…こんなん本当に弾けるのか? あっはっはっは。
道具を新たに設計するとき大切なのは、早い段階で立体モデルに起こすこと。
どうにでも足したり壊したりして構わない素材で作り、手遊びしながら確かめ、
「使う」ことに根ざしたエッセンスをきちんと回収することなんだ。
特にこういう “効率的に機能する馬鹿げたもの” を作ろうという時に、
不必要なこだわりを捨てたり、重要なのに忘れてた構造を拾うのにとても役立つ。
綺麗な完成予想図なんぞ描いちゃって、イメージを優先しちゃって、
見た目ありき格好よさ欲しきで押し切るとまるで使えねえ失敗作として返ってくる。
嫌いなんよ、マスプロダクトの世界では欠かせないコミュニケーションだとか何とかってね、
さらっと餅を絵に描いただけで “デザイン” した気になっちゃうの。
大学ん時の手描きレンダリング実習なんか馬鹿だな~馬鹿だな~と渋々描いてました。
よいデザインは絵からではない、手仕事から生まれる! とは柳宗理イズムの受け売りだが、
実際は難しいんだよな、手仕事はみな美しいのかというと決してそうではないし、
柳作品をしてまた陥っている面がある。とびきり美しいが切れないナイフとか、
焦げ付いて焦げ付いてしょうがないステンレス鍋シリーズとかね。
無為に美しい “アノニマスデザイン” 論も昨今おかしな捉えられ方をしているし。
ああ今度その話すっかいや。柳宗理さんには一度だけお目にかかりました。
さすがモノの見方には厳しいけれど、朗らかな先生でいらしたですよ。
第一こんな無駄なもの柳先生に見せたら叱られること必至。
でも一方で民族民具をお好きで、いい、いい、キザでない、健康的、と仰る。
おかしなことしながらその域に参りたいもんよぞ。
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年末年始は母の介護、その準備と後始末に追われて、まるくそ休めませんでした。
明けてからは新たなプロジェクトの始動と、まるくそ休めていません。
皆さんがおせちのごまめを歯の隙に挟み、チョロギを鼻の穴に詰めてニコニコしとる間、
ピースケ大僧正は血の滲むような苦行を乗り越えていたというわけです(千日回峰行)。
除夜の鐘を聴きながらゆっくり煮っぺと思ってた、茶釜の錆止めをいま慌ててる始末。
耽美グロ血肉SMギャグ盛り沢山コメディホラー『ヘルレイザー』を鑑賞しながらの作業は、
まるで地獄の釜を茹でてる気分。実際、中身は地獄のように真ッドス黒いお湯なのよ。
▲ナイスご指摘! 確かに本作の特筆は、セノバイト(魔導師)の1人バターボール氏の、
まるで世界観を無視したやられ方。え? それでいいの?ポカーン… と、
これくらいドリフに首を傾げさせてくれる展開もない。
なるほどこうしてホラーをお友達と語らい観るのも一興ですね。
上記の黒い液体は、緑茶です。鉄製の器で濃い目に煮ると黒くなる。
内側を琺瑯コートしてない鉄器は当然錆びますので、日頃から使って沸かすことにより、
水溶性のCa系(=家庭でいう水垢 =鉄瓶でいう湯垢)をわざと貼り付かせてコートしますが、
◀︎水沢姥口鉄瓶
ちょっと油断して使ってないといつのまにFe2O3がのさばって赤くサっビサビになる。
ったら諦めてリセットよ。鉄ブラシで磨いてから、安い茶葉をたっぷり、お湯満杯にクツクツ煮るの。
するとお茶の苦味と鉄っぽさが合体して、黒紫色の超こびりつき魔導ヘルレイ湯が生まれる。
結果こりが釜の内面をコートして表面の酸化を止めるそうで、実際止まるんよ。
お湯はぐんぐん煮詰めたものを瓶に保管しておき、釜の外の肌質の黒み補修剤にします。
数多のアノニマスな鋳物職人が熱気と汗にまみれて積み上げてきた叡智、
メンテありきのロングライフありきの素晴らしい工業デザインだなあ。
レンダリング実習やら焦げ付く柳デザイン鍋がなんだかヘンテコに思えてくる。
