの時はイワホリコツブムシの居住習性を引っ提げて参ったっけな〜、懐かしい。
久方ぶりの再来ならびに前回は行かれなかったスポットを訪ねることにしました。
ところがこの時勢、展覧関係はまったく厳しくてね。
まずは外せぬアクアワールド茨城県大洗水族館へ再突撃を勇んでいたが、
8月頭にして無情のしばらく休館いたします。クソックソッ人気商売めが!
まぁそうよな、せっかく産まれたシロワニの赤ちゃんに感染したら大変だもん。
そこかしこに点在さる色あせて埃かぶった美少女戦車アニメの掲示物を無表情でスルーしつつ、
大洗磯前神社内、大洗海洋博物館とやらへ。
境内にそんな展示室があったとは知らなんだ。
ここを覗けば大洗の海洋の謎が、そして漁業の全てが、いま、紐解かれよう!
「(原生物から鯨まで)クジラの胎児、スナメリ、貝類、魚類、
鯨の巨大な!! 珍しいものが たくさん ございます オオ・グソクムシ も」
爺さまの手仕事と思われしソソる文言に勇んで扉へ手を掛けると、
ガッチャコッ!! と鍵。ありゃー?
神社のバイト巫女さんに尋ねたところ、
「うう…たぶん…土日? …しかやってないと思います…」とこうだ。
おいおい話が違うだろう。アクアワールドに続いて休みとはこりゃ取材に痛手な空振りだな。
楽しそうなのに〜
うーんしようがあるまい。ひとまず隣接のお稲荷にご挨拶をして、
帰途の日曜日はまた大洗だから、きっと再び参ると致しましょう。
と、こんな調子で大洗の観光スポットは軒並み休業ばかり。
今は仕方ないとはいえ、町はどことなく淋しい空気…
通常の海水浴シーズンだったらもっと賑わってたろうなあ。
この公園にもファンシィなお馬のシーソーちゃんが在ったはずだのに、
2013年冬
今は撤去されて草放題のクリープショー 。どうにも浦島な気分です。
2021年夏
そんな中でも明るく営業中、もう此処しか…の頼みの綱は、
「めんたいパーク大洗」。俺、明太子、好きなもんで…
ツナマヨに多めに混ぜ入れて飯にかけて食うのは一種のドーピングですね。
フィリップ・スタルク渾身の悪ふざけで著名な吾妻橋の金うんこビルさえも、
この唐突な巨大卵巣怪獣の出現にはしばし面喰らおうぞ。
あっちも対抗して顔を描いたらよろしいんじゃないかな?
脱糞や女内性器で屋上を飾る、世界に誇る我が帝國ニッポン、大好きです。
確かに若干のうすら恥ずかしさを覚える佇まいではあります。
かねふくなら近所のスーパーでも買えるし… と躊躇してきたけれど、
いつでも工場見学可と伺って、せっかくだし行ってみることにしました次第。
知らないことも多かったし親しみがわきました。寄って良かったです。
ところでみなさんは、明太子をなんだと思っていますか?
え? いったい・なんだと・思っているんですか? ねえ。
たらこは、タラの子、つまり魚類タラの卵巣を漬け物にした食品ですよね。
一方の明太子を辛味の同様物と誰もが勘違いしておる様相なれど、実は違います。
メンタイコは、学名:Mentica pyliliaris(メンティカ・ピリリアリス)、
目・口・鰓をもち、水深200m前後の砂泥に埋まり、沈殿した有機物を食べて生きる、
ゴカイやミミズ等に近い 環形動物 の一種です。
底曳き網で捕獲したそれらに社会の理不尽な掟をうんと語り聴かせ、寝かし付けることにより、
ピリリと辛口でほんのり生臭い味わいに育て上げているのです。
福岡のみならずここ茨城の県民性にもマッチした製造法といえましょう。
出荷前に目鼻口を取り除いてしまうため、だから皆さんはたらこと明太子の、
本シシャモと樺太カペリンの、サイモンとガーファンクルの区別すらつかないのです。
また間違って買っちゃったガーファンクルを4つも冷凍庫に持て余しとるのを私は知っています。
そう、製造工程で最も手間のかかるのが、明太子の目鼻口の除去。
工場運営というのはいつだって嵩む人件費が社長の悩みのタネです。
そこで同社では外洋より新鮮なババチャン多頭を漁獲して、
まんまと網にかかったババチャン(魚類)
そのババチャンに白衣とエプロンを着せ付け、厚遇をもって加工に従事して戴く。
働くババチャン(魚類)
こうして安定的かつ価格をおさえた明太子の供給を実現できているわけです。
ババたちのお顔をよくよくご覧なさい、魚っぽい顔をしています。
魚類と人類の繋がり、ここにあり。ギョギョーッ!!
