◆ インド発祥の多弦胡弓「サーランギー(Sarangi)」類の話題を中心に、世界でここだけ前代未聞の怪研究・珍開発の数々を発信し続ける異常ブログです。同楽器取扱いの急先鋒にして生物学者や変態ケモナーとしても知られる異常造形作家【川崎ピースケが執筆運営しています。
研究テーマ:1)楽器「サーランギー属」、2)海のダンゴムシの仲間「水産等脚目甲殻類」、3)多肉・塊根・平行、栽培から造花まで「珍奇植物」、4)原材料・愛玩対象としての「羊」 、5)獣人表現「ケモナー」 、等を題材としたデザイン論と実践、特に生物型や生物利用の意味について。議題は多岐に渡り、追究の範疇としてエログロを含みます。* 近年(2)〜(5)の構想がだいぶ具現化したので、2023年から(1)の分野に戻りアプローチを再開できる運びとなりました。
★ 1記事内1主題の場合と、1記事上に短文加筆を重ねる【近業掬イ】(きんぎょうすくい)の場合がある。繁忙時はどうしても後者です。
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見過ごされてきた者たちを、見過ごすようなやり方で見せてどうすんだ、の話


   / 虫に負けた… 虫、キライ! \

指定席まで作ってやったのにブスーッとむくれ顔のチッチちゃん。

そも、この羊、うたてき裸見世の悪癖ありけるに、
これ見よこれ見よと己が腸をぞさらしけるが、

ふぇすのまらうと、羊ないがしろにて、むつかしげなる海虫に惚けたれば、

羊、なお恥入りて、はらりはらりと泣きにけり。

だから言ったろうに。付き添いは一向に構わねえけども、
今度のは海産小型等脚目甲殻類がメインテーマの出展なればなり。
目立とうと意気込んでヌードさらしてガン無視喰らって、
あなはづかしき、いとかたはらいたしきことよ。


【きょうの晩ごはん】

俺だって自炊してますよ

「ヒツジ臭むんむんラム焼うどん大盛 + 大根と海藻のサラダを梅ドレッシングで」



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「ヘラムシ?!」

「ヘラムシってなんですか?」
「ヘラムシ? なんの仲間っすか?」
「これがヘラムシ? うわあ見たことないんだけど…」

あっはっはっはっは、ありがとう、ありがとう。

博物ふぇす4ご来場、誠にありがとうございました!
猛暑のなか6000人超のお客様がお越しというから驚いた。
みなさん揃いも揃って頭おかしいんじゃねえのかと思います。

またお好きな出店に清き一票を投じて戴ける総選挙「ガクモンからエンタメ」、
初参加したところ「こつぶ荘」に23票も入れてくだすったとあってダブル驚き。
その23人は念のため病院行った方がいいんじゃねえのかと思います。
同点獲得のブース複数で、無理やり順位にしたらば第7位くらいか。

とはいえ、順位なんぞ。どの出展者さんもみんな素敵な偏執狂だったわよ。


今回はリクエストにお応えする意図から、わかるかなあ、ほらあの〜、
「地方の小さい古い水族館に入った時の “久しぶりッこの水族館!”

をヒンヤリと思い起こし戴きたく、前回(ふぇす2/2015)のルックスをほぼ踏襲。
しかし出し物まで丸くそ同じじゃつまらんすから、
初出標本&生体に馬鹿げたポップも付け足して、
お越しのどなたにもヒャーと震えて戴けるよう努めました。

初出標本

馬鹿げたポップ



とくに今回は生体水槽の伝え方、話の盛り込み方をちょっと工夫しました。

【1】都心のはずれ=多摩川下流にひっそり暮らす穿孔性コツブムシの悲哀を、
この街が抱える社会問題に投影した『東京コツブストーリー』
ムシ達がひきこもるアパートは多額な税金と供にドブ川に捨てられることになった、
あのエンブレムのようにどことなく見えなくもありませんが…
いえいえパクリだなんてとんでもない。
日本を代表する気鋭のデザイナー先生様方のお墨付きですよ?!