そういうわけですから2020年もヒツジ年ということで異存はありませんな。
干支というのは毎年俺が決めます。
いま締切り間近の論文というか随筆寄り文面を書いててそっちにクソ忙しいから、
今回のブログ文面はいつもより少なめでご勘弁くだちい。
あっ、しかし前回言及したディズニー動物作品の醸すエロティシズムについて、
ご反応くだすってる様子ゆえ、ちょっと補足しておこうか。
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ドナルドダックとデイジーダックのぬるぬると生々しいカップル感を書きました部分、
古典アニメ作品を例示したけれど、実はもっと相応しい好例があるのを記事では見送ったんだ。
あれは人んちでご馳走になりつつ観せてもらった映像で、典拠を思い出せなくてね。
何だっけかな、ひゃ~エロっエロっとあんなに感心したはずだのにクソ。
話の流れは確かこう↓でした。短い、数分間の作品よ。
うろおぼえの所とはっきり憶えてる箇所がある。
1)ドナルド君、自分にリボンつけて、おお愛しのデイジー、贈り物は僕自身さ、
何でも命じてくれと言いながらかこつけてセックスに持ち込む気満々。
( や、ほんと。そんな描写があったから印象に残ってるんだよ )
↓↓↓↓
2)でもデイジー「ちょうどブロック塀が欲しかったから建てて」。
つれない返事で建材を押し付け、当てが外れ渋々応じるドナルド。
↓↓↓↓
3)作業の男前に惚れた別の女がムンムンお色気でドナルドに言い寄り始め、
あわや寝取られる寸前、慌てて駆け寄るデイジー。
「悪かったわ許してドナルド。何でもしてあげるから」。
↓↓↓↓
4)デイジーさん精一杯のメス顔で許しを乞うているのだから、
そこはオスたる者、どうれ…いっちょ来い、の流れになるはずだべ?
しかしドナルドが命じたのはブロック塀作りでしたというオチ。
おのれ彼氏め、この私に作らすんかーい(ジャーン暗転アハハ終幕)。
↑だったと記憶しています。総じて性的関係を匂わせるイメージに通底した作品でした。
おい女、酒がカラだぞ持ってこいや、の如きふんぞりラストだった気がする。
あれディズニー作品中どれの何? 知ってるDマニアさん教えてほしけり。
で、それがちっともどうしてエロなのだ?とはこういうこと。
脚本の表面的な狙いは単に〈痛快な意趣返し〉だけでしょうよ、キッズにも解ること。
でも帰りの電車ん中で、ん? まてよ、あっ、うわっ、と気づいて赤面しました。
ドナルドの仕打ちは主従の逆転と駆け引きの悦楽、広義の《SMプレイ》なわけです。
ふだん振り回され、手の平で転がされ、うだつがあがらないぶん、ねちねちと。
ガサツだな。もたもたしてっとセメンがダマになっぞ。
これだからお前は。建築の苦痛は究極の快楽…
あーんもう堪忍して… 硬くなっちゃう…
日頃つんつん気ィ強いけどアンタ無しには居られない女の弱みを握って支配し、
慣れない力仕事汚れ仕事、ましてウェット&メッシーなモルタル施工などをさせ、
自分はゆったりと一杯やりながら、愛奴に堕ちた女王様の土木的醜態を眺める男…
や、ドナルド、ああ見えてたいしたソドム野郎だぜ、って電車の中で思った。
たかが鳥類と侮るなかれ。
ったく2羽ったら勤務時間外にせっせせっせと何をやっとんすかね。
非正規雇用のアヒルのくせに。このぉ、ちょんちょん(ナッジナッジ)。
匂わせる構図をそこまでキャッチできる変態キッズがどんだけ居るんかが問題なんです。
よくあるでしょう、お屋敷の高貴なご令嬢と汚い庭師の禁断の夜とか。
俺は椎名誠のバカ怖SF短編「たどん」を思い出しましたなあ、
面倒なタクシー運転手をからかったら銃で脅されて泥遊びをさせられる話。
なんだったっけかなぁ~あのディズニーアニメ。情報求む!
いかんいかん、俺は俺で原稿書きがまるくそ終わってねえんだった。
やるべきことやる時間がどんどん無くなるわ、あんまDファンサービスしとっちゃ。