製造のようす
国家機密裏に行われるべき工程をこうも開けっぴろげに、
ジャイアントパンダ舎のバックヤード感覚で拝見できるとは。
あっ、ガラスを叩くのはおやめください!
チンアナゴが、チンアナゴが、おどろいてしまいますので!
奥に堂々鎮座するのがスターツアーズ社・スピーダーめんたい号。
3D眼鏡の旅客を搭乗、時空を越えし彷徨の果てに、今プシュ~と帰還したばかりだ。
おっちょこちょいドロイドが常習的テヘペロにて貴方を惑星見学にご案内します。
〔人気の航路例〕
舞浜ディズニーリゾート
↓
惑星タトゥイーン
↓
レイアとヨーダの♪ とっておき明太子レシピ(これはCMです)
↓
惑星ホス
↓
大洗かねふく(現地解散)
ゆかりある人物のポスターも工場見学ブース内を賑やかに盛り立てています。
やあ、同社の歌う広告塔といえば大活躍のこの人だな。
僕の卵巣を腹膜ごとズンドコ舐めしゃぶり尽くしたおかげさまが実り、
今、美しく咲き乱れ、爽やかな南風に吹かれる、旧きよし君→現きーちゃん。
自分らしい生き方を謳歌できるってとても素晴らしいことだと俺は思うよ。
たわけ物好きカップルのお楽しみに、めんたいゲームコーナーまで完備。
明太子をUFOキャッチでベッチャリモッタリ弄んでは素手でお持ち帰り戴く怪々装置
(スミス・マッキンタイア式 採めんたい器)と、
中央は昔懐かしのスリル系レトロゲーム「 消 火 栓 」。
赤ボタンを押すと大音量とともに貴方の運命が激変します。グレート・リセット!
さて、ここまで旨そうに魅せつけられて現物を頬張らぬ者は、くたばれ。
「ぷちぷちと♪ はじけてる♪ おくちのなかからこんにちわ~♪(こんにちわ~♪)」
じつにお行儀のよろしいアナーキーソングを洗脳直前まで聴かされながら、
異形の「めんたい丼」「めんたいソフト」をご馳走になりました。
アイスは皆さまご戦慄のとおり、バニラ味クリィ〜ムに生臭い魚卵が練り込んであります。
きーちゃんも楽屋でチュチュ吸って喉を整えるであろう付属の旨だれは、
●賞味期限:明太子と同じです。
●保存方法:明太子と同じです。
と、この自信。っはっはっは、そういうことじゃあないだろう。
明太子はもはやローカルでなくスタンダード、世界基準、ワールドオーダーだ!
いやまてよ、しかしこりは、けだしなかなかに画期的ではあるまいか。
だってこんなん許されるんだらば今度いかなる食品も、例えば、
・刺身こんにゃくと同程度です。
・青椒肉絲に準じます。
・ご自身でお考えください。
といった表記で済むわけだから製造元は手間が省ける。食品の産業革命や!
うーむなるほど、かねふく社が頑張る魚卵事業への熱い貢献を体感できました。
このテーマ1本で多角的パーク化を実現というのは並大抵の愛と資金では叶わない。
去る大震災で大洗の臨海一帯も水没してしまい、乗り越えてのご営業。
私はその日その時刻、銚子や犬吠埼の潮だまり調査採集に出ていた予定を、
当日ありえない大寝坊で渋々の自宅待機、結果として難を逃れる運命を辿りました。
予定どおり行動していたら波に呑まれて溺死していたと思います。
呑気に明太子食べに来てる場合じゃなかったかもしらんのだから…
恵みも災いももたらす海を、無力ながら愛し畏れて参りたいものですね。
ーー【商船三井フェリー→苫小牧】ーーーーーーーーーーーーーー
飛行機よりは密集にならないかなと思ったのと、
俺、やっぱり船を好きで、やっぱし飛行機を嫌いなんだよ。
搭乗各人に緊急飛び降りパラシュートすら配布せんでよう乗れるし乗せると思うのよ。
海ならいざとなれば浮いて待てるからね。
核弾頭つき迎撃ミサイルの実戦配備に余念ない駆逐艦、さんふらわあ「ふらの」、
愛称〝 子供が、まだ食ってる途中でしょうが!! 〟 号。
逞しい自衛隊員と相乗りで(←これは本当)、はるか蝦夷へ島流しとなります。
積めるだけ積んで、撃てるだけ撃て! ススメ、ススメ、御國ノタメニ。
お気付きのとおり明らかに当方で画像を一部合成しておりますが、
かねふくは三井と組んで是非このように広告を打ったらよいのではと存じます。
宣伝効果絶大だし、ロシアのスパイ艇もウヮ〜何だ何だピロシキ!!と驚いて偵察しだすことうけあい。
しばしの別れだ、大洗。
海洋博物館の爺さま、頼みますぜ、日曜。
地上のあらゆる動物たちを1ペアずつ乗せた船は夕刻過ぎに出航、
翌日昼過ぎにはもう苫小牧に着岸し、動物たちは新天地へ放ッぽり出される仕掛けです。
到着まで監禁さる客室は防疫と予算の関係から「コンフォート」コース、
豪華絢爛…雑魚寝タコ部屋の次にリーズナブルな階級を選択しました。
ドラえもんの居候部屋さながらの押し入れBOXでバージンな一晩を過ごすわけですが、
新造船から心の友・テレビくんが狭小ブース各戸に常設になったのが有難い。
しかし船が沖へ出るや地上波番組はたちまち映らなくなるズッコケぶり。
選べない映画作品掛け流しチャンネルが実に助かる暇つぶしとなりました。
この日はエディマーフィーじゃない版のドリトル先生、
「ドクター・ドリトル」2019-2020. (c)ユニバーサル・ピクチャーズ
ああ、動物たちとこうありたいものですね。
加えて、実写CGが大不評で作り直しを迫られた「ソニック・ザ・ムービー」、
黒人奴隷解放の波乱を描く「ハリエット」、この3本を無限ループという、
どういう寄せ集めでどんな気分で観ればいいやら知れない絶妙チョイス。
ただでさえ当日の航路は荒れ模様。そこへきてカプセル寝室の強制ロードショー。
ドリトル獣医の冒険船は沈没とまるで縁起でもないうえ、
ソニックの相方となるおトボけ警官の奥様も獣医でヨガ美形の黒人モデルさんだが、
直後に黒人強制使役の過酷描写を突きつけられつつの北方航路ですから、
かつての北海道に悪名高きタコ部屋労働問題を否応無く想起させる。
船酔いに苦しむお客様をヒゲ悪役ジムキャリーが奇妙なダンスで茶化してさえ感じられました。
低気圧を突っ切る大揺れにグヮラングヮラン酩酊する、くまお君とレッパンちゃん。
ええ、今回の取材には毎度のご両人と、両人の夜泣き対策にミニ羊も同行しました。
その為だけに超特特大の防滴リュックサックを新設計製造した覚悟だからな。
道中で職務質問とカバンの中身チェックを食らった場合の言い訳を予行演習したほどです。
ついて来たはよいが「こあいもの…」「こあいもの…」と荒波に震え上がっています。
ギシギシ揺れる船内。三輪車を漕いで角を曲がると…
あっ、血まみれの双子少女が!!
このあとゾンビ婆さんの湯浴み、熊男と紳士のまぐわい、
盛会じゃねおじさんにも遭遇。怒り狂って扉を斧で壊して回ったため、
最終的には関わった全員↑が事務室に呼び出され船長のお説教を頂戴する羽目に。
シャイニンごっこは他のお客様のご迷惑となります!
や、実際、ゆらゆらホテルから半日出られない焦燥でおかしくなる人もいるはずです。
長時間の幽閉で滅入った旅客に多少なりとも気ィ散ってもらうべく、
一角にはご親切にミニカジノまで用意と至れり尽くせりだ。
イケーッ!
と、さっそく狂乱の賭博師と化す未就学児レッパンちゃん。
はしゃぎすぎて小遣い全額(どんぐり7個)をここでたちまちスってしまい、
泣きじゃくって俺のなけなしの取材費にたかる始末。だから言ったでしょう!
ーー【苫小牧→釧路】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
苫小牧フェリーターミナルからJR苫小牧駅まではアクセスがクソクソ悪く、
殆どの旅人はここでバスかタクシーを使うのが普通です。
じゃないと時間の無駄だもの。
が、俺は埠頭から国道に出るまでの絶望的な寂れ野原の風景、
ぽつねんと工業建築物が立つこれを眺めたいがために、敢えて徒歩1時間。
行ったことないし決して良い例えでないが、若干のチェルノブイリ感を覚える。
ヤノベケンジ作品が呆然と直立していてもおかしくない。
国道沿いには楽しそうな公共箱モノが幾つもあるが、現在やっぱり軒並み休業中。
市美術博物館に至っては「道外からは来るな」と名指しで拒否されています。
そんな中でも温かく開けておいてくれたのは、
苫小牧市サンガーデン。文化公園内、図書館と併設の素敵な植物温室です。
ここが意外や良くてね。思いがけずホッとひと息つかせてもらいました。
大規模な植物園が多い東京モンにはう~んまぁ~程度の植栽かもしれないが、
夏はひんやり冬はクソ寒の北国で熱帯圏を再現したいこの気概に拍手。
逆転的かつ重要な視点だね、観光客は北の自然を満喫にやってくるが、
北の自然に生きる町にとってはこれが心のオアシスとなろう。
北海道では見られない植物を…をよいことに、みなぎるチャンポン感。
竜舌蘭と水車の取り合わせはそれを如実に象徴するようでした。
後々気がついていくことだけれど、果てしない大空と広い大地を持て余し、
北海道もまたパブリックアートがちょいちょい目立つ。
と同時に、歯車マークで著名な奉仕団体の石標が多かった気がするな。
過去に一度「あなたのような利他的な感性の人に」なんつってご案内を頂戴したけれど、
活動継続と資金繰りが大変そうで。ロ~、ロ~、ロ~タリ~♪
あっ。裸の女が木にぶら下がってる、斬新なブロンズ像!!
に見えたが、違った。枝を掴んで見えたんだが、残念。
や、本物の枝を掴む前提で鋳造するブロンズ像なんて面白いと思った次第。
自然とともに在る造形。優しく育った樹木香りも入れて…
あれ無理に “♪ずゅもくかおりもい〜れて〜” と畳み掛ける歌詞さばきが好きです。
やっぱり具象すぎて場所を選ぶんだよ、人物像というのは。
そして誰しも必ず、どうしても胸や尻や股間にこっそり目が行くでしょ。
寅さん・両さん・鬼太郎・志村の像は、わかる。記念碑的スターの記念碑だからな。
東健次の虹の泉も、わかる。あれは素晴らしいものだと思うよ。
だがいくらでも人が通る道に知らん裸をいきなり建てる意義を今ひとつ知らん。
この観点については「なんで裸?! 彫ハラ!!」と毎度怒れるフェミニスト各位に私も一票だ。
公共彫刻はもっと通行人が親しめたり不思議がれる抽象造形にしてもらいたいな。
といって、意味わかんなすぎもつまらない。難しいところだな。
問題提起できれば美は成功なのダみたいな“お美術”でしたら要らんですよ。
この点、釧路川のほとりで素晴らしく頓狂な作品に出会えたので、後ほど。
さ、あまり苫小牧でゆっくりしていられない。
JR北海道の随分安い前売り制 “えきねっとトクだ値” の特急指定席で、
終点の釧路までをおよそ5時間。
有り難かったのはディスタンスを気遣ったJR事務方の席の割り振り。
分散かつ他人と隣り合わないよう、乗客みんなに左右窓側の席をあてがってくれてる。
ということは半ば2席ぶんリザーブに等しいゆったり空間をお借りできたちゃったわけだ。
靴脱いで2席ぶん足伸ばして寝てる出張マン氏、本当はダメだが、咎められてなかったよ。
飛行機だったら羽田からひとっ飛びのところ、
わざわざ2日かけて辿り着いた、霧けぶる釧路は…
…うわぁ本当だ、まいったな、人が居ねぇや!
噂には聞いていたが街に人が出てない。駅前の目抜き通りぞ?
飲み屋の横丁も、うーん、これはこれで雰囲気はあるが…
この人の少なさについても次回触れよう。
やれやれ、さすがに移動だけで疲れてしまい、とっととメシ食って寝ることに。
連泊先近くで見つけたジンギスカン「華」さんで、
いっぺん戴いてみたかった茶路めん羊牧場のお肉を遂に。
俺ね、真面目な話ね、羊肉食の時だけちょっと特別な気持ちになるんだ。
牛・豚・鶏・魚は山海の恵みを有難うの気持ちで毎度戴くけれども、
動物として特別に好きだからかな、羊を食べる行為はセックスと一緒。
独特の脂の匂いで脳内の別んとこが何やら分泌してる気がする。
獣クサいぐらいでイイのよ♪の観点では、茶路の脂は上品だったともいえるかな。
別銘柄のラムロールとも味比べもしたけれど、やっぱ味、違う。茶路、うまい。
食べてる草と、飼料と、ストレスの無さの違いが肉に出るといいますからな。
よし、食ったから寝る! 明日から仕事! 本懐!
・
・
・
といった具合で、釧路の話は次回につづく。
楽器の動画も作んなきゃいけないんでね、大忙しですよ。