【2】カニさんお魚さんに会いに来た磯遊び親子が、
「せっかく来たのに何もいないね」と落胆するその泥底に、
ドッコイ生きてるどうでもよろしい海の虫ばかりを収容展示した水槽、
その名もじつに『知らない虫は、いない虫』コーナー。

何もいないようにしか見えない水槽、教えてもらってよくよく覗けば…

うわーッ本当だ、全然見えなかった、知ったこっちゃない生き物が動いてる!
言われて気付いて初めて急速に見えてくるあの不思議体験、
生き物探しフィールドあるあるをこの場に召喚しました。



【3】キラータイトル『ギャルのお尻に懸ける夏』は、

ピーカンの波打ち際に座り込んでキャッキャしとる黒ギャル白ギャルの尻を、
いきなりチクリと噛んでくる憎いあんちくしょう「ヒメスナホリムシ」と、
似てるけど噛まない同居人、総計400匹くらいを収容した、
未曽有のサザンオールスターズ水槽です。

当初はガラルファよろしく「キミも噛まれてみようコーナー」を立案していたが、
お怪我はさすがにNGとあって代わりに猟奇もぐもぐタイムを披露。
気絶させたイソエビくんを生け贄に投入すると、

胸騒ぎの腰つきで盛り上がる夏のパリピ虫ウェ〜イ(写真中央)。
カンディルもしくはタイムセールの如く群がりたちまち殻だけにしてしまう、
その様相に「うっわぁ…」「ひでえ…」なんともいえないドン引き声が。
これじゃ噛まれようコーナーなんて冗談じゃねえやな。


で今回もインチキ小テスト(全部の選択肢が正解=みんな満点)を配布し、
ご参加の皆さんには標本orおもちゃを差し上げました。

くだらん玩具よりリアル指向の方には、
このブログでは毎度お馴染みのチビウミセミをひと粒か、
黒崎のみから知られると布村先生が仰るホソミじゃねえか?と思うヘラムシ1匹。

両者とも、少しばかり採っても屁でもねえほどワラワラ発生する種なので、
採るぞ〜と心に決めて定時期&定地点に出向きさえすれば普通にいっぱい採れます。
なのでヘンカワ好きの皆さんにおすそわけ。商用目的の乱獲は致しておりません。

キモい虫けらよりエンジョイ指向の方や無邪気キッズにはこちらをプレゼント。

京大は瀬戸臨海に降臨せしコツブ研究のホープ中町健さんの功績を広めるため、
観光地のおみやげ屋によくあるセミのギイギイ玩具をコツブムシ型にでっちあげた、
「磯の民芸こつぶぎっぎ」。

中町さんとは甲殻類学会でご一緒しましたが、
せっかくの頑張りと眼差しがいずれ「へんないきもの大集合」的ウンチクと化し、
早川いくをの食い扶持に利用されていく未来も見えた気がして、
それじゃなんか惜しいな、彼の業績を造形の力で祝ってあげられないかなと思いました。

なので本作に関しては、どうだこれぞ俺サマの作品だと威張る意識がありません。
この知見が業績者と共に知られていく踏み台でありさえすればよいと思っている。
ガクモンの浸透にはエンタメの仕掛けが必要なのだ。

ニホンコツブムシが海の底でやっていたまさかまさかの秘密と、
それらのオモシロ検証法は、是非ともレポートをご覧あれ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cancer/25/0/25_137/_pdf

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基本的に博物全般を好きっ子・博物グッズ欲しっ子のお祭りであって、
ダイオウグソクたんキモカワ萌え〜と異界にばかりのぼせ上がっているから、
遠い世界に憧れるのもよいが同じくらいミステリアスな連中は身近にいるのよと訴え、
探してみようよと促す、慣れない現場に乗り込んでいったこれが元々の狙いでした。

ですから真っ先に「こつぶ荘」に突進するご来客をあまり想定してこなかったんです。
1発こっきりのつもりが後で随分とお声を頂戴することとなり、
そんなら…と2度目のフタ開けて実際びっくり。
ヤ〜これを見に来たのだ、ワ〜実物を見たかったのだ、ギャ〜本人に会えたのだと、
有り難いやらくすぐったいやら。皆さんどうかしていると思う。



さらに意外だったのはわざわざ計5名さまもが、
サーランギのライブやらんのか、やってくれと詰め寄りに来てくれたこと。

うーんご期待のところ済まぬが、単なるインド古典コンサート、
単なる民族音楽かぶれライブの類は出演予定まるで無し。
今は納得いくアートワークとプレゼンテーションに集中したいんだ。
共演お誘いについても、俺を呼ぶ意味・必然性がある企画なら有り難いですが、
ただ呼びたいッス聴きたいッスでもカネ無いんでNOギャラorまかない1食で…
の手合いはもうお断りすることにしました。

今回は海ムシがテーマだったにすぎないのだから、
音楽ファンや楽器マニアは次の機会を待ってほしい。
そっち系の発表も企画中ではあるが、まず出し物を作らねばの段階だから先の話よ。
もっとグウの音も出ねえことをジャンルに囚われずにやっていきたいからね。


相変わらず「日本では聴く機会が少ない」と称されてばかりのサーランギーですが、
実践者は今後もぽちぽち、よりカジュアルな使い方する人もきっと出てきますよ。
奏者たち自身は、我こそ珍奏者なり!と自負して気張ってるところがあるから、
これ以上増えてくれるなと怯えるだろうけど、俺としては増加発展まことに喜ばしい。
是非ともこぞって人生を棒に振り、良質なる音世界を受け継いでいってくれ。

しかし毎度言っているように、
川崎ピースケはもう二度と現れねえんだからしょうがねえだろうに。
やれるチャンスを天から授かっているうちに、俺にしかやれない世界を、
ひとつひとつ切り拓いていくまでだ。もうあまり時間がない。

いきなり作って今でも主力機のサーランギ55号はもうじき15歳になります。
あちこちくたびれてきたし、もっと工夫できると今になって思う箇所だらけだし、
どうせライブ企画すんならその前にそろそろオーバーホールすっかな。

これ1台についてだってああだこうだ言われてきました。
やれ、本物とは形と違う、どこで作り方を習ったんだ、
演奏家なのか製作家なのかどっちだ両方やるのはありえない云々…
一応の弁明はしながら、心の中では固定観念しゃらくせえわと思っていた。
誰に何を言われようと55号は連綿たるインド古典芸能の歴史の続きだ。

なんつーかほんとにねえ、どの分野でもそうだが、
既存のコンテンツの偉大さに無条件にひれ伏して心酔しきり、
いかに誰よりも詳しく正しく「本家・本物」を理解しているかで他者と較べ、
必死のマウンティングで一喜一憂する、そんなプライドろくなもんじゃねえよ?
素晴らしいなと思ったら分野に浸かるんでなく飛び越えて、
今度は素晴らしき分野の側に驚いてもらえる方向へ努力しなくちゃ。

でないと分野というのは停滞して未来へ進んでいかんのだから。
音楽にせよ、造形にせよ、自然科学にせよ。
とりわけ深海ファンの界隈は…



ああそうか、生物の話をしてたんだっけ、脱線。
上野の科博にて開催の特別展『深海2017』に寄り道してきました。
2013年に既出の標本が多いけれど、死骸は何度見たって楽しいもんね。


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さて、怒るかもしれないので最初にお詫び申し上げる。
拙者は昨今の深海偏愛の風潮に、いささかならぬ不満も抱いているのだ。

や、構わねえぜ? 愛することは素敵なことだ。
人生かけてもいいロマンのある異世界には違いない。

だからって自分ではそうそう潜って行けないし、
行けても目当ての珍生物に会えるわけじゃないのがこの分野の難しいところ。
従って深海生物に対し愛好的な大衆というのは必然的に、
もたらされた情報に飛びつき踊らされるばかりの構造を呈するんですよね。

研究者が発信した成果に乗っかって「未知なる暗黒の神秘!」とか、
「驚愕の生物を一挙に紹介!」「まさに深海を代表する王者の風格です!」と、
ついついプレゼンターを熱く気取りたくなる気持ちはよくわかるんだが、
しかしどいつもこいつもテメーで確かめてきたわけじゃねえし実体が手元に無いわけ。

やり場のない愛の矛先に深海ファンシーグッズを買い漁り、
並べてニンマリはいいけれど、

そりゃ単なる布やらプラやら製の代用品であって、
深海そのものではない。手に届いた気にさせられちゃってるんだよね。

そりゃあ俺だって異形の深海には憧れるが、しかし同時にそういった、
“どんなに愛しても届かない高嶺” にフラストレーションを溜めてきた。

残念ながら深海に遊びに行く夢は今もって叶ってない。
けれどこの不満と渇望は結果的に、
現在手掛けている研究内容に色濃く繋がってるような気がする。

民族楽器の研究と乱造は新種の深海生物を探すのと同じ気持ちでやってるし、
海岸動物の研究と広報は季節うつろう古典芸術と同じ気持ちでやってる。
わざわざ秘境に行かなくたって同じような神秘はドブ磯の石の下からも出てくるし、
サーランギーならいくらだって新種を産めるし放流も出来るんだよ。

沼からオバケ連れてきて、始末に負えない怪物に育てる作業。
これなら一歩一歩が未知だから興味が尽きないし、
単に生物ファンや楽器ファンやってるより愉快です。

深海というコンテンツを眺めるにつけ、このことを痛感する。
奇異な世界への扉は意外と身近に開いているのに、
気付かないで遠い世界にばかり憧れてしまってるかもしれないんだ。

僕らの足元やごく近場に何が隠れているかな? 何が生まれるかな?
そして何が起こるかな?というワクワクに対してまるで無頓着、
お膳立てしてもらわないとどう楽しんでいいか分からない人が多すぎる。
勝手に線引いて区別して自分を縛ってるだけで元来は一緒のことなのに。



まあいいや。デメニギスの生態映像をご覧の方の多くはおそらく、

「こんな変な魚がいるのか深海は凄いな〜」あたりがご感想と存じます。
若い人やチビッコ博士はいきなり鮮明な資料を拝めるんだから羨ましい限りだが、
「これぞ深海を代表する珍魚ですね!」みたいな感心されると複雑な気分になる。

というのも俺が初めて見たとき瞬時に、
「ハッ、こりはもしや図鑑に載ってたアイツでは?!
生きてる時こうだったのか騙されたズコ〜ッ!」と気付いて赤面しました次第。


クシャクシャになるほど読んだ旺文社のポケット図鑑

だって俺たち世代は図鑑のこの↑挿絵がまんま深海を泳いでると思ってたから、
今になってその勘違いがちょっぴり恥ずかしいんだよ(テヘペロ)。
例えるなら、アジは最初から開いた生物で、スルメは最初からぺったんこの生物で、
ウニは黄色いブワブワだけで海をひらひら泳いでる生物と勘違いしてたに等しい。

後になってそれ(図鑑)とあれ(映像)とは別種なのねと知りましたが、
デメニギス属については未だに合点のいかない疑問を抱いたままです。

だってほら、みんな得意になって解説すんじゃんか、

「頭が透明で、」「頭が透明になっていて、」
「なんとこの魚、頭が透明なんです!」
「透明な頭に眼が埋まっているのです、深海ってスゴい!」

俺それ違うんじゃねえのかなあと思うのよ。あれは頭じゃなくてさあ、

眼球の表面(角膜?)あたりが異様に発達した結果なんじゃねえかしら。
綺麗な緑の玉はそれ自体が眼球にも見えるが、じゃなくてあれはレンズ(水晶体?)。
そうして殆ど暗黒な世界で最大限に採光しようとしてるわけ。

つまり透明ドーム部分には骨が入ってなくて、真の頭骨はその奥にあると思うんだ。
そんならドームだけ傷みやすくてしぼんじゃう現象にも説明つくんだが、違うかな?

つまり元来「顔じゅう目玉のお化けニギス」であって、じゃ「デメ」は何?といえば、
ドームが潰れて硬いレンズ部だけグイッと突き出てしまった異常事態にすぎない。
通常は透明部で覆われてるんだったらそもそも「デメ」ですらなかったことになる。
俺たちその段階から勘違いしてたかもしらんのよ。

喧伝されている情報を鵜呑みにしないでときに疑う事も大切だ。
頭か目玉か、はたまた皮膚か… 透明パーツはどこのナニ由来なのだ???
だのでそれを確かめに実物を見に来たんだけども、

肝心の標本が毎度おなじみのオムレツ失敗みたいなクオリティにつき、
間近で見てもようわからんかったわいや。これじゃちょっとなぁ〜。
自分で生け捕りして自分で解剖しないと確かめられんかもしらんです。
デメニギス推しとる展覧会じゃけ綺麗な新作標本でも出るかと思ったのに残念だが、
毎度こんな姿でしか採れんのでは勘違いも致し方ないか。


さて次に深海展すぐ隣で絶賛開催中であります相模湾の新発見コーナー、
こりもワクワクしながら突入したんですが、

ほら〜〜〜、ったくもう、こういう状況だよ、プンプン。
ご覧のとおりの静けさにてはべり。待ち時間0秒でご覧戴けます。
深海すごい♪ 生物すごい♪ と大はしゃぎで群がるくせにのう!
画像の右側に呆然と立ち尽くしている少年はこのあと走り去ってしまいました。
こつぶ荘より人気が無いというのはだいぶ問題だと思うぞ?!

主催者側の見せ方にも少し責任あるな。これだと真面目一辺倒に整いすぎていて、
ややッこりは一体何だべ?と興味を誘う要素に欠ける。

見過ごされてきた生物を熱心に調査中なのはよく伝わったが、
見過ごされてきた者たちを、見過ごすようなやり方で見せてどうすんだ。
根本的にな〜んにもわかってない専門バカでーすって言ってるようなもんじゃないか。
見過ごされてほしくないんであれば見過ごされない仕掛けで訴えないと。

深海なら薄暗くして《驚異!! キモカワ!! 大人気!! 》って明快に打ち出せるからいいが、
相模湾の浅いとこの小生物じゃ惹き付けるにはちょっと苦しいかもしらんなあ。
並んででも観るに値する面白さの後ろ盾が無ければ大衆はそうそう乗ってくれん。
かくして近海の小動物なんか興味ないから知らない見ない、ってなるわけ。

せっかくの科学プレゼンがこういう不人気を呈することを、
俺は「博士の独り踊り」と呼んでて、そうならないよう自戒してる。
内容も濃く素晴らしいのにだ〜れも目に留めてくんなくて、
なぜワシの研究を理解しないのだ?! と憤怒に震える研究者のイメージ。

ただでさえ埋もれてしまっているコンテンツなのだから、
見てもらえる工夫や演出をもっと打ち出さないと日の目を見ないのよ。
潮溜まりや浅海だって負けず劣らず愉快な連中ばかりだのに、
誰も見向きもしない閑古鳥シラケ鳥。みじめ、みじめ…

ボネリムシもこんなに一生懸命ボネってるのに、
この集客じゃボネり甲斐がないよなあ。

深海展にご来場のみなさん、別料金かかりませんから、
どうかこのスペースもご覧になってください。


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ついでだから地球館・常設展示をチラ拝み。
ここはリニューアルが済んで抜群に良くなりましたね。

特に上階の剥製コーナーは、みんなにとっては可哀想な死骸の山でも、
俺にとってはむちむちプレイメイトのハーレムにしか見えぬ。

嗚呼、むっふーん。はっふーん。どエロ、どエロ。

ウシ亜目はまこと美形揃いだ。パツパツの馬ケツも実に色っぽい。

余裕で興奮対象です。捕まえて食らいつきたいプレデターの気持ちがわかる。

あらしのよるに」の狼ガブは山羊メイの魅惑のプリケツによく耐えたな。
メイを女子にもフェミボーイにも解釈可能(作者公認)とあってなおのこと艶かしい。

動物をセクシャルに見ちゃう癖、カミングアウトして本当に気が楽になりました。
でも交尾までは及ばない主義です。だって合意が無きゃ強姦になっちゃうじゃんか。

個体によっては向こうから誘ってくるんだけどね、一線越えちゃうと色々。
現地妻キャシーは元気にやってるかな。また会いに行こう。



で1階の「系統広場」が少々問題で、前にも言ったかもしらんが、

これはイソヘラムシではありません。
おそらくモノノフヘラムシ或いはキンダチヘラムシです。

なおキンダチはモノノフのシノニムだったそうですが(布村)、
どちらにしてもイソヘラムシとモノノフヘラムシとでは属から違いますし、
外観からしてもう全然違いますから、思いックソの誤同定は確実です。
遂にカッパ捕獲!! ったらミドリガメでしたぐらいの間違い。

こつぶ標本箱より、イソヘラムシ。
大きめの転石の裏にくっついていることが殆どです。

で、モノノフヘラムシ。ほら全く違うやん?!
石の裏にはいないし、石の裏には適さない体躯をしている。
外観だけでなく好む生息場所や生態も異なりますから、
これを混同してしまうのはよろしくありません。


大事なことなので申し上げておきます。
国立の博物館ですらこの有り様なのよ。

これぞまさに、ザ・研究の遅れ。磯の生き物関係者の間で何となく、
「イソヘラムシ」「ヤマトへラムシ」の名ばかり知られちゃってるのが主な原因。
だからヘラムシらしき謎生物が採れた時、実体を不勉強なままに、
よくわからんが「イソ」「ヤマト」で問題なかろうと当てはめて疑わず、
後進がまんま学んでしまって、結果として種の相違がいつまでも普及しないわけ。

でも等脚目は分化が激しすぎるから仕方ないよなーと思うし、
やる人が少ないというのも問題に拍車をかけている。
この分野における日本の先駆者で大重鎮・布村昇先生をして、
ひっきりなしの新種記載や再検討、錯綜する情報にてんてこ舞いのご様子。
亜目ごとに専門研究者が最低1人つくくらいでないと進まないぞとのご提言に、
少しずつ次世代が名乗りを上げ、手探りながら成果を積み始めている状況。

そこへピースケもひょんなことから足突っ込んじゃった始末にござる。
ある分野に限り、私は博物館よりも進んだ研究に取り組んでいるんです。


実際、次号の日本甲殻類学会誌に拙稿、

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観音崎産コツブムシ亜目・ヘラムシ亜目等脚目甲殻類5種の飼育事例
Case study : Rearing of 5 spicies Sphaeromatidea and Valvifera crustaceans, collected from Kan-non-zaki bay, Kanagawa, Japan』
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を載っけて戴ける運びとなりました。こつぶレポート第二弾です。
同じ磯に6年通い詰め、採って飼って初めて分かった知らねえムシの知られざる生活を、
今回は5種+α、一挙に放出します。

まずは甲殻類学会員さん優先だからお読みになりたい方ごめん待ってね。
半年たったら論文データベース(たぶんJ-STAGE)でタダ読みできるから。
甲殻類学会宛てに投稿してるのはだからでもあるんだ。
そうすりゃ知見はヘンな生き物豆知識になってみんなに吸収されっだろ?

自律神経失調しながら定点観察6年やってようやくヒリ出したクソ成果を、
こっそり読んでさ〜もさも自前の知識の如く得意げに語っれくれたまえ。
あっはっは、いいのよ、権威や見返りを前提に研究やっちゃダメ、邪念が文体に伝染る。

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えーとそんなもんか。まだまだ話は尽きないが今宵はこのくらいにすっかな。
知られざる知見をどれほど粋に伝えられるか?についての雑言でした。
その点で “ガクモンからエンタメ” という試みは、
なかなか真を突いたアンチテーゼと成り得ていると思います。

エイヤッと世に問わんとする者はあちこち注視して不満を募らせる作業が必須なのだ。
しかし文句垂ればかりに留まっていては単なる評論家になり下がってしまうからな。

牧場行ってくる。キャシーちゅわ〜ん♪








    サ ー ラ ン ギ ー 図 鑑     

★バイオリンは皆さんご存じのあの形状にほぼ定まっています。しかしサーランギーは製作者・時代・地方によって様々な自由形が存在し、今なお進化を続けています。特に弦数や配線は個体によって全くまちまち。これは、先人に学んでこう作らなければならない・本場の本家本元ではこれが正しい・こうでなければ本物の価値が無い、といった固定概念に縛られていないためです。ひとくちに捉えられないそれらをサーランピーでは「サーランギー属」と総称しています。

こうして並べますといかにもアジア諸国調査で得られた現地サンプルに見えますが、なんと殆どが日本国内で発掘されたものです。日本人の技術で修理を施しました。…そう言われると急に萎えますでしょう? みんな興味本位で取り寄せて結局すぐ手放しちゃうからこういうことになるのです。

しかもこの中には当方が捏造したオリジナル楽器をまことしやかにねじ込んであります。果たしてどれが現地の風薫る本家本物のお宝で、どれが世にもいかがわしい贋作か? 鑑定やいかに?…といったこだわりは、どうにでもなることですし、実のところどうでもよろしいことなのかもしれません。



チーペスト号  名古屋の誰だ号  結局ウチに号  

ボロ号  55号  黄泉号

グランピエ号 ジョギヤ 前方後円ジョギヤ 

カリマンタン号 恵さんでしたか号 そそるスリム号 

ドードゥロバナム ドゥカン号 サランガ

サランガ・ペタンコ エレクトリック チカーラー

チカーラー(近代版) サローズ アフガンサリンダ

ネパリ くさっぱら号 さらん弓(さらんきゅう)

サランダ  擦弦仮面 ダルマサンガ サランダ

ディルルバ エスラジ タール シェナイ

エスラマ ベラバハール カマイチャ

ラーヴァナハッタ ペナ エスラール
プールヴィーナ バリアジアン号 サラウドン
ストゥーパ号 ドドバシキメラ





    文 化 へ の 冒 涜 で は ?     


サーランギーの化石(カンブリア期)


いいえ、全く冒涜にはあたりません。サーランギー属は進化を歓迎し、地域毎に異なる展開を許す楽器群です

民族学・民俗学では、創作の混入は許されず、ありのままを正確にサンプリングすることで解明に努め、敬意を払います。つまり研究者はあくまで傍観者、せいぜい中途参加者であって、真の当事者にはなれません。研究者が自ら文化に手を加え、研究対象を自分自身とし、文化の歴史を塗り替える、これが許されるなら何だってやりたい放題になってしまいます。そのため研究者は、専門性・正確性への拘りにばかりにプライドを置き、しかし自分では大した表現が出来ない、融通の効かない方向へと人格形成されがちです。異文化理解を唱える本人が無理解とは皮肉なもの。サーランピーではこの状態を「スウェーデンポルノ女優のスリーサイズを精緻に暗記した童貞」と呼び、陥らぬよう自戒しています。

だども、オラ、この楽器がこの島でどう進化すんだか夢みちょる真ッ当事者の日本民族だで。何をどう作ろうと直そうとオラほの自由だ。オラが村の遊びがまんまこの楽器の進化の歴史になるだ。「インチキ業者」「思い上がるな」「現地の文化に失礼」「1人で騒いでるだけ」とお感じなのは、ひとえに貴方の心が許さないから。なにせその現地をはじめ世界各国からウチ宛てに「サイトを見た。修理はできるか? オリジナル楽器のオーダーは可能か?」と打診が来ます。もちろん断りますよ。てめーでやれっ。もしくはてめーの村の良さでやってみれっ。…そうすることがいつしか文化となるのだから。