◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
★ 1記事内1主題の場合と、1記事上に短文加筆を重ねる【近業掬イ】(きんぎょうすくい)の場合がある。繁忙時はどうしても後者です。
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(ご挨拶:川崎ピースケ38歳、異色連載はじめます)

や〜ごめん足止め喰っちった、重箱の隅ッコつっつかれて対応してました。
http://yokoebi-gaeshi.blogspot.jp/2017/08/8.html(のコメント欄に投稿)

なにせ俺、生き物の名前なんぞ人間の決め事じゃんかい主義者につき、
正しき呼称をあんまし必死こいて憶えよう糾そうとしねえもんでよ。
自分の専攻領域すらそんなユルユル気分。


( ああ、先日のこれはね、

 さすがに国立ともなりゃ正しく見本を示さねばならない立場なわけだし、
 標本を提示してこれはC. isopusだと説明されちゃ問題だけれど、
 よい参考文献が少ない領域だから致し方ない面もあるんです。
 
 アウトドアのレベルとなればもう、ナゾ虫、キモ虫、どう呼ぼうと自由だ。
 ヘラムシなんか少し前までは「ふだむし(札虫)」と呼んでて、
 捨てたり肥料に混ぜたりしてたんだもん、呼び名なんか本来どうにだってなるんだよ。
 だからムシの名前を申し伝える時はなるくそワンクッション置くことにしてる。)



そんな認識のくせして新知見に気付いたりしちゃうもんだから、
正確さにご執心の物知りハカセとは昔っからどうも相性良くないみたいなんだ。
仲良く語らいたくても予防線ガチガチで構えられてしまうし、
せっかく向こうから「(無知なキミに教えてあげよう)」とアプローチくれても、
最終的には向こうから「(屈辱だ!もう関わりたくない)」と逃げられちゃう。



事象に一定の秩序を見出して腑に落とす営為を「学問」とすれば、
ピースケは秩序の外から秘密を抱えてやって来るお化けちゃん
文献こそ権威と信じてやまないハカセさん諸氏にとっては、
こんな存在を薄気味悪く許容しがたく感じられるのかもしれません。

や、知の蓄積は素晴らしいことよ?
だが蓄積の元になる未知を、まず誰が俎板に乗せるというのかに。
各分野のお化けちゃんに他ならねえでしょうがに。



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>私にこれを肯定あるいは否定する知見がなく、
文章の流れの中に位置づけられないためです。
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こりは有り難いお言葉を頂戴しました。
肯定あるいは否定する知見がなく位置づけられない、
学問の喜びはむしろそんなところにこそ在るのではないでしょうか。
引き続き頑張って参りたい所存でござりまする。


が、一方、実はこの御方も日頃サーランピーをお読みで、
珍種の出現をサーランピーで初めて知られ、
ムシ見分けポイントを鵜呑みになさってしまい他所で誤同定…
つまりは巷の誤称に憤るあなたも程度はさほど変わらんよ?! ってのを、
以前より見通し、そっと黙っておき、
最後に突き付ける
という態度は、
いささか意地が悪かったかしらと反省しています。反省してまーす(國母)。




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さて! 海ムシ情報はそろそろ次の機会、泥底で浮上の時を待ちます。
もう本当に楽器の話に帰らせてもらいますからね。


で、今回のモチーフなんだが…
いろいろ考えて、やっぱり詳しく解説していくことにしました。
思いックソ長文につき数回に分けて連載の形をとります。

これまで取り扱ってきた民族楽器学・文化人類学的研究をベースに、
心奥に隠してきたエロスや猟奇の側面と、お茶目さんなゆぅもあを織り込みながら、
ヒト・動物・道具の繋がりについてさらなる深みを思索して参ります。

なるたけマイルドな文体を心がけるけれど、
内容はときに核心的・過激にもなっていきますので、
サーランギーのピースケさん♪ おもしろ楽器のピースケさん♪
コツブムシのピースケさん♪ と温かくご認識の皆様はその都度ドン引き必至。
以後、私を白〜い目で遠巻きに見ることになるかもしれません。

それでもなお体現したい世界があるんだ。ボクもうすぐお誕生日なの。
ついてこれるか否かは貴方のお許し次第です。







    